事業運営

NTTセキュリティ診断電話の見分け方と断り方

経営リスクナビ編集部

NTTセキュリティ診断を名乗る電話が固定電話・オフィス回線にかかってきたとき、相手が本物の案内なのか詐欺・悪質営業なのかをその場で判断できず、不安のまま会話が進んでしまうことがあります。放置すると「情報提供だけ」「確認だけ」のつもりで訪問や遠隔操作、回線・機器の契約変更に同意してしまい、不要な契約や設定改変のトラブルにつながりかねません。番号表示がない場合でも「136」→「1」で最後の着信情報を確認できることがあるなど、実務で取れる手順を先に押さえると、社内での判断が揺れにくくなります。以下では、NTTセキュリティ診断電話の判断材料として見分け方と断り方・社内対応を示します。

目次

NTTセキュリティ診断電話の全体像

電話にある3つのパターン

「NTTのセキュリティ診断です」「ルーター診断をします」といった電話は、実務上は内容で類型化すると見極めやすいです。相手の肩書きではなく、何を目的に・何をさせようとしているかで整理して確認します。

実務で多い3類型(目的で見分ける)
  • 回線・プロバイダ変更の誘導型:通信料が下がる、速度が上がるなどを入口に契約変更(乗換)へ誘導します。
  • 機器点検・入室口実型:地域工事、設備更新、モデム・ルーター点検などを理由に訪問や遠隔操作の同意を取りに来ます。
  • 不安あおり・無料診断型:サイバー攻撃や脆弱性を強調し「無料で診断」と言い、診断後に機器導入・保守・回線オプション等の契約へつなげます。

これらに共通するリスクは、新規営業だと思わせない言い回しで話を継続させ、担当者が状況を整理できないまま「情報提供だけ」「確認だけ」として合意を取り付ける点です。参照情報でも、新規営業の場面で「今すぐ乗り換えてくれという話ではない」「比較検討のための情報提供だけ」と意味づけして、受付が責任者に回すよう誘導するトーク例が示されています。したがって、受電側は「情報提供だけなら結構です」で終え、申込や訪問の同意は社内手続を通す運用が必要です。

サイバー攻撃増加が背景にある

不審な「診断」電話が成立しやすい背景として、中小企業がサイバー攻撃の対象になっている現実があります。警察庁が2022年4月に公表した「令和3年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」では、ランサムウェア被害を受けた組織146件の規模別内訳として、大企業34%、中小企業54%とされています。中小企業は「資産がないから狙われない」とは言い切れず、規模を問わず攻撃対象になり得ます。

一方で、こうした脅威認識があるからこそ、電話勧誘側は「診断」「点検」「義務」といった言葉で圧力をかけ、拙速な契約に誘導しやすくなります。実務対応としては、脅威自体は正しく受け止めつつも、突然の電話での契約や入室・遠隔操作は避け、後述の正規ルート確認社内ルールで切り分けることが重要です。

NTTのセキュリティ診断を確認する

東日本など公式サービスの案内

公式の診断サービスは、原則として企業側が申し込み、条件(範囲・料金・日程)に合意した上で実施されます。突然の受電だけで「今すぐ診断しないと危険」と迫る進め方は、公式案内の運用と整合しにくいです。

また、参照情報にあるとおり、サイバー被害後の対応では、再構築したパソコン・サーバ・クラウド・ネットワーク等について、第三者である外部専門組織により安全性を確認する「セキュリティ第三者チェック」が重要とされています。ここでいう第三者チェックは、外部公開サーバや通信機器への脆弱性診断、ネットワーク環境診断、クラウド移行後の設定不備(設定ミス)確認など、対象と目的が具体化されているのが特徴です。電話口で対象・範囲・成果物が曖昧なまま進む「無料診断」とは、まず区別して捉えてください。

正規の案内ルートと申込窓口

不審電話の多くは「折り返し」を促し、相手が指定する番号や担当直通へ誘導します。しかし、実務上の安全策は、相手が告げた連絡先を使わないことです。会社側が自分で正規の窓口を調べ、代表窓口へ照会して、委託の有無や用件の真偽を確認します。

加えて、社内の証拠保全としては、発信者番号の把握を補助する手段もあります。参照情報では、番号表示がない場合でも「番号お知らせサービス」を利用し、電話後に「136」→「1」をダイヤルすると、最後にかかってきた電話の日時と電話番号を音声で確認できる場合があるとされています。必要に応じてこの音声も録音しておくと、後日の社内共有や相談時の説明がしやすくなります(なお、通常提供される通話明細は発信履歴中心で、着信履歴が出ないことがある点にも留意します)。

公式サービスか営業電話かを分ける基準――申込履歴・契約主体・当日の実施内容で確認する

相手の肩書きではなく、次の3点を機械的に確認すると、公式対応と営業を分離できます。

3つの確認軸(電話の場で聞く内容)
  • 申込履歴:自社から事前に申し込んだ診断・保守・工事がないのに「実施します」は新規営業として扱います。
  • 契約主体:見積書・申込書の名義が誰か(通信事業者本体か、別法人の代理店か)を確認します。
  • 当日の実施内容:作業対象(回線/ルーター/PC/クラウド等)、作業方法(訪問/遠隔)、成果物(報告書等)、費用発生条件を具体に言えない場合は停止します。

とくに「当日の実施内容」は重要です。参照情報にあるネットワーク機器の設定確認では、ルーター/ファイアウォール/VPN機器について、設定変更の有無を確認し、攻撃者が狙う目的としてC2サーバーへの通信確立別セグメントへの侵入多要素認証の回避や認証情報を使わないVPN接続の確立などが例示されています。公式・正規の診断であれば、こうした観点で「何を確認するのか」を説明できるのが通常で、逆に「よく分からないが一度見せてほしい」「今すぐ入れ替えが必要」だけで進む提案は慎重に扱うべきです。

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電話と訪問の見分け方

典型トークと悪質勧誘の特徴

悪質勧誘は、断定的な不安あおりだけでなく、「新規営業ではない」ように見せる言い回しも多いです。参照情報のトーク例でも、次のように合理的な意味づけで話を継続させる方向性が示されています。

受付で出やすい“意味づけ”トークの例(内容で警戒する)
  • 「今すぐ乗り換えてくれという話ではないので、情報提供だけさせてください」と話を長引かせます。
  • 「更新時に比較検討できるように、今は情報提供だけ」と言って責任者への取次ぎを狙います。

また、「法律で義務化された」「このままだと回線が使えなくなる」といった断定で即決を迫る場合は、後段のFAQのとおり法令名・根拠の提示を求める対応が有効です。さらに、診断名目で遠隔操作や機器の設定変更に触れる場合は、参照情報のとおり、設定変更は攻撃者の目的(C2通信やVPN悪用等)に直結し得るため、その場で操作を許可しないことが実務上の安全策です。

公式と代理店の確認ポイント

公式か代理店かの確認は、相手の説明の上手さではなく、確認項目を固定して実施します。

電話口での確認手順(固定質問)
  1. 会社名(登記名)・所属部署・担当者名・折返し番号・受付番号(案件番号)を質問して控えます。
  2. 「通信事業者からの委託か」を確認し、委託の根拠(代理店登録番号等)があるかを聞きます。
  3. 見積書・申込書の名義(契約主体)が誰になるかを必ず確認し、口頭ではなく書面で提示させます。
  4. 作業内容(対象、方法、所要時間、費用、成果物)を具体化できない場合は、その時点で終了します。

加えて、相手が「こちらから折り返せ」「電話してこい」と強く迫る場合でも、参照情報の実務対応では、会社としての見解を明確に伝えた上で「こちらから電話をおかけすることはお約束できません」「責任を認めた趣旨ではございません」と同趣旨の回答に終始すればよいとされています。折り返しを強要されても、約束しない運用にしておくと、担当者が抱え込みにくくなります。

『回線工事の確認』『地域担当になった』と言われたときの線引き――入室前に止める確認項目

訪問を伴う話が出た時点で、社内の線引きを「入室前」に置くのが安全です。特にルーターやVPN機器は、参照情報のとおり設定変更が不正侵入やC2通信に悪用され得るため、現場判断で触らせないことが重要です。

入室前に止めるための確認項目(満たせなければ退去要請)
  • 事前アポイントの有無(社内の申込履歴と一致しない訪問は入室させません)。
  • 身分証の提示(会社名・氏名)と、作業指示書や依頼元が分かる書面の提示。
  • 具体作業の範囲(ルーター/回線終端装置/PC等)と所要時間、費用発生条件の明示。
  • こちらの契約情報を相手が把握しているか(逆質問に答えられない場合は停止)。

不審な設定変更が疑われる場合の実務は、参照情報に沿って、バックアップから元の設定へ戻す、戻せない・バックアップの安全性が担保できない場合は初期化を検討する、VPN機器で不審アカウント追加等があればファームウェアのバージョンを確認し必要に応じてアップデート、すぐにアップデートできない場合は一時的な機能停止も検討するといった整理になります。これらは社内の情シス等が判断すべき領域であり、飛び込み訪問の作業員に委ねる設計にはしない方が安全です。

セキュリティ診断電話への対応

折り返し確認と社内共有の流れ

受電担当者の不安を減らし、個人判断のブレをなくすには、折り返し確認と共有の流れを定型化します。

受電から社内共有までの標準フロー
  1. その場で同意せず、会社名(登記名)・担当者名・要件・折返し先・受付番号を記録して通話を終了します。
  2. 相手が伝えた番号へは折り返さず、会社側が調べた正規窓口へ照会します。
  3. 番号表示が取れない場合は、必要に応じて「136」→「1」で最後の着信の日時と電話番号を確認できることがあります。
  4. 結果(真偽、注意点、今後の扱い)を、総務・情シス・拠点へ同一内容で共有します。

また、参照情報のとおり、通話履歴の提供を通信事業者に求めることも考えられますが、通常の履歴は通信料把握のための発信履歴中心で、着信履歴が載らない場合がある点は社内で認識しておくと、証拠収集の期待値を誤りにくいです。

不要な契約を断る社内ルール

断り方は「担当者の腕」ではなく、社内ルールとして固定します。曖昧な返答は再架電の呼び水になります。

断り文句の社内統一(短く・事実だけ)
  • 「結構です」「不要です」「契約しません」のいずれかで終了します。
  • 「検討します」「また連絡します」は言わず、判断主体は社内手続であると伝えます。
  • 折り返しの電話を強要されても「こちらから電話をおかけすることはお約束できません」と回答し、通話を終えます。

電話勧誘で申込みを受ける取引は「電話勧誘販売」と整理され、電話をいったん切った後に郵便や電話等で申込みをする場合も含まれる、と参照情報で説明されています。したがって「一度切って申込書を送るので大丈夫」という説明でも、取引類型としては電話勧誘に該当し得るため、社内稟議・契約審査を必ず通す設計が安全です。

総務・情シス・店舗責任者の誰が止めるか――初回受電から折り返し判断までの役割分担

拠点や受付が「止める」ためには、役割を先に決めておきます。

役割 やること やらないこと
受付・店舗責任者 会社名・担当者名・要件・折返し先・受付番号を記録し「担当部署が確認して折り返します」と伝える 契約の口頭合意、機器情報やID/パスワード等の提供、遠隔操作の許可
総務 契約主体・契約期間・解約条件・費用内訳の確認と稟議ルール適用 その場の口約束での申込み、条項未確認での押印・電子同意
情シス 診断範囲の妥当性(公開サーバ、ネットワーク機器、クラウド等)と手順の確認、必要なら第三者チェックの選定 飛び込み訪問者への設定変更許可、バックアップ無しの設定改変
役割分担の基準(初回受電〜折り返し判断)

参照情報では「脆弱性診断士」が、ネットワーク、OS、ミドルウェア、アプリケーションがセキュアに実装されているか検査し、診断結果の評価を担う役割とされています。こうした専門性が必要な評価を、受付・店舗の現場で即断しない体制にすることが、過剰契約と事故(設定改変・情報漏えい)双方の予防になります。

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ルーター契約のリスクを抑える

機器や回線契約の注意点

ルーターや回線契約は、価格よりも「途中解約時の負担」と「何を触らせるか」が事故になりやすい領域です。特に、診断名目でルーター/VPN機器の設定へ触れる提案は、参照情報のとおり、攻撃者がC2通信確立や別セグメント侵入、多要素認証回避等の目的で設定を変更する可能性があるため、社内統制がない状態で外部業者に触らせるのは高リスクです。

また、継続的な契約については、参照情報でも「契約が有効な期間を記載しておく」重要性が触れられています。口頭説明ではなく、見積書・契約書で次を確認します。

契約書面で最低限見るポイント(固定電話・オフィス回線)
  • 契約主体(名義)が誰か(通信事業者本体か、別法人か)。
  • 契約期間の記載と更新条件(自動更新の有無)。
  • 解約時の費用発生条件(機器代金、工事費、サポート費等がどう残るか)。

契約後の見直しと相談先

不本意な契約に気づいた場合は、早期に事実関係を整理し、外部相談を使って交渉材料を整えます。社内では、通話メモ(日時・相手名・要件)、受領した書面一式、着信番号(必要なら「136」→「1」で確認した情報)など、説明経緯が分かる資料を揃えます。

加えて、技術面で不審がある場合は、参照情報が推奨する「セキュリティ第三者チェック」の考え方に沿い、外部専門組織に確認を依頼する選択肢があります。参照情報には、無償の相談窓口(条件付きのものを含む)として、次のような企業名と受付時間帯が整理されています。

組織名 受付時間の記載 対応範囲の記載 費用の記載
ストーンビートセキュリティ株式会社 (平日)9:00\~18:00 全国 無償
セキュアワークス株式会社 24時間 全国·海外 無償
SOMPO リスクマネジメント株式会社 (平日)9:00\~17:00 全国 無償
株式会社ディアイティ (平日)9:00\~18:00 全国·海外 無償
テクマトリックス株式会社 (平日)9:00\~17:30 全国 無償
デロイトトーマツサイバー合同会社 (平日)10:00\~17:00 全国·海外 無償 · 要事前相談
トレンドマイクロ株式会社 (平日)9:00\~18:00(受付時間外12:00\~13:00) 全国 原則無償
日本アイ・ビー・エム株式会社 24時間 全国·海外 無償 · 要事前契約
日本電気株式会社 (平日)9:00\~17:00 全国 無償 · 要事前契約
株式会社PFU (平日)9:00\~17:00 全国 無償
PwC コンサルティング合同会社 (平日)10:00\~18:00 全国·海外 無償
株式会社日立システムズ (平日)9:00\~17:00 全国 無償
株式会社日立ソリューションズ (平日)9:00\~17:00 全国 無償・要事前契約
株式会社ブロードバンドセキュリティ 24時間 全国 無償
株式会社レオンテクノロジー 10:00\~19:00(休業日を除く) 全国 無償
株式会社ラック 24時間 全国·海外 無償
参照情報にある外部相談先(無償の記載があるもの)

どこに相談するにせよ、相手方の言い分(「義務」「点検」等)をそのまま伝えるのではなく、こちらが把握した事実(通話内容、書面の記載、作業の有無)を分離して説明すると、助言が具体化しやすいです。

リース・保守・回線オプションのどれが増えているか――見積書で先に見るべき金額欄と契約期間

見積書の精査は「初期費用が安いか」より、継続費用と期間の縛りを先に見るのが実務です。参照情報でも、継続的契約については有効期間の記載が重要とされているため、金額欄とセットで確認します。

見積書で先に見る欄(固定チェック)
  • 契約期間(有効期間)と更新条件が明記されているか。
  • 月額の内訳(回線、保守、オプション等)が分かれているか。
  • 何の作業に対する費用か(設定費、管理費等)が具体的に書かれているか。

また、技術面では、参照情報の「ネットワーク機器の設定確認」にある観点(不審な設定変更、VPNの不審アカウント追加、ファームウェアのバージョン確認と必要なアップデート等)を、見積・作業計画の段階で社内情シスが確認できる形になっているかも重要です。見積書が「診断一式」等でブラックボックス化している場合は、目的外の設定変更や不要なオプション追加が混入しても発見が遅れます。

中小企業の診断導入を考える

脆弱性診断の役割と対象範囲

脆弱性診断(ぜいじゃくせいしんだん)は、システムの弱点を洗い出して修正方針を決めるための工程であり、「電話で突然やるもの」ではなく、対象と範囲を定めて実施するのが通常です。参照情報でも、第三者によるチェックとして、パソコン、サーバ、クラウド、ネットワーク等について安全性を外部専門組織に確認してもらう重要性が述べられています。

参照情報に沿った診断対象の整理(例)
  • 外部公開サーバや通信機器への脆弱性診断(外部から見える入口を確認します)。
  • ネットワーク環境診断(ルーター、ファイアウォール、VPN機器等の設定確認を含み得ます)。
  • クラウド移行後の診断(利用サービスの設定不備がないかを確認します)。

特にネットワーク機器については、参照情報で、攻撃者が設定変更を通じてC2サーバーへの通信確立や別セグメント侵入、多要素認証回避等を狙う可能性が示されています。よって、診断の設計段階で「どの機器を、どの権限で、どの手順で確認するか」を文書化し、ログとバックアップの前提を確保してから実施することが実務上の基本です。

診断の流れとサポートの見方

診断の品質は「診断した」だけでは判断できず、報告の粒度と、修正支援(改善支援)の範囲で差が出ます。参照情報にある「脆弱性診断士」の役割のとおり、診断はネットワーク、OS、ミドルウェア、アプリケーションにまたがり、結果の評価が必要です。

導入時に確認したい流れ(成果物ベース)
  1. 対象資産の確定(サーバ、クラウド、ネットワーク機器、端末等)と実施範囲の合意を取ります。
  2. 診断方法(ツール/手動、遠隔/訪問)、事前準備(バックアップ、権限、停止時間の有無)を合意します。
  3. 報告書の内容(検出事項、危険度評価、再現手順、推奨対策)を明確にします。
  4. 改修支援の有無(優先順位付け、再診断の条件、設定変更の手順確認)を契約で確認します。

電話勧誘型の「無料診断」は、ここが曖昧なまま進むことが多いため、診断導入自体は否定せず、成果物と支援範囲を先に固定して比較するのがトラブル予防になります。

自社で受けるべき診断の順番――Webサイト・ルーター・端末のどこから始めるかの判断基準

中小企業は投資と人材が限られるため、被害影響と侵入経路の観点で優先順位を付けます。その際、「中小企業は狙われにくい」という前提は置かない方が安全です。参照情報の警察庁資料では、ランサムウェア被害146件のうち中小企業が54%を占めています。

参照情報を踏まえた優先順位の考え方(外側から固める)
  • 公開領域(外部公開サーバ、Webサイト等):外部から見える入口で、改ざんや情報漏えいの影響が大きい領域です。
  • 境界機器(ルーター、ファイアウォール、VPN機器):参照情報のとおり設定変更が侵入やC2通信に直結し得るため、設定確認とログ確認が重要です。
  • 端末・内部:業務端末や社内環境を順に固め、運用(権限、更新、バックアップ)まで含めて整備します。

この順番であれば、電話勧誘で言われがちな「まずルーターを入れ替えるべき」という短絡に流されにくく、自社のリスクに沿った診断設計ができます。

よくある質問

NTTからの電話は折り返せば確認できますか?

確認はできますが、折り返し先は「相手が告げた番号」ではなく、会社側が調べた正規窓口にしてください。加えて、番号表示がない場合でも、参照情報にあるとおり「番号お知らせサービス」で電話後に「136」→「1」をダイヤルし、最後にかかってきた電話の日時と電話番号を音声で知ることができる場合があります。事実関係の確認に必要な材料(日時・番号・要件)を揃えた上で、正規窓口に照会するのが安全です。

法律で義務化と言われたらどう判断しますか?

「法律で義務化」と言われた場合は、まず法令名・条文番号・対象事業者・義務の内容の提示を求め、提示がなければその時点で営業トークとして扱って差し支えありません。少なくとも、電話口で特定機器の導入や長期契約を即決させるために「義務」を持ち出す説明は、根拠が曖昧になりがちです。

また、参照情報には特定商取引法上の取引類型として「電話勧誘販売」が整理され、電話を切った後に郵便・電話等で申込みをする場合も含まれるとされています。したがって「義務だから申込書を送る」「一度切って手続するだけ」という説明でも、社内の契約審査・稟議を飛ばす理由にはなりません。

無料診断でも契約は必要になりますか?

無料診断でも、結果として有償契約(保守、機器、回線オプション等)へ進む提案は十分あり得ます。参照情報でも、第三者によるチェックの重要性が述べられている一方で、相談先として「無償」とされる企業でも、要事前相談(デロイトトーマツサイバー合同会社)や要事前契約(日本アイ・ビー・エム株式会社、日本電気株式会社、株式会社日立ソリューションズ)といった条件付きの記載があります。つまり「無料」という言葉だけで判断せず、

無料診断で先に確定すべき条件
  • 診断範囲と成果物(報告書の有無、内容)
  • 設定変更の有無(触るなら手順と責任分界)
  • 診断後の提案が有償の場合の判断期限と、断る権利が自社にあること

を事前に書面で確認するのが安全です。

第三者に相談できますか?

相談できます。技術・運用面の不安がある場合は、参照情報にある「セキュリティ第三者チェック」の考え方に沿い、外部専門組織へ確認を依頼することが安全性の担保につながります。参照情報には、無償の記載がある相談先として、例えば24時間対応のセキュアワークス株式会社、株式会社ブロードバンドセキュリティ、株式会社ラックなどが挙げられています。

一方、契約トラブルや強い勧誘で困っている場合は、社内で記録を整理(日時・相手名・要件・番号)した上で、外部の相談窓口や弁護士に事実ベースで相談し、交渉方針を固めてください。

NTTセキュリティ診断への対応で次にすべきこと

NTTセキュリティ診断を名乗る電話は、肩書きではなく「申込履歴・契約主体・当日の実施内容」の3点で機械的に切り分け、曖昧なまま訪問や遠隔操作に進めないことが要点です。確認や証拠保全では、相手が告げた番号へ折り返さず正規窓口に照会する運用を基本にし、番号表示がない場合も「136」→「1」で最後の着信情報を確認できることがある点を社内手順に組み込みます。判断の軸は「無料診断」や「義務」といった言葉ではなく、書面(見積書・申込書・作業指示書)で対象範囲・成果物・費用条件が具体化されているかです。次アクションとして、受付・総務・情シスの役割分担を固定し、断り文句を短く統一したうえで、技術面に不安があれば第三者チェックの考え方に沿って外部専門組織への確認も検討してください。個別の契約可否や法的評価は事情で変わるため、記録を揃えたうえで外部相談窓口や弁護士に事実ベースで相談する前提で進めるのが安全です。



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