財務

けんせつくんの審査基準を解剖。落ちる原因と通過のコツを実務視点で解説

経営リスクナビ編集部

建設業の資金繰りでファクタリングサービス「けんせつくん」の利用を考えているものの、審査に通るか不安を感じていませんか。審査のポイントが不明なままでは、いざという時に資金を確保できず、事業に支障をきたす恐れもあります。審査で重視される点を事前に理解し、対策を講じることが、迅速な資金調達の鍵となります。この記事では、けんせつくんの審査で具体的に見られる点、審査に落ちる主な理由、そして通過の可能性を高めるための5つの対策を詳しく解説します。

けんせつくんの基本情報

建設業特化のファクタリングとは

建設業特化のファクタリングは、工事の売掛債権をファクタリング会社に売却し、支払期日より前に資金化する金融サービスです。建設業界は、工事完了から代金が入金されるまでの期間が数ヶ月に及ぶことが多く、その間に発生する材料費や人件費などの支払いが資金繰りを圧迫する一因となります。この「支払いの先行」と「入金の遅れ」という時間的なズレは、時に黒字倒産を引き起こすリスクさえあります。ファクタリングを利用して売掛債権を早期に現金化することで、この資金ギャップを埋め、安定した事業運営を維持することが可能になります。特に、けんせつくんのように建設業の商慣習や下請け構造に精通した専門業者であれば、審査がスムーズに進みやすいという利点があります。

けんせつくんのサービス特徴3点

けんせつくんは建設業者の実務に寄り添った、利便性の高いサービスを提供しています。主な特徴は以下の3点です。

けんせつくんの主な特徴
  • 注文書での資金化に対応: 通常の請求書だけでなく、工事着手前の段階で発行される「注文書」も買取対象となります。これにより、材料の仕入れ費用といった先行投資のための資金を確保できます。
  • オンラインで手続きが完結: 申し込みから契約、入金まで全てのプロセスがスマートフォンやPCで完結します。現場で多忙な経営者や一人親方でも、場所を選ばず最短2時間という迅速な資金調達が可能です。
  • 建設業出身の専門スタッフ: 業界の専門用語や多重下請け構造を熟知したスタッフがサポートします。事業内容への深い理解に基づいた柔軟な審査と、的確な資金繰り改善の提案が期待できます。

手数料や利用可能額の目安

けんせつくんの手数料は最低5%からと、業界内でも比較的低い水準に設定されています。一般的な2社間ファクタリングの手数料相場が10%〜20%であることを考えると、大きなメリットと言えるでしょう。ただし、この最低手数料率は売掛先の信用力が非常に高い優良案件などに適用されることが多く、注文書ファクタリングや初回利用の場合は、リスクに応じて手数料が高めに設定される傾向があります。利用可能額については、明確な上限や下限は設けられていません。数十万円の少額債権から数千万円規模の大口債権まで、事業規模を問わず幅広く対応しており、一人親方の急な出費から法人の大型案件まで、様々な資金ニーズに柔軟に応える体制が整っています。

けんせつくんの審査でみられる点

最重要項目「売掛先の信用力」

ファクタリングの審査で最も重視されるのは、申込者の経営状況ではなく「売掛先の信用力」です。ファクタリングは融資と異なり「債権の売買契約」であるため、ファクタリング会社にとって最大のリスクは、買い取った債権が期日通りに支払われない「貸し倒れ」です。そのため、売掛先が支払い能力を十分に有しているかが審査の核心となります。具体的には、国や地方公共団体、上場企業といった財務基盤の強固な売掛先は信用力が高いと評価され、審査通過の確率は飛躍的に高まります。逆に、設立間もない企業や業績不振が懸念される企業が売掛先の場合、支払い能力に疑義が生じ、審査は厳しくなります。売掛先の信用力は、審査通過の可否だけでなく、手数料率を決定する上でも極めて重要な要素です。

請求書・注文書の真正性と内容

提出された請求書や注文書が、実在する正常な取引に基づいているかどうかが厳しく審査されます。ファクタリング会社は、架空債権を用いた詐欺や、実態のない取引による損失を防ぐ必要があるためです。書類に記載された金額や支払期日、工事内容といった情報が明確かつ具体的であることが求められます。真正性を担保するため、請求書単体だけでなく、基本契約書や発注書、納品書といった一連の商取引を示す関連書類との整合性も確認されます。これらの情報に矛盾があると、取引の信憑性が疑われ、審査で不利に働きます。また、支払期日が極端に長い債権や、すでに支払期日を過ぎている不良債権は、回収リスクが高いと見なされ、買取対象外となることがほとんどです。

申込者自身の利用状況と履歴

売掛先の信用力が最重要である一方、申込者自身の信頼性も審査項目に含まれます。特に2社間ファクタリングでは、売掛先からの入金後、申込者がファクタリング会社へ送金する流れになります。この過程で申込者が資金を使い込んでしまうリスクがあるため、契約を誠実に履行する人物かどうかが問われます。具体的には、以下のような点が確認されます。

申込者について確認される事項
  • 税金や社会保険料の滞納状況(差し押さえリスクの有無)
  • 他社ファクタリングの利用状況(過度な利用や二重譲渡の可能性)
  • 過去のファクタリング利用におけるトラブル履歴
  • 事業実態の透明性や提出書類の信憑性

これらの点に問題があると、契約不履行のリスクが高いと判断され、審査に通らない可能性があります。

審査担当者からの追加質問にどう備えるか

審査の過程で、担当者から電話やメールで追加の質問や資料提出を求められることがあります。これは、提出書類だけでは判断できない取引の実態や背景を確認するための重要なプロセスです。質問には、迅速かつ誠実に対応することが不可欠です。資金調達の目的、売掛先との関係性、工事の進捗状況などについて、事実に基づき論理的に説明できるよう、自社の状況を正確に把握しておく必要があります。曖昧な回答や不誠実な態度は信頼を損ない、審査に悪影響を及ぼすため注意しましょう。

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審査に落ちる主な理由

売掛先の経営状況に懸念がある

審査で否決される最も一般的な理由は、売掛先の経営状況が悪く、支払い能力に懸念があると判断されるケースです。ファクタリング会社は、売掛先の倒産や支払い遅延による貸し倒れを最も警戒します。信用調査の結果、売掛先が赤字経営であったり、他社への支払いを滞納していたりする事実が判明した場合、回収リスクが極めて高いと見なされ、審査を通過することは困難です。たとえ申込企業の業績が良好であっても、売掛先の信用力が低い債権は買い取りを拒否されます。

提出書類に不備や虚偽がある

提出された必要書類に不備や矛盾がある場合、審査は停滞または否決されます。請求書の宛名が不正確、金額が他の書類と一致しないといった単純なミスでも、管理体制への不信感につながります。さらに、審査を有利にするために請求金額を水増ししたり、架空の取引を申告したりする行為は詐欺にあたります。このような虚偽の申告が発覚した場合、審査に落ちるだけでなく、法的な責任を問われる可能性もあるため絶対に行ってはいけません。

債権譲渡が禁止されている契約

売掛先との間で「債権譲渡禁止特約」が結ばれている場合、ファクタリングの利用が難しくなることがあります。民法改正により、譲渡禁止特約があっても債権譲渡そのものは有効とされていますが、実務上は依然としてリスク要因です。特約の存在を知りながら債権を買い取った場合、売掛先がファクタリング会社への支払いを拒否できる可能性があるためです。ファクタリング会社はこうしたトラブルを避けるため、特約付き債権の買い取りには慎重な姿勢を示すことが多く、審査の障害となる場合があります。

申し込み内容と事実に相違がある

申し込みフォームに入力した情報と、提出書類の内容に食い違いがある場合、申込者への信頼性が揺らぎ、審査落ちの原因となります。申告した売掛金の金額や入金予定日が請求書と異なっている、といった情報の不一致は、取引の信憑性を低下させます。特に、他社のファクタリング利用状況を隠蔽したり、同一の債権を複数の業者に売却しようとしたりする「二重譲渡」は重大な契約違反であり、発覚すれば即座に審査は否決されます。

一度審査に落ちた場合の再申し込みの可能性と改善点

一度審査に落ちたとしても、その原因を特定して改善すれば、再申し込みで通過する可能性は十分にあります。状況に応じた改善策を講じることが重要です。

審査に落ちた後の改善策
  • 売掛先の変更: 否決理由が売掛先の信用力不足だった場合、より経営が安定している別の取引先の債権で申し込む。
  • 書類の再準備: 書類の不備が原因であれば、記載内容を正確に修正し、契約書など取引の裏付けとなる資料も揃えて提出する。
  • 他社への相談: ファクタリング会社によって審査基準は異なるため、自社の状況に合った別の会社へ相談してみる。
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審査通過の可能性を高める5つの対策

信用力の高い売掛債権で申し込む

審査通過の可能性を最も高める方法は、国や地方公共団体、上場企業といった社会的信用力が高い売掛先の債権で申し込むことです。これらの売掛先は支払い能力が安定しており、貸し倒れリスクが極めて低いと評価されるため、ファクタリング会社は積極的に買い取りを検討します。複数の売掛債権を保有している場合は、その中で最も信用度の高いものを選択することが、審査通過への近道であり、手数料率を低く抑える効果も期待できます。

必要書類を不備なく正確に準備する

審査をスムーズに進めるためには、求められる書類を漏れなく、正確に準備することが基本です。請求書の宛名や金額、通帳の入出金履歴など、すべての情報に矛盾がないか提出前に必ず確認しましょう。書類の不足や記載ミスは、審査の遅延に直結します。初回取引や高額案件の場合は、取引の信憑性を補強するために基本契約書や発注書、納品書などの提出を求められることも多いため、あらかじめ手元に揃えておくと、迅速な対応が可能になります。

申し込み情報は正直に記載する

申し込みの際には、自社の経営状況や税金の支払い状況、他社からの借入状況などを偽りなく正直に申告することが重要です。不利な情報を隠しても、各種調査を通じていずれ発覚します。事実と異なる申告は、その時点で信頼を失い、審査否決の直接的な原因となります。たとえ税金の滞納などがあったとしても、正直に開示し、納税計画などを説明することで、誠実な対応と評価され、審査に通る可能性が残る場合もあります。

売掛先との取引実績を示す資料を用意

売掛先と長期的かつ安定した取引があることを客観的に証明する資料を提出すると、債権の回収可能性が高いと判断され、審査で有利に働きます。過去の入金履歴が記録された通帳のコピーは、その最も有力な証拠となります。毎月、同じ取引先から遅延なく入金されている実績を示せれば、今回の債権も確実に回収できるという信頼性が高まります。過去の契約書や複数回にわたる発注書などを併せて提出することも、取引の継続性を裏付ける上で効果的です。

担当者からの連絡には迅速に対応する

審査担当者からの質問や追加の資料提出依頼には、可能な限り速やかに対応することを心がけましょう。審査は書類とヒアリングを基に進められるため、円滑なコミュニケーションが不可欠です。連絡を放置したり、対応が遅れたりすると、審査が停滞するだけでなく、申込者の信頼性にも疑問符が付きます。特に、即日での資金調達を希望する場合には、迅速なレスポンスが審査通過の鍵となります。

申し込みから入金までの手続き

ステップ1:オンラインでの申込み

手続きは、けんせつくんの公式サイトにある専用フォームやLINEから申し込み情報を入力することから始まります。会社名、連絡先といった基本情報に加えて、買い取りを希望する売掛債権の金額や売掛先の情報を入力します。オンラインで完結するため、現場作業の合間など、時間や場所を選ばずに手続きを開始できるのが大きな利点です。入力された情報に基づき、初期審査が行われます。

ステップ2:必要書類の提出と審査

申し込み後、ファクタリング会社から指示された必要書類を、スマートフォンのカメラやスキャナでデータ化し、オンライン上でアップロードします。提出された請求書、通帳のコピー、本人確認書類などをもとに、売掛先の信用力や取引の真正性に関する本格的な審査が行われます。書類が不鮮明であったり、ページが欠けていたりすると再提出が必要となり、時間がかかるため、送信前にデータが明確に読み取れるかを確認することが重要です。

ステップ3:契約手続きと入金

審査が無事に完了すると、買取金額、手数料率、入金日といった具体的な契約条件が提示されます。内容に同意できれば、電子契約システムを利用してオンラインで契約を締結します。書面のやり取りや押印が不要なため、手続きは非常にスムーズです。契約完了後、速やかに売掛債権の額から手数料を差し引いた金額が、指定した銀行口座に振り込まれます。手続きが滞りなく進めば、申し込み当日の入金も可能です。

審査に必要な書類と準備の注意点

ファクタリングの審査を迅速に進めるには、あらかじめ必要書類を不備なく準備しておくことが重要です。求められる書類は申込者の事業形態によって異なりますが、主に以下のようなものがあります。

書類の種類 目的 法人 個人事業主
本人確認書類 申込者の身元確認
請求書・注文書 売掛債権の存在証明
通帳のコピー(直近3ヶ月分など) 取引実績と入金履歴の確認
商業登記簿謄本 会社の法人格と代表者の確認
決算書 / 確定申告書 事業実態と財務状況の確認 決算書 確定申告書
主な必要書類の例

書類を準備する際は、各書類の記載内容に矛盾がないかを必ず確認してください。高額な取引や初回利用時には、取引の裏付けとして基本契約書や納品書などの追加資料を求められることもあるため、関連書類は一式でまとめておくと安心です。

よくある質問

審査通過率はどのくらいですか? 多くのファクタリング会社では、審査通過率は90%以上と公表されています。これは、銀行融資と異なり、申込企業の財務状況よりも売掛先の信用力を重視する審査モデルを採用しているためです。売掛先が優良企業であり、取引の事実を証明する書類が揃っていれば、赤字決算や税金滞納といった状況でも審査を通過できる可能性は十分にあります。

審査や入金にかかる時間は? オンライン完結型のサービスでは、手続きは非常にスピーディーです。けんせつくんの場合、必要書類が全て揃っていれば最短2時間で入金が完了します。ただし、審査の混雑状況や、売掛先の信用調査に時間を要する場合には、半日〜1営業日程度かかることもあります。時間に余裕を持って申し込むことをお勧めします。

土日祝日でも対応していますか? ウェブサイトからの申し込みやLINEでの問い合わせは、土日祝日を問わず24時間受け付けています。ただし、審査業務や銀行への振込手続きは、平日の営業時間内に行われるのが一般的です。休日に申し込んだ場合、審査結果の連絡や入金は翌営業日以降となる点にご注意ください。

個人事業主(一人親方)でも利用可能? はい、利用可能です。建設業界で働く多くの個人事業主や一人親方もファクタリングを活用しています。法人であるかどうかよりも、信用力の高い元請け企業などに対する確定した売掛債権を保有しているかどうかが重要視されます。金融機関からの借入が難しい個人事業主にとって、有力な資金調達手段の一つです。

赤字決算や税金滞納があっても通りますか? 赤字決算や債務超過であっても、それ自体が審査落ちの直接的な原因になることは稀です。審査の焦点はあくまで売掛先の支払い能力にあるためです。税金の滞納がある場合でも、税務署と分割納付の協議を行うなど、誠実に対応していることを証明できれば、差し押さえリスクが低いと判断され、審査に通る可能性はあります。

けんせつくんは安全なサービスですか? 一般的に、正規のファクタリングサービスは法律を遵守して運営されています。けんせつくんも、正規のファクタリングサービスとして、高金利な貸付を行うヤミ金融や、返済義務のある「償還請求権」を付けた契約を結ぶ悪質な業者とは異なります。利用者とファクタリング会社の2社間で行う契約では、取引先に知られることなく手続きを進められるため、事業関係に影響を及ぼす心配を抑えつつ、利用を検討できます。

手数料は具体的に何パーセントですか? けんせつくんの手数料は5%からと案内されていますが、これは最も条件が良い場合の最低手数料率です。実際の手数料は、売掛先の信用度、利用金額、注文書か請求書かといった債権の種類、初回利用かどうかなどの要素を総合的に判断して、個別の案件ごとに決定されます。一般的には10%〜15%前後の手数料率が適用されるケースが多いと想定されます。

まとめ:けんせつくんの審査通過の可能性を高めるには

本記事では、けんせつくんの審査基準と通過のポイントを解説しました。審査で最も重視されるのは、自社の経営状況ではなく「売掛先の信用力」であり、提出書類の正確性と取引の真正性が厳しく確認されます。審査通過の可能性を高めるには、信用力の高い売掛債権を選び、必要書類を不備なく準備し、申し込み内容を正直に申告することが不可欠です。まずは保有する売掛債権を見直し、どの債権で申し込むのが最適か検討することから始めましょう。ファクタリングは迅速な資金調達に有効ですが、サービスごとに手数料や条件は異なります。この記事で解説した内容は一般的な情報であり、個別の状況については専門家へ相談することをおすすめします。

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