手続

会社清算の給与はどう扱う?|退職金・清算人報酬と税金

経営リスクナビ編集部

会社清算に伴う給与・退職金・清算人報酬は、解散を決めた後の限られた体制で「誰に・いつまで・何を支払うか」を決める必要があり、税務・社会保険・労務の論点が同時に動くため判断がぶれやすい分野です。整理を誤ると、未払賃金や解雇予告手当をめぐる紛争、源泉・社会保険の手続遅延、損金算入時期の不整合などが連鎖し、清算スケジュール自体が延びる実務上の不利益につながり得ます。たとえば解雇予告は原則として解雇日の30日前まで(労働基準法第20条)といった期限も絡むため、支払設計と手続設計を一体で固めることが重要です。実務で最初に押さえるべきは「清算法人として許される行為」と人件費の位置付けです。そこから見ていきます。

目次

会社清算と給与の前提

解散後も法人格は清算まで残る

株式会社は、株主総会の特別決議などで解散を決議しても、その時点で直ちに法人格が消滅するわけではありません。会社法上、解散後は法律関係の後始末を行う清算法人として存続し、清算手続が完了する「結了」を経て初めて会社が消滅します(会社法の用語として「清算手続の完了=結了」と整理されます)。

解散後に許される行為は、清算の目的に必要な範囲に限られます。新規の営業取引を拡大するような行為は避けるべき一方、財産処分・債権回収・債務弁済・契約解消・各種届出などは、清算目的に含まれるため、引き続き会社名義で実行します。実務上は「解散登記=閉鎖完了」と誤解せず、清算結了の登記が完了するまで、会社としての事務(口座管理、資産売却、税務申告、社会保険の手続等)が継続する前提で体制を組みます。

清算事業年度と給与支払の位置付け

解散日の翌日以降は、通常の事業年度とは切り替わり、清算事業年度で管理します。税務実務では、期首から解散日までの「解散事業年度」と、解散日の翌日から進行する清算期間(必要に応じて一年ごと)を分けて考え、清算のために必要な人件費を清算コストとして位置付けます。

清算中に支払う給与・報酬が、単なる「営業のための人件費」ではなく、清算(後始末)を完了させるための費用である点が重要です。具体的には、売掛金回収、在庫や固定資産の処分、帳簿・契約書等の管理、税務申告や社会保険・労働保険の喪失手続などのために、従業員や清算人(清算事務担当者)に支払いが発生します。

また、解散前から残っている未払賃金は、清算局面では「会社の債務」として扱い、労働債権として優先的に整理する必要があります。将来、破産手続に移行する可能性がある局面では、未払賃金や解雇予告手当等の正当な労働債権を弁済しておくこと自体は、実務上も重要な論点として整理されています(労働債権の性質の違いは後段で扱います)。

清算中の従業員給与

清算中も雇用契約と給与支給は可能

解散決議があっても、雇用契約が法律上当然に終了するわけではありません。清算法人は、清算目的の範囲で事務を行うために必要な限度で、引き続き雇用契約の主体となり、清算業務に従事した従業員へ給与を支給できます。

清算中に従業員が担うことが多い業務は、営業活動の継続ではなく「既存関係の後始末」です。たとえば、仕掛案件の終結、売掛金回収、資料収集・保全、社会保険・労働保険の喪失手続、税務申告準備などであり、これらに必要な最小人員を残す設計が実務上は合理的です。

未払賃金と解雇予告手当の優先確認

清算・廃業局面では、未払賃金や解雇予告手当は労使紛争を回避するための最重要論点です。普通解雇を行う場合、解雇が後日無効とされると、解雇日以降の賃金相当額など大きな負担が発生し得るため、要件確認と手続の正確さが必要です(解雇権濫用は無効:労働契約法第16条)。

普通解雇で最低限おさえる手続要点
  • 解雇予告は原則として解雇日の30日前までに行い(労働基準法第20条)、間に合わない場合は不足日数分の解雇予告手当を支払います。
  • 解雇理由が解雇禁止事由に該当しないか、就業規則等の解雇事由の定めと整合するかを確認します。
  • 客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性がない解雇は無効になり得ます(労働契約法第16条)。

資金が不足する局面では、どれを先に払うかの判断が実務を左右します。解雇予告手当は生活保障の趣旨を持ち、将来破産手続開始後には優先的破産債権となり、未払賃金立替払制度の対象にはなりません。このため、倒産移行リスクがある局面では、解雇の有効性を担保する観点も含め、申立て前にできる限り解雇予告手当を支払うべき、という実務整理がされています。

また、研修会等の実務論点として「最後の1か月分の給料」と「解雇予告手当」のどちらかしか払えない場合、解雇予告手当を優先する助言が合理的とされる場面があります。理由は、解雇の有効性の確保という労働法上の観点に加え、解雇予告手当が立替払制度で補填されない点にあります。

清算業務に残す従業員をどう選ぶか|現務の結了・債権回収・資料保全で切り分ける基準

清算中に雇用を継続する従業員は、情緒的に「残れる人を残す」ではなく、清算工程から逆算して選定する必要があります。特に、清算の現場では、必要人材を誤ると「清算が進まず費用だけ増える」「必要な証憑が散逸する」といったコンプライアンスリスクが高まります。

工程 主な目的 残す人材の例 留意点
現務の結了 既存契約の終了・仕掛の収束 案件と契約条件を把握する担当者 新規受注に見える行為は避け、既存関係の整理に限定します。
債権回収・資産換価 売掛金回収・資産処分 督促や入金消込・換価手続きを回せる経理担当 回収記録・合意書面など証跡を残し、回収漏れを防ぎます。
資料保全・申告対応 証憑収集・税務申告・各種届出 管理部門(経理・総務・人事労務) 資料散逸は後日の税務・労務トラブルにつながるため集約・保全します。
清算工程別に必要となりやすい人材の切り分け

特に「資料保全」は、税務申告・社会保険や雇用保険の届出、未払賃金の整理などに直結します。解散・清算の過程では、誰がどの資料を保管し、どの届出をいつ出すかを決め、工程ごとに必要最小限の人数へ絞り込む運用が実務的です。

正社員・有期雇用・パートで何が変わるか|終了時期の決め方と雇止め・契約更新の見落とし

雇用終了の設計では、正社員(無期)と有期(契約社員・パート等)を分けて検討します。解散により事業が終了する以上、無期雇用の普通解雇の合理性は相対的に説明しやすい一方、有期契約は「期間中の解約」や「更新期待」の問題が生じやすく、手続を誤ると紛争化しやすいです。

普通解雇であっても、客観的合理性・社会通念上相当性を欠く場合は無効となり得ます(労働契約法第16条)。また、解雇する場合の手続として、解雇予告(原則30日前)または解雇予告手当が必要です(労働基準法第20条)。

有期雇用の場合は、契約書の自動更新条項、反復更新の実態、更新しない旨の事前明示の有無など、個別事情で評価が変わります。解散を理由に一律で即日終了させるのではなく、契約の終了日・更新の取扱い・必要な通知の要否を、雇用形態ごと・個人ごとに点検しておくことが重要です。

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退職金と退職給与の決め方

従業員退職金の支払時期と注意点

従業員退職金は、制度の有無と規程内容(会社都合・自己都合での差など)を確認したうえで、支給の可否・金額・時期を設計します。清算による解雇は、制度設計上は会社都合退職として整理する運用が一般的であり、規程上の計算方法にも影響します。

資金が不足する場合、規程どおりの満額支給が難しいこともあります。その場合でも、支給しない・一方的に減額するのではなく、未払賃金と同様に、従業員と交渉して合意形成し、支払時期も含めて取り決める必要があります。

また、未消化の年次有給休暇がある場合、従業員から取得請求があれば会社は原則として応じる必要があります(労働基準法第39条)。清算事務に支障が出る場合の実務対応として、未消化分を「買上げ」で整理することが検討されますが、年休の買上げは通常は認められにくい点に留意が必要です。一方で、会社清算により実質的に取得機会が消滅する局面では、例外的に違法性が問題になりにくいと整理されることがあります。

役員退職金の決定方法と功績倍率

役員退職金は原則として損金算入され得る一方、不相当に高額な部分は損金不算入となり得ます(法人税法上の「過大役員退職給与」の考え方)。そのため、株主総会決議などの正式手続と、客観的な算定根拠(同業同規模比較、在任年数、退職事情、最終月額報酬など)をセットで整備します。

実務で広く用いられる算定枠組みとして、功績倍率法(最終月額報酬×勤続年数×功績倍率)があります。参照例として、東京地裁昭和55年5月26日判決の整理では、概ね次の倍率が示されています。

役職 功績倍率(参照例)
代表取締役社長 3.0
専務取締役 2.4
常務取締役 2.2
取締役 1.8
監査役 1.6
功績倍率の参照例(東京地裁 昭和55年5月26日判決に基づく整理)

この枠組みを用いる場合でも、退職直前に理由なく役員報酬月額を引き上げる、または最終月額がもともと高すぎるなどの事情があると、過大部分の否認リスクが高まります。規程(役員退職慰労金規程等)・株主総会議事録・算定資料を揃え、説明可能性を確保することが実務の防御線です。

清算事務に従事する役員の退職給与

解散に伴い取締役が退任し、引き続き清算人として清算事務に従事する形は一般的です。このとき「役員を退任していない(地位が連続している)から退職給与にならないのでは」という論点が生じます。特に、清算人は税務上も役員に該当し得るため、形式だけで判断すると退職の事実が否定されやすい構造があるためです。

一方で、解散後も引き続き役員として清算事務に従事する者に支給する退職給与について、令和6年4月1日以後終了事業年度等に係る取扱いが整理されており、解散前の在任期間に対応する部分を「打切支給」の退職給与として整理する考え方が示されています。実務では、解散前の職務から清算事務へ実質的に移行すること、解散後の対価(清算人報酬等)と混同しないこと、支給対象期間の切り分けを明確にすることが重要です。

解散日支給と清算中支給のどちらが適切か|資金繰り・損金算入時期・個人課税で分かれる判断軸

役員退職金を「解散日(解散事業年度)」で確定させるか、「清算中(清算事業年度)」で支給・確定させるかは、資金繰りと税務の両面で影響します。

時期判断で点検すべき軸
  • 解散事業年度に利益(資産売却益等)が大きく出るなら、その期に退職金額を株主総会で確定し未払計上して損金算入できるかを検討します。
  • 清算中に支払う設計にする場合、清算事務の進捗に応じた資金確保と、後述の源泉・社会保険実務が長期化しないかを点検します。
  • 退職金(退職所得)の課税関係と、残余財産分配(みなし配当等)の課税関係が異なるため、株主側の税負担も含めてシミュレーションします。

なお、功績倍率を用いる場合の参照枠組み(社長3.0、専務2.4、常務2.2、取締役1.8、監査役1.6)は上記のとおりで、過大部分の否認リスクは最終月額や増額経緯も含めて総合判断になります。

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清算人報酬と税金

清算人の選任と報酬の法的位置付け

清算人は解散後の清算手続を主導する機関であり、善管注意義務のもとで債権者保護を意識した運用が求められます。報酬については、取締役報酬の考え方が準用されるため、定款の定めまたは株主総会決議により、金額または決定方法を明確にしておく必要があります(決議手続の欠落は後日の否認・紛争要因になります)。

株主間に対立があり裁判所が清算人を選任する局面では、報酬も裁判所が定める整理となり得ます。いずれにせよ、解散前の役員報酬を当然に横滑りさせるのではなく、清算業務という新しい役割の対価として、根拠と手続を整えて決めることが重要です。

清算人報酬の所得税と社会保険

清算人報酬を毎月支給する場合、源泉徴収・社会保険の実務が継続します。報酬が給与所得に該当する整理となる場合、源泉所得税の徴収・納付など、給与実務と同様の管理が必要です。

社会保険については、解散しただけでは自動的に適用が消えるわけではなく、従業員や役員が在籍し報酬が発生している限り、適用事業所としての実務が残りやすい点に注意します。

参照例として、被保険者が離職した場合、事業主は「健康保険厚生年金保険被保険者資格喪失届」を、資格喪失日(離職日の翌日)から5日以内に年金事務所へ提出する取扱いです。健康保険被保険者証の添付が求められ、回収不能のときは「健康保険被保険者証回収不能届」を併せて提出する運用が示されています。

無報酬とする場合の実務上の留意点

清算人を無報酬とすること自体は可能ですが、責任が軽くなるわけではありません。清算人と会社の関係は委任に近い性質を持ち、善管注意義務のもとで、公平な清算(特定債権者の不当な優遇を避ける等)を意識して進める必要があります。

また、将来破産手続に移行する可能性がある局面では、「正当な労働債権(未払賃金・退職金・解雇予告手当等)の弁済」は、実務上、否認対象行為に当たりにくい整理がされています。無報酬であっても、こうした債権の性質や優先順位を踏まえた支払設計を行い、説明可能な記録を残すことが重要です。

清算人報酬にするか退職給与にまとめるか|毎月支給で残余財産確定が遅れる会社の典型例

清算人の対価を毎月の報酬で払うか、解散時の退職給与(役員退職金)にまとめるかは、清算スケジュールと事務負担に直結します。毎月報酬とすると、源泉・社会保険・労働保険等の事務が継続し、残余財産額の確定が遅れやすくなります。

一方、解散時に退職給与として整理する場合は、功績倍率法等で合理的に算定し、株主総会決議と議事録等の証跡を整備したうえで、清算事務の負担を見越した設計が可能です。ここでも、参照例としての功績倍率(社長3.0、専務2.4、常務2.2、取締役1.8、監査役1.6)を超える場合は、合理性を補強する事情・資料が必要になります。

清算時の法人税法上の整理

給与と退職金の損金算入時期

清算局面では、解散事業年度と清算事業年度(必要に応じて一年ごと)に分かれるため、給与・退職金・清算人報酬をどの期に計上するかで税務影響が変わります。重要なのは、支給・確定・計上(未払計上を含む)の関係を揃え、説明可能な形で損金処理することです。

役員退職金については、不相当に高額な部分が損金不算入となり得る点が前提になります。参照整理では、役員退職金の適正額の判定に功績倍率法(最終給与月額×勤続年数×功績倍率)を用いることが多いとされ、倍率の参照例として社長3.0、専務2.4、常務2.2、取締役1.8、監査役1.6が示されています。

また、解散後も清算事務に従事する者への退職給与は、令和6年4月1日以後終了事業年度等に係る整理があるため、解散前期間に対応する打切支給部分と、解散後の対価(清算人報酬等)の切り分けを明確にしておくことが、損金処理の整合性確保に役立ちます。

残余財産の分配とみなし配当の線引き

清算の最終局面で株主へ分配される残余財産は、最後の最後に位置付けられます(債権者保護の観点から、債務の清算が優先されます)。分配額が払込資本(払込資本に相当する部分)を上回る場合、その上回った額は配当とみなされる(みなし配当)という整理が重要です。

みなし配当は所得税の課税対象であり、通常の配当と同様に源泉徴収制度が適用されます。つまり、分配を行う側である清算法人に、源泉徴収を行う実務が発生します。また、受け手が法人株主である場合には、その法人側で受取配当等の益金不算入や所得税額控除の適用可能性がある点も、実務検討事項になります。

解散確定申告と清算確定申告の届出

解散・清算では、申告が「解散時」「清算中」「清算完了時」に分かれて発生する点が実務上の要点です。清算が長引くと申告回数が増え、納税資金とスケジュール管理が難しくなるため、給与・退職金・清算人報酬の設計も含めて、申告負担を見越した段取りが必要です。

本文で扱っている期限の考え方(解散事業年度の申告、清算事業年度の申告, 残余財産確定事業年度の申告の期限管理)に加え、清算完了時にも申告が必要になるという全体像を、社内の担当(財務・税務・人事労務)で共有し、必要書類の所在と作成責任者を決めておくことが、遅延や追徴リスクの低減につながります。

よくある質問

会社解散後も売上計上を続けるなら給与は通常どおり支給できますか?

清算法人は、既存の法律関係を整理して消滅するための組織であり、解散後に新規の営業活動を拡大することは適切ではありません。一方で、解散時点で仕掛中だった契約を履行して終結させる「現務の結了」は清算目的に含まれ得るため、その結果として売上が確定したり売掛金を回収したりすることは、清算実務として整理できます。

したがって、既存案件の後始末(現務の結了、債権回収、資料保全)のために従業員を就労させ、就業規則・雇用契約に基づく給与を支給することは可能です。上記のとおり、清算工程別に必要人材を切り分け、必要最小限の範囲で雇用を維持する設計が重要です。

清算人報酬は毎月の定期同額で支払う必要がありますか?

清算人報酬は、定款または株主総会決議に基づき決める必要があります。毎月同額であること自体が法的に必須というより、根拠と妥当性(業務内容との対応)を説明できる形にしておくことが重要です。

また、毎月支給を続けると、源泉・社会保険の実務が長期化しやすくなります。社会保険の資格喪失届は離職日の翌日から5日以内という運用で回り続けるため、清算人報酬を毎月発生させる設計は、手続の終期が見えにくくなる典型要因になり得ます。

清算中に社会保険の資格喪失届はいつ出しますか?

解散しただけでは社会保険の適用が直ちに消えるわけではなく、退職等により被保険者資格が喪失したタイミングで届出を行います。

資格喪失届の提出タイミング(参照整理)
  1. 従業員が退職したら、資格喪失日(離職日の翌日)から5日以内に「健康保険厚生年金保険被保険者資格喪失届」を年金事務所へ提出します。
  2. 添付書類として健康保険被保険者証が必要で、回収できない場合は「健康保険被保険者証回収不能届」を併せて提出します。

清算人に毎月報酬を支払っている間は、清算人自身の被保険者性の整理も含め、社会保険実務が残りやすくなります。給与・退職金・清算人報酬の設計は、税務だけでなく社会保険手続の終期も見越して決めることが重要です。

解散時の役員退職金は何倍までなら妥当ですか?

役員退職金は、不相当に高額な部分が損金不算入となり得るため、算定根拠を整えることが重要です。参照例(東京地裁昭和55年5月26日判決に基づく整理)では、功績倍率の目安として、代表取締役社長3.0、専務取締役2.4、常務取締役2.2、取締役1.8、監査役1.6が示されています。

この枠内であっても、退職直前に合理的理由なく役員報酬月額を引き上げるなどの事情があると、過大部分が否認されるリスクがあります。株主総会決議、議事録、算定過程(最終月額・勤続年数・倍率の根拠)を揃え、説明可能性を確保することが実務上の基本です。

会社清算に伴う給与・退職金・清算人報酬への対応で次にすべきこと

会社清算に伴う給与・退職金・清算人報酬は、「清算目的に必要な範囲の支出か」という前提整理の上で、未払賃金・解雇予告手当など労働債権の優先度と、税務上の損金算入時期(解散事業年度か清算事業年度か)を同じ工程表で管理することが要点です。特に解雇予告は原則30日前(労働基準法第20条)といった期限があるため、雇用終了の設計と資金繰りを切り離さずに検討する必要があります。判断の軸としては、清算に残す最小人員の選定(現務の結了・債権回収・資料保全)と、対価の形(毎月の清算人報酬か、解散時の退職給与として整理するか)による源泉・社会保険実務の終期を比較することが有効です。次のアクションとして、株主総会決議や規程・議事録・算定資料、資格喪失届など提出物の作成責任者を社内で確定し、論点が交差する部分は税務・社労務の専門家に個別事情を前提に相談する運用が安全です。



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