人事労務

脳・心臓疾患の労災認定基準|労働時間の評価と改正点を解説

経営リスクナビ編集部

従業員の脳・心臓疾患と労災認定における「労働時間」の評価基準は、企業のリスク管理において極めて重要です。具体的な時間外労働の目安や評価方法を把握していなければ、適切な労務管理や予防策を講じることは困難となり、企業の安全配慮義務を問われる可能性があります。この記事では、厚生労働省が定める脳・心臓疾患の労災認定要件、特に「過労死ライン」とされる長時間労働の基準や、労働時間以外の負荷要因の評価方法について網羅的に解説します。

目次

脳・心臓疾患の労災認定、3つの基本要件

要件①:対象となる疾病の範囲

脳・心臓疾患で労災認定を受けるためには、厚生労働省が定める特定の疾病を発症していることが第一の要件となります。業務との関連性を判断する前に、医学的に定められた疾病のいずれかに該当するかを確定させる必要があるためです。

これらの疾病は、加齢や生活習慣などが原因で徐々に進行しますが、業務による極度の過重負荷が加わることで、その自然的経過を著しく超えて悪化し、発症に至ることが医学的に認められています。したがって、専門医の診断書などに基づき、発症した疾病が以下のいずれかに該当することを特定することが、労災認定の出発点となります。

疾病分類 具体的な疾病名
脳血管疾患 脳内出血(脳出血)、くも膜下出血、脳梗塞、高血圧性脳症
虚血性心疾患等 心筋梗塞、狭心症、心停止(心臓性突然死を含む)、重篤な心不全、大動脈解離
労災認定の対象となる脳・心臓疾患

要件②:業務の過重性の有無

第二の要件は、発症前に血管病変などを著しく増悪させるほどの過重な業務が存在したことです。発症の原因が私生活上の要因や加齢による自然な悪化だけでなく、業務による過度な負担が有力な原因となったことを客観的に証明する必要があります。

業務の過重性は、発症前の就労実態を以下の3つの視点で評価します。

過重業務の評価類型
  • 長期間の過重業務:発症前おおむね6ヶ月間にわたり、著しい疲労の蓄積をもたらす過重な業務
  • 短期間の過重業務:発症前おおむね1週間に、特に過重な業務が集中したこと
  • 異常な出来事:発症直前から前日までの間に、突発的で極度の緊張・恐怖・驚きをもたらす出来事に遭遇したこと

この判断は、本人の主観的な疲労感だけでなく、「同種労働者(職種、経験、年齢などが類似する健康な労働者)」にとっても過重であったかという客観的な視点から総合的に行われます。

要件③:業務と発症との関連性

第三の要件は、過重な業務と脳・心臓疾患の発症との間に、医学的な経験則に照らして相当因果関係が認められることです。たとえ過重な業務が存在したとしても、それが発症の原因として医学的に不合理であったり、時間的に離れすぎていたりする場合には労災と認定されません。

具体的には、業務による負荷が、労働者が元々有していた動脈硬化などの基礎疾患を、その自然的経過を超えて著しく悪化させ、発症の有力な原因となったと評価される必要があります。例えば、過重な勤務の直後や、深刻なトラブルに直面してから24時間以内に発症した場合、業務との時間的な近接性が認められ、関連性が非常に強いと判断されます。

この関連性の立証は複雑であり、労働基準監督署は主治医や専門医の意見を重視し、労働時間、負荷要因、発症時の状況などを多角的に調査します。

過重業務の評価①:長期間の負荷

発症前1ヶ月間の時間外労働(月100時間超)

長期間の過重業務を評価する上で、発症前1ヶ月間におおむね100時間を超える時間外労働が認められる場合、業務と発症との関連性が極めて強いと評価されます。これは「過労死ライン」の一つであり、短期間にこれほどの長時間労働を行うと、睡眠時間が著しく不足し、血圧上昇などを招き、血管病変を致命的に増悪させることが医学的に明らかだからです。

時間外労働とは、原則として週40時間の法定労働時間を超えた労働時間を指します。月100時間の時間外労働は、1日あたり約5時間の残業を連日続ける状態に相当し、日々の疲労を回復する機会を奪います。企業は、タイムカードやPCのログなど客観的な記録に基づきこの時間を算出し、100時間を超える場合は、労災認定の可能性が極めて高いと認識し、厳格な対応を行う必要があります。

発症前2~6ヶ月間の時間外労働(月80時間超)

発症前の2ヶ月から6ヶ月間のいずれかの期間を平均して、1ヶ月あたりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合も、業務と発症との関連性が強いと評価されます。これも「過労死ライン」として知られており、慢性的な長時間労働が疲労を蓄積させ、脳・心臓疾患を誘発するためです。

この基準は、発症前から遡って2ヶ月平均、3ヶ月平均、4ヶ月平均、5ヶ月平均、6ヶ月平均のいずれかの期間で月80時間を超えていれば該当します。例えば、発症直前の1ヶ月が70時間でも、その前の2ヶ月間の平均が80時間を超えていれば、長期間の過重業務があったと判断されます。企業は、単月の労働時間管理だけでなく、複数ヶ月にわたる累積的な過労リスクを常に監視し、改善措置を講じる義務があります。

目安時間に達しない場合の総合評価

時間外労働が月100時間や月平均80時間の水準に達しない場合でも、労災認定の可能性がなくなるわけではありません。これらの目安に近い時間外労働(特に月45時間を超えて長くなるほど関連性が強まる)があり、かつ、以下のような労働時間以外の負荷要因が認められる場合には、それらを総合的に評価して業務の過重性が判断されます。

労働時間以外の主な負荷要因
  • 休日のない連続勤務
  • 勤務間インターバルが短い勤務
  • 不規則な勤務、交替制勤務、深夜勤務
  • 出張の多さ(特に海外出張)
  • 心理的負荷(ハラスメント、重大なトラブル対応など)
  • 身体的負荷(重量物の取り扱いなど)
  • 劣悪な作業環境(暑熱、寒冷、騒音など)

なお、副業・兼業をしている労働者については、すべての勤務先の労働時間を通算して評価されます。企業は、残業時間が基準未満であることだけを理由に安心せず、多様な負荷要因を総合的に管理する必要があります。

過重業務の評価②:短期間・異常な出来事

発症直前の連続勤務・時間外労働

発症に近接したおおむね1週間の間に、特に過重な業務が集中した場合も、短期間の過重業務として評価されます。発症直前に急激な業務負荷がかかると、自律神経のバランスが崩れ、心筋梗塞や脳梗塞などを直接誘発する危険性が高まるためです。

具体的には、発症直前から前日にかけて極端な長時間労働があった場合や、1週間近くにわたり休日なく連続で勤務した場合、連日深夜に及ぶ時間外労働を継続した場合などが該当します。この評価では、単なる労働時間数だけでなく、休日の確保状況や勤務間インターバルなども含めて総合的に判断されます。

精神的緊張を伴う「異常な出来事」

発症直前から前日までの間に、時間的・場所的に特定できる「異常な出来事」に遭遇した場合、それ自体が発症の有力な原因と評価されます。極度の緊張、恐怖、興奮といった強度の精神的ストレスは、血圧の急上昇や血管の急激な収縮を引き起こし、脳・心臓疾患の直接的な引き金となるためです。

「異常な出来事」の具体例(精神的負荷)
  • 業務に関連した重大な人身事故や重大事故に直接関与した
  • 生命の危険を感じさせるような事故や対人トラブルを体験した
  • 事故発生に伴い、著しい負荷のかかる救助活動や事故処理にあたった

これらの出来事に遭遇してからおおむね24時間以内に発症した場合、業務との因果関係が極めて強いと判断されます。

急激な作業環境の変化

発症直前から前日までの間に、身体に極度の負担をかける急激な作業環境の変化があった場合も、重大な負荷要因として評価されます。人間の身体が適応できる限界を超える環境変化は、血管に深刻なダメージを与えるためです。

「異常な出来事」の具体例(作業環境の変化)
  • 著しく暑熱な環境下で、水分補給が困難な状態で作業に従事した
  • 著しく寒冷な環境下で、防寒対策が不十分なまま作業に従事した
  • 温度差の大きい場所(例:冷凍庫と屋外)を頻繁に出入りした
  • 人力での長時間の除雪作業や消火作業に従事した

このような環境下での業務は、脱水症状や急激な血圧変動を引き起こし、血栓形成や血管の損傷につながるリスクが非常に高くなります。

労働時間以外の負荷要因

勤務の不規則性(拘束時間・深夜勤務)

不規則な勤務は、生活リズムを乱し、疲労回復を妨げるため、重要な負荷要因とされます。特に、拘束時間が長い勤務、頻繁な深夜勤務、不規則な交替制勤務は、睡眠の質を低下させ、心血管系に持続的な負担をかけます。

具体的には、終業から次の始業までの休息時間である「勤務間インターバル」が11時間未満の勤務が続く場合や、事前の予定なくシフトが頻繁に変更される場合、十分な仮眠施設がないまま深夜勤務に従事する場合などが該当します。

出張の多さ、移動を伴う業務

頻繁な出張や長距離移動を伴う業務は、移動中の身体的拘束に加え、不慣れな環境への適応や睡眠不足など、複合的な負荷を労働者に与えます。特に、時差の大きい海外出張は体内リズムを大きく乱し、心身への負担が増大します。

移動中に十分な休息や睡眠が確保できない長距離トラック輸送や、飛行機での移動に伴う時差ボケなどは、血栓症などのリスクを高めることが知られています。企業は、移動後の休養日を設けるなど、移動そのものがもたらす負荷を軽減する配慮が求められます。

心理的負荷(人事異動・トラブル対応)

業務に伴う強い心理的負荷も、自律神経のバランスを崩し、血管病変を悪化させる重大な要因です。特に、本人の意に沿わない配置転換や、会社の存続に関わるような重大なトラブルへの対応は、極度の精神的緊張を強いることになります。

具体例としては、経験のない職種への突然の異動、過大なノルマ、顧客からの執拗なクレーム対応、職場のハラスメントなどが挙げられます。これらの精神的ストレスは、目に見えなくとも確実に心身を蝕み、突然の発症につながる可能性があります。

身体的負荷・作業環境(温度・騒音)

重量物の運搬や不自然な姿勢での作業といった身体的負荷、あるいは極端な温度や騒音などの劣悪な作業環境も、脳・心臓疾患のリスクを高めます。これらの物理的な負荷は、血圧や血流に直接的な影響を及ぼし、血管にダメージを与え続けます。

恒常的に重量物を扱う作業、長時間の立ち仕事、基準値を超える騒音下での作業、適切な対策のない暑熱・寒冷環境下での作業などがこれに該当します。企業は、作業環境測定の実施や保護具の提供、作業手順の改善などを通じて、これらの負荷を低減させる義務があります。

2021年労災認定基準の改正ポイント

労働時間以外の負荷要因の評価を明確化

2021年9月の基準改正により、労働時間以外の負荷要因の評価がより明確化されました。これにより、時間外労働が「過労死ライン」に達しない場合でも、勤務の不規則性や心理的負荷などの要因が認められれば、それらを総合的に評価して労災認定される道が広がりました。

具体的には、時間外労働が月45時間を超えるようなケースで、過労死ラインには満たなくても、休日のない連続勤務や短い勤務間インターバルなどの負荷要因が重なっている場合、全体として過重な負荷があったと評価されやすくなりました。企業は、単なる残業時間の削減だけでなく、より実質的な業務負荷の軽減に取り組む必要があります。

短期間・異常な出来事の範囲を具体化

改正により、「短期間の過重業務」や「異常な出来事」に該当するケースがより具体的に例示され、判断基準が明確になりました。これにより、労働者や遺族が労災申請をする際の予見可能性が高まり、調査も迅速化されることが期待されます。

追加された具体例には、「連日深夜時間帯に及ぶ時間外労働」や、「重大な人身事故への関与」「人力での長時間の除雪作業」「著しい暑熱環境下での水分補給阻害」など、客観的に過重と判断できる身体的・精神的・環境的負荷が含まれます。企業は、これらの事態が労災に直結するリスクであることを認識し、予防策を講じることが求められます。

対象疾病に「重篤な心不全」を追加

改正により、労災認定の対象疾病として、新たに「重篤な心不全」が追加されました。従来、心不全の症状は「心停止」に含めて扱われることがありましたが、両者は医学的に異なる病態であるため、臨床実態に合わせて適正な保護を図る目的で独立した疾病として位置づけられました。

この改正により、業務の過重負荷によって心臓のポンプ機能が急激に低下し、入院治療が必要となるような急性の心不不全を発症した場合、労災として明確に補償の対象となります。企業は、従業員が訴える動悸や息切れといった心不全の兆候を見逃さず、早期の受診勧奨や産業医との連携を強化する必要があります。

企業に求められる安全配慮義務と対策

労働時間の客観的な把握と管理

企業には、従業員の健康と安全を守る安全配慮義務があります。その第一歩は、労働時間を客観的な方法で正確に把握し、管理することです。これは労働安全衛生法で定められた法的義務であり、タイムカードやPCのログ、入退室記録など、改ざんが困難な方法で管理しなければなりません。

この義務は、正社員だけでなく、管理監督者、裁量労働制の適用者、派遣労働者など、自社の指揮命令下にあるすべての労働者が対象です。自己申告に頼った管理は、サービス残業を助長し、過労のリスクを隠蔽することにつながります。客観的データに基づき、長時間労働を未然に防ぐ仕組みの構築が不可欠です。

産業医面談・健康診断の実施

定期的な健康診断を実施し、その結果に基づいて適切な事後措置を講じることも企業の重要な義務です。特に、血圧や心電図などに異常所見があった従業員に対しては、単に結果を通知するだけでなく、速やかに医療機関を受診するよう促し、必要に応じて産業医の意見を聴取しなければなりません。

また、時間外労働が月80時間を超え、疲労の蓄積が認められる従業員から申し出があった場合、企業は医師による面接指導を実施する義務があります。産業医から就業制限(残業禁止、配置転換など)の指示があった場合、企業はこれを尊重し、具体的な措置を講じなければ、安全配慮義務違反に問われる可能性が極めて高くなります。

ストレスチェックと職場環境の改善

メンタルヘルス対策として、年1回のストレスチェック(常時50人以上の事業場では義務)を実施し、その結果を活用して職場環境を改善することも重要です。個人のセルフケアを促すだけでなく、部署ごとの集団分析結果から、特定の職場に過度な負荷や支援不足がないかを検証し、組織的な対策を講じる必要があります。

特に、パワーハラスメントなどのハラスメントは、深刻な心理的負荷となり、脳・心臓疾患の発症にもつながります。企業はハラスメントを許さない方針を明確にし、相談窓口の設置や研修の実施を通じて、従業員が安心して働ける健全な職場環境を維持する責任があります。

労災申請が行われた際の企業の調査協力と注意点

従業員やその遺族から労災申請があった場合、企業は労働基準監督署が行う調査に誠実に協力する義務があります。労災保険法施行規則により、事業主は申請に必要な証明を行うなど、手続きに協力することが求められています。

タイムカードなどの記録を隠蔽・改ざんする行為は「労災隠し」という重大な違法行為であり、厳しい罰則の対象となります。ただし、申請内容に事実と異なる点がある場合は、客観的な証拠を添えて会社の意見を申し出ることも可能です。あくまで中立的かつ客観的な立場で、事実関係の調査に協力することが重要です。

よくある質問

Q. 労災認定された場合の補償内容は?

労災保険からは、労働者が治療に専念し、生活に困窮することのないよう、手厚い補償が提供されます。

主な労災保険給付の種類
  • 療養(補償)給付:治療費や入院費など、医療にかかる費用の全額が給付されます。
  • 休業(補償)給付:療養のために働けず賃金を受けられない期間、給付基礎日額の8割が補償されます。
  • 障害(補償)給付:症状が固定し、障害が残った場合に、その等級に応じて年金または一時金が支給されます。
  • 遺族(補償)給付:労働者が死亡した場合に、遺族の生活を支えるため年金などが支給されます。

ただし、労災保険給付は精神的慰謝料などをすべてカバーするものではないため、企業に対して別途、安全配慮義務違反を理由とする損害賠償請求が提起される可能性があります。

Q. 労災申請から認定までの期間は?

脳・心臓疾患に関する労災申請は、認定までに概ね6ヶ月から1年程度の期間を要することが一般的です。業務上のケガなどと異なり、発症の原因が業務にあるのか、私生活にあるのかを慎重に判断する必要があるためです。

労働基準監督署は、発症前6ヶ月間の労働時間、業務内容、同僚や上司への聞き取り、主治医への意見照会など、詳細かつ多角的な調査を行います。このため、結果が出るまでには相応の時間がかかることを理解しておく必要があります。

Q. 持病がある従業員は不利になりますか?

高血圧や糖尿病などの持病(基礎疾患)があること自体が、直ちに労災認定で不利になるわけではありません。労災認定は、健康な人でも過重と判断されるほどの業務負荷によって、持病が自然的経過を超えて著しく悪化し、発症に至ったかどうかを基準に判断するためです。

日常業務を問題なくこなせていた従業員が、急激な長時間労働などにより発症した場合、持病があったとしても業務との因果関係が認められる可能性は十分にあります。むしろ企業は、健康診断などで持病を把握していた場合、より一層の健康配慮を行う義務(安全配慮義務)を負うことになります。

Q. テレワーク中の発症は対象になりますか?

はい、テレワーク中の発症も労災の対象となります。テレワークは働く場所が事業場外であるだけで、会社の指揮命令下で業務を行っていることに変わりはないからです。

ただし、労災と認定されるには、オフィス勤務と同様に、業務を行っていたこと(業務遂行性)と、その業務が原因で発症したこと(業務起因性)の両方を証明する必要があります。テレワークは労働時間管理が曖昧になりがちであるため、PCのログやメールの送受信履歴など、客観的な記録によって業務実態を証明することが重要になります。

Q. 管理監督者や役員も対象となりますか?

労働基準法上の「管理監督者」(部長、工場長など)は、労働者であるため労災保険の対象となります。時間外労働の規制は適用されませんが、過重な業務によって発症した場合は一般の労働者と同様に補償されます。

一方、会社の経営を担う取締役などの「役員」は、原則として労働者ではないため、労災保険の対象外です。ただし、部長を兼務する取締役のように、労働者としての側面も持つ「使用人兼務役員」の場合は、労働者として扱われる部分について労災保険が適用されることがあります。

Q. 副業・兼業をしている従業員の労働時間は通算されますか?

はい、通算されます。2020年9月の法改正により、複数の会社で働く従業員の脳・心臓疾患の労災認定においては、すべての勤務先の労働時間や負荷を総合的に評価して判断されることになりました。

これにより、一つの会社での労働時間が短くても、複数の勤務先の負荷を合わせることで過労死ラインを超える場合には、労災と認定される可能性があります。企業は、従業員が副業・兼業を行っている場合、他社での労働時間も把握し、通算した上で健康管理を行う必要があります。

まとめ:脳・心臓疾患の労災認定基準と企業の予防策

本記事では、脳・心臓疾患の労災認定における要件、特に労働時間の評価基準について解説しました。月100時間や複数月平均80時間といった「過労死ライン」が重要な目安となりますが、それに満たない場合でも不規則な勤務や心理的負荷などの要因が総合的に評価されます。企業には、タイムカードやPCログなど客観的な方法で労働時間を把握し、従業員の健康を守る安全配慮義務があります。まずは自社の勤怠管理体制や職場環境にリスクがないかを確認し、必要に応じて産業医面談やストレスチェックなどの対策を徹底することが求められます。この記事で解説した内容はあくまで一般的な基準であり、具体的な対応については社会保険労務士などの専門家にご相談ください。



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