人事労務

エボルバストライキから学ぶ感染対策と労務対応

経営リスクナビ編集部

エボルバストライキ(KDDIエボルバのストライキ)は、コールセンターやBPO拠点で感染症対策の不安が高まったときに、現場の要求が争議行為に転化し得ることを示した事例です。自社でも陽性者が短期間に増えたり、換気・検査・賃金補償の運用が曖昧なままだと、交渉の長期化や賃金処理の混乱、対外発信によるレピュテーション上の不利益につながりかねません。2月8日の記者会見(総合サポートユニオン同席)に至った流れを踏まえ、感染症対応を「衛生」だけで終わらせず労務リスク管理として整理しておく必要があります。実務で最初に押さえるべきは争点の分解です。経緯から見ていきます。

エボルバストライキの経緯

KDDIエボルバで何が起きたか

都内のコールセンター拠点で新型コロナの陽性者が相次いだことを契機に、感染症対策の十分性業務継続の優先度をめぐって労使の対立が表面化しました。会社側は、アクリル板の設置や座席間隔の確保など既存の対策を講じていること、職場内の感染拡大や濃厚接触の事実は確認されていないことを理由に通常運営を継続しました。

一方、現場の従業員側は、換気の不十分さ希望者への検査実施の遅れを問題視し、感染不安が強い中で「安全に働ける状態が客観的に担保されていない」として改善を求めました。結果として、一部の正社員・契約社員らが、職場環境の改善要求を実現するための争議行為としてストライキに踏み切り、感染症対応が労務リスク(安全配慮義務、交渉対応、賃金処理、レピュテーション)に直結することを示した事例になりました。

ストライキ実施までの時系列

公表されている主な時系列
  1. 1月下旬〜2月上旬にかけて都内拠点で従業員21人の陽性が次々に判明しました。
  2. 1月26日から一部従業員が順次ストライキに入り、希望者への検査、換気改善、休業中の賃金補償等を求めました。
  3. 会社側は既存対策を理由に通常運営を続け、要求への具体的な改善策提示が遅れたことが対立長期化の背景になりました。
  4. 2月8日に従業員らが総合サポートユニオン同席で記者会見を行い、対外的に問題が共有されました。
  5. 会見後、会社側は感染が確認されたフロアの全従業員への検査実施を表明し、衛生面の具体策に議論が移っていきました。

争点となった感染対策

新型コロナ対策の要求内容

従業員側の要求は「不安の表明」にとどまらず、会社に対し具体策とルール化を求める内容でした。要求を実務項目に落とすと、次の論点に整理できます。

要求の柱(実務で争点化しやすい順)
  • 希望者への検査を迅速に実施し、結果が確認できるまでの自宅待機など就業制限を設けること。
  • 検査待ち・感染疑い等で就業できない期間の賃金補償(休業・就業制限時の取扱い)を明確にすること。
  • 仕切り設置だけでなく、空調・窓の運用も含めた換気の改善を行い、実施状況を説明できるようにすること。
  • 感染不安による自主的な休暇取得等を理由に、人事評価や契約更新で不利益が出ない運用にすること。

なお、職場の感染症対策について「一定の対策の実施を直接義務づける法令はない」と整理される一方で、厚生労働省は新型コロナ対策として、テレワーク・時差出勤、休みやすいルールと雰囲気作り、距離確保・換気・仕切り・マスクなどの密回避、感染リスクが高まる場面での注意喚起、手洗い・消毒・咳エチケット・共用部の消毒といった5つの取組を挙げています。企業側は「やっている」ではなく、これらの取組を自社の業務特性に合わせて具体化し、説明可能性(記録・周知・改善の履歴)を持たせることが紛争予防上の要点です。

コールセンター職場の感染要因

コールセンターは業務特性上、感染症リスクが高くなりやすいため、物理環境運用(労務設計)を分けて点検する必要があります。

コールセンターで感染リスクが増幅しやすい要因
  • 多人数が同一フロアで近接配置され、顧客対応で発声が継続しやすいこと。
  • シフト制で座席・PC・キーボード・ヘッドセット等の共用が生じ、消毒手順が弱いと接触機会が増えること。
  • 中央空調等に依存し、窓開け換気が難しい構造だと換気の実効性が見えにくいこと。
  • 体調不良者が「気兼ねなく休めるルール」と運用が弱いと、出勤継続が集団感染の引き金になりやすいこと(厚生労働省が取組として明示)。
  • 受電目標や出勤率管理が強いと、申告抑制や無理な出勤が起きやすいこと。

在宅化と運営継続の論点

在宅化(テレワーク)は感染症対策・事業継続の有力な手段ですが、コールセンターでは情報管理・品質・メンタルヘルスがボトルネックになりやすいです。厚生労働省が感染症対策の取組の一つとしてテレワーク・時差出勤等の推進を挙げていることも踏まえ、導入可否ではなく「どこまでを在宅化できるか」を業務分解で詰めるのが現実的です。

また、在宅勤務では従業員の変化に気づきにくいという課題があり、メンタルヘルス不調が生じた場合には、早期発見と原因に応じた対応が必要と整理されています。実務では、WEB会議等で変化に気づける機会を設計し、健康相談体制を整えることが重要です。

出社継続か一時縮小かを分ける判断基準:感染者数・欠勤率・受電維持率をどう見るか

出社継続か縮小かは、現場の感覚論だけだと対立が深まりやすいため、指標の定義とデータの見える化が必要です。本件でも短期間に陽性者がまとまって確認され、労使の認識差が拡大しました(都内拠点で21人陽性)。

日次モニタリングで最低限押さえる指標(例)
  • 感染者数:フロア・チーム単位の陽性者の発生推移を把握し、急増時はクラスター疑いとして縮小判断の材料にします。
  • 欠勤率:体調不良・自宅待機等で稼働できない割合を把握し、残存人員への過負荷や二次リスクを評価します。
  • 受電維持率:入電に対する処理率やあふれ呼の状況を確認し、委託契約上のサービスレベルを割るリスクを測ります。

数値の閾値そのものは業務・契約・採用難易度で変動するため一律には置けませんが、少なくとも「何を」「誰が」「いつ」見て判断するか(意思決定の型)を定め、衛生・人員・品質・契約の観点を同じテーブルに載せることが、争議の予防と説明責任の観点で有効です。

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労働組合と団体交渉の要点

総合サポートユニオンの役割

総合サポートユニオンは、個人加盟方式で、社内組合がない・非正規比率が高い職場でも団体交渉の窓口になり得ます。本件では、2月8日の記者会見に同席し、要求の整理や交渉の継続を支えました。

実務上は、外部ユニオンが関与すると、要求が「現場の困りごと」から「交渉事項(文書化・期限・回答要求)」へと整理され、会社側の対応が誠実交渉として評価されやすい形で可視化されます。交渉が長引くと社会的注目も集まり、感染対策の不備が直ちに違法と断定されない場合でも、説明不足や記録不足がレピュテーションリスクになり得ます。

一部従業員と全従業員の違い

一部従業員がストに参加した場合でも、参加者と非参加者では賃金・就労機会の整理が必要です。

スト参加者と非参加者での基本整理
  • 参加者:争議行為により労務提供がない時間はノーワーク・ノーペイで賃金支払義務は原則ありません。
  • 非参加者:労務提供の意思と能力があるのに就労できない場合、原因が使用者側の都合と評価されると休業手当の論点が生じます(労働基準法第26条)。

この切り分けが曖昧だと、給与計算トラブルが二次紛争化しやすいため、スト参加時間の把握(自己申告・システムログ)と、非参加者の就労機会確保努力(配置転換、他業務付与)の記録が重要です。

団体交渉の前に社内で誰が何を出すか:人事・現場・産業保健・法務の資料分担

団体交渉は「見解」よりも「事実と記録」が争点になります。社内での資料分担を決め、短時間で整合する形にまとめることが必要です。

社内で準備する資料(分担イメージ)
  • 人事:就業規則・給与規程・退職金規程、従業員名簿、賃金台帳、タイムカード・出勤簿・業務日報等、雇用保険・社会保険・源泉徴収(年末調整)・住民税関係書類。
  • 現場運営:シフト表、座席レイアウト、受電数・応答率等の運用KPI推移、清掃・消毒の実施ログ、マスク・仕切り等の配布やルール周知の履歴。
  • 産業保健:検温等の集計、体調不良申告の推移、産業医意見(可能なら文書)、衛生委員会での議事録。
  • 法務:安全配慮義務(労働契約法第5条)と労基法上の賃金・休業手当(労働基準法第26条、減給制裁なら労働基準法第91条)の観点で、社内資料の矛盾点・不足点を点検し、回答方針を文書化。

賃上げと営業収益の見方

非正規の賃上げ事例をどう見るか

本件を「感染対策の争い」に限定せず、非正規比率が高い現場では、衛生・賃金・評価が連動して紛争化し得る点に注意が必要です。参照事例として、非正規の賃上げが従業員定着と関係することが示唆されており、賃上げ率が高い事業者ほど直近3年間の採用者の定着率が「7割以上」となる割合が高く、賃上げをしていない事業者では定着率が「3割未満」の割合が高いという整理があります。

このため、賃上げの可否だけでなく、衛生不安が高まる局面での離職・欠勤増をどう抑えるか(採用・教育コスト、品質維持)まで含めて評価し、交渉では「賃金=コスト」だけでなく「定着・品質の前提条件」として説明できる枠組みを準備しておくことが実務的です。

物価高と10%賃上げ要求の背景

物価高局面では、要求水準が上がりやすく、交渉が感情論になりがちです。参照事例では、2023年春闘において日本労働組合連合会が賃上げ率約5%(定期昇給含む)の方針を示し、政府も2023年6月16日に「経済財政運営と改革の基本方針2023(骨太の方針)」を閣議決定して構造的な賃上げの決意を表明したと整理されています。

自社で10%等の要求が出た場合も、是非だけを述べるのではなく、業績・物価・採用競争力・競合水準をどう見ているかを分解して示し、できる施策(基本給、手当、一時金、評価制度、教育投資)を組み合わせて説明するほうが、対立の先鋭化を抑えやすいです。

営業収益と人件費余力の論点

人件費余力の説明は、売上高よりも粗利益・付加価値の視点を置かないと、受託型ビジネスでは説得力が落ちます。参照事例では、収益のモノサシとして「売上高の大きい会社よりも粗利益額が大きい会社のほうが実力が高い」との整理があり、人件費については給与・福利厚生費・教育費の合計を念頭に「粗利益額の50%より少ないことが適正」とされています。

また、労働分配率の変化として、従業員数が増えていない事業者のほうが労働分配率の上昇幅が大きいという整理もあり、人材不足による付加価値額の減少や業績改善なき賃上げが背景になり得るとされています。したがって、団体交渉・説明資料では、粗利益、営業利益、人件費(固定費)の構造を同じ図表で示し、賃上げが可能な範囲と、継続可能性の条件(価格改定、委託元との再交渉、要員計画)まで含めて説明できる状態にしておくことが重要です。

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企業が取るべき法務対応

感染対策と安全配慮義務の基本

感染症対策は、特定の対策を一律に義務づける法令があるという整理ではない一方、使用者は労働者の生命・身体の安全を確保しつつ働けるように配慮する義務を負います(労働契約法第5条)。実務では、結果として感染者が出たかどうかだけでなく、当時の知見と職場特性に照らし、合理的な対策を誠実に実施していたか(プロセス)が問われます。

厚生労働省が例示する5つの取組(テレワーク推進、休みやすいルールと雰囲気、距離・換気・仕切り・マスク、感染リスクが高まる場面での対策、手洗い・消毒等の基本対策)を、自社のコールセンター運営に落として、実施・点検・改善の記録を残すことが、紛争・訴訟対応の基礎になります。また、感染拡大防止の実施状況を使用者が確認する目的で公表されている「職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト」を活用し、社内監査の形にしておくと説明可能性が高まります。

さらに、感染からの復帰(出社再開)については、参照整理として、感染者以外の従業員への安全配慮義務との関係では、感染症の特性を踏まえた外出自粛期間の経過と体調確認を行えば足り、治癒確認まで求める義務が高いとは評価されにくいとされています。復帰基準を曖昧にすると現場不安が増幅しやすいため、医療情報の取扱い(必要最小限)も含めて運用を定め、個別事情は産業医意見で補正するのが安全です。

ストライキ時の運営と賃金対応

ストライキ時の賃金は、まずノーワーク・ノーペイを軸に整理します。労務提供がない時間の賃金を控除することは、賃金全額払い(労働基準法第24条)に反するものではなく、労務対価の不発生として説明します。

他方で、運用を誤ると不当労働行為や未払賃金の火種になります。特に、賃金控除の範囲(基本給だけでなく諸手当をどう扱うか)は、就業規則・給与規程・労働協約・慣行の裏付けが必要です。また、減給制裁を伴う処分を検討する場合は、減給の上限規制(1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えず、総額が賃金支払期における賃金総額の10分の1を超えない:労働基準法第91条)にも抵触し得るため、安易に懲戒と結び付けない整理が重要です。

休業手当が問題になる境目はどこか:会社都合休業と争議行為の切り分け方

休業手当は会社都合休業の場合に平均賃金の6割以上が必要です(労働基準法第26条)。一部従業員のストで非参加者が働けない場合、常に休業手当が不要と決まるわけではなく、会社側が就労機会の確保や代替業務の付与など回避努力を尽くしていたかが実務上の分岐点になります。

休業手当リスクが上がりやすい典型
  • 非参加者に他業務や他フロアでの就労機会を提供できたのに、会社が一律に就業を拒否して休業扱いにした場合。
  • スト対応の指揮命令系統が混乱し、業務再開可能性の検討記録が残っていない場合。

逆に、ストの影響を受けつつも、会社が業務継続のための合理的な代替措置を検討・実施し、その結果として就労不能になったことを記録できていれば、「使用者の責に帰すべき事由」に当たらない整理を取りやすくなります。

コールセンターの再発防止策

委託元企業の契約上の留意点

委託元としては、受託先の労使トラブルが自社のサービス提供・ブランドに波及するため、契約設計と運用ルールの両方が重要です。

委託契約で最低限詰める論点
  • 集団感染・労働争議によりサービスレベルが低下した場合の責任分担(不可抗力とするか、履行不全とするか、減額・違約金の扱い)。
  • 有事の情報共有(感染・欠勤・稼働率等の報告指標、報告タイミング、対外公表の調整プロセス)。
  • 情報管理(在宅化や代替拠点立上げ時の個人情報・機密情報の取扱い)。

また、偽装請負の回避は必須です。委託元が不安から受託先オペレーターへ直接指示すると、受託の独立性が崩れ、労働者派遣法違反のリスクが高まります。仕様変更や衛生基準の要請は、受託先の現場責任者を通じた契約上の指示として実行し、直接の指揮命令を避ける運用設計が必要です。

相談窓口と就業規則の整備

外部ユニオンや記者会見に至る前に、社内で不安を吸い上げて解決する導線を作ることが再発防止の中心です。厚生労働省が感染症対策として挙げる「体調不良の人が気兼ねなく休めるルールを定め、実行できる雰囲気作り」は、制度と運用がセットで求められます。

整備しておくべき社内ルール(例)
  • 感染拡大時の出勤停止・就業制限の基準と、賃金の取扱い(休業・在宅切替・待機の位置づけ)。
  • 相談窓口の受付範囲(衛生、ハラスメント、メンタル不調)と、初動の事実確認・是正措置・フィードバックの手順。
  • テレワーク運用時のメンタルヘルス対応として、WEB会議等で変化に気づく仕組みと健康相談体制(参照整理)。
  • スト発生時の不就労控除の対象と日割り計算の根拠(給与規程・就業規則への明記)。

委託元と受託先で責任が曖昧になる失敗例:感染報告・代替要員・費用負担の詰め不足

有事の失敗は「起きた後の善意の協力」に依存したときに発生しやすく、契約と運用の両面で詰め不足があると二次被害が拡大します。

典型的な詰め不足(失敗パターン)
  • 感染者発生時の報告基準・タイミング・公表文案の調整手順がなく、初動が遅れて情報が漏れ、双方のブランド毀損につながる。
  • 人員不足時の代替拠点稼働や代替要員確保の責任所在が曖昧で、受電維持が崩れ契約トラブルに発展する。
  • 緊急消毒費用、代替端末貸与、休業手当等の追加費用の負担区分がなく、事後精算交渉が長期化する。

委託元・受託先ともに、感染症リスクを「衛生」だけでなく「運用停止・費用・情報公開」の複合リスクとして捉え、誰が何を負担し、どのデータを共有するかを事前に文書化することが重要です。

よくある質問

ストライキ中は欠勤扱いにできますか?

ストライキで労務提供がなかった時間を、給与計算上「不就労」として控除(欠勤控除に準じる処理)すること自体は、ノーワーク・ノーペイの整理として可能です。賃金全額払い(労働基準法第24条)との関係でも、労務提供がない部分の賃金が発生しないという整理で説明します。

ただし、正当な争議行為を無断欠勤と同列に扱い、懲戒や評価の不利益に直結させる運用は別問題です。懲戒としての減給を行う場合は、就業規則の根拠に加えて減給の上限規制(労働基準法第91条)があるため、実務上も慎重な整理が必要です。

外部の労働組合とも団体交渉は必要ですか?

自社に社内組合がない場合でも、労働者が外部の合同労組・ユニオンに加入している限り、団体交渉を正当な理由なく拒否すると不当労働行為のリスクがあります(労働組合法上の論点)。本件でも総合サポートユニオンが交渉窓口となり、2月8日の記者会見を通じて争点が可視化されました。

実務では、拒否・放置が最も危険で、まず窓口一本化、議事録、回答期限、資料提示の範囲(個人情報を除く)を決め、誠実交渉の記録を残すことが重要です。

感染対策の不備を理由にストは違法になりますか?

感染対策の改善を求める目的で行われるストライキが、その目的だけで直ちに違法と評価されるわけではありません。争議行為の正当性は、目的だけでなく手段・態様にも左右されます。

一方で、職場の感染症対策は、厚生労働省が示すように、テレワーク推進、休みやすいルール、距離確保・換気・仕切り・マスク、感染リスクが高まる場面での対策、手洗い・消毒等の基本対策といった具体項目に落とせます。会社側としては「対策の有無」の応酬にせず、これらの実施状況と改善履歴を示し、必要な追加対応(換気運用の見直し、共用物の消毒手順、体調不良時の休みやすさの担保等)を提示できるようにしておくことが、紛争の沈静化に資する実務対応です。

エボルバストライキへの対応で次にすべきこと

エボルバストライキは、感染症対策が「衛生の実施」だけでなく、要求の文書化・交渉対応・賃金処理(ノーワーク・ノーペイ、労働基準法第26条の休業手当)・対外説明まで連鎖することを示しています。特に、都内拠点で21人陽性が確認された局面のように、短期間の事象変化があると労使の認識差が拡大しやすく、指標の定義と記録が重要になります。判断の軸としては、厚生労働省が例示する5つの取組を自社業務に落とし込み、実施状況・周知・改善履歴を説明できる状態にしておくことが紛争予防に直結します。次アクションは、現場運営・人事・産業保健・法務で資料分担を決め、換気・検査・就業制限・賃金補償の運用をルール化し、相談窓口で早期に吸い上げる導線を点検することです。個別の事案では、争議行為の態様や就業規則・給与規程、交渉経過によって整理が変わるため、必要に応じて専門家に相談しながら進めるのが安全です。



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