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ディズニーオンアイスのグッズリコール事例:エル・イー・エス社「ライトアップワンド」の対応を解説

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製品リコールは、企業の信頼性や事業継続に直結する重要な経営課題です。万が一の事態に備えるには、過去の具体的な事例から対応プロセスや法的要件を学ぶことが不可欠となります。この記事では、2022年に発生した「ディズニー・オン・アイス」の会場で販売された玩具のリコール事例を取り上げ、対象製品の特定から原因、事業者が実施した具体的な回収・返金手続きまでを、公表情報に基づき網羅的に解説します。

リコールの概要:対象製品と事業者情報

対象製品「ライトアップワンド」の詳細(製品名・販売期間)

本件リコールの対象は、2022年7月から8月にかけて「ディズニー・オン・アイス」の日本公演会場で販売された玩具「ライトアップワンド」です。合計1万6千台以上が市場に流通しました。製品の詳細は以下の通りです。

項目 詳細
製品名 ライトアップワンド ミッキー / ライトアップワンド スノーフレーク
対象台数 ミッキー: 5,053台 / スノーフレーク: 11,484台 (合計: 16,537台)
販売期間 2022年7月22日 ~ 2022年8月18日
販売場所 ディズニー・オン・アイス日本公演の各会場
販売価格 3,800円 (税込)
製品仕様 電池で発光するプラスチック製の玩具
リコール対象製品の概要

これらの製品は、主にイベントの記念品として不特定多数の来場者に販売されたため、個別の購入者追跡が困難な状況にあります。そのため、事業者によるウェブサイト等での告知が重要な回収手段となります。

リコール実施事業者「有限会社エル・イー・エス」について

本件リコールの実施事業者は、大阪府大阪市に本社を置く有限会社エル・イー・エスです。同社は、本来は空調設備や自動ドアシステムの販売を主力事業としていますが、今回は当該玩具の輸入販売元としてリコール対応の責任を負っています。

製品は中国で製造されていますが、日本の法律では、海外製品を輸入し国内で販売した事業者が「製造業者等」とみなされます。そのため、消費生活用製品安全法製造物責任法に基づき、製品の欠陥に対する一次的な責任は輸入事業者である同社にあります。事業者は、製品事故の報告や消費者への対応、回収措置などを主体的に実施する義務を負います。

リコールの原因と経緯

リコール理由:製品の電池ボックスにおける不具合

リコールの直接的な原因は、製品の電池ボックス内部で液漏れが発生する不具合が確認されたためです。使用される乾電池の電解液が外部に漏れ出すことで、製品が機能しなくなるだけでなく、人体に重大な健康被害を及ぼす危険性があります。

電池の液漏れによる主なリスク
  • 漏れ出た液体(強アルカリ性の電解液)が皮膚に付着することによる化学熱傷
  • 電解液が目に入ることで生じる重篤な視力障害や失明
  • 主な使用者が子供であるため、誤って口にするなどのリスク

製品の欠陥が使用者の身体・生命に危害を及ぼす可能性があることから、品質上の問題にとどまらず、安全確保のための予防的措置として全数回収が決定されました。

消費者庁に報告された事故情報と発表の時系列

本件リコールは、販売終了直後の2022年8月20日に公式発表されました。イベント期間終了とほぼ同時に問題が発覚し、迅速な対応が取られたことがうかがえます。経済産業省や消費者庁のリコール情報サイトにも速やかに情報が掲載され、広く周知が図られました。リコール発表に至るまでの一般的な経緯は以下の通りです。

リコール発表までの流れ
  1. 購入者から事業者に対し、製品の不具合(電池の液漏れなど)に関する報告が寄せられる。
  2. 事業者が報告を受け、在庫品の調査や原因究明に着手する。
  3. 調査の結果、製品に欠陥があり、安全上のリスクが高いと判断する。
  4. 事業者が自主的なリコール(製品回収・返金)を決定し、消費者庁・経済産業省へ報告する。
  5. ウェブサイトや報道機関を通じて、消費者へリコールの事実と対応方法を公表する。

製品事故報告から公表までの流れと法的背景

消費生活用製品安全法では、製品の使用に伴い重大な事故が発生したことを知った製造・輸入事業者は、原則として10日以内に消費者庁へ報告する義務が課されています。本件の「液漏れ」は、直ちに生命に関わる重大事故には該当しない場合でも、化学熱傷などの健康被害を引き起こす恐れがあるため、消費者の安全確保の観点から迅速な対応が求められます。

事業者が自主的にリコールを行う場合、経済産業省へ報告を行い、その情報は消費者の安全確保のため公表されます。リコールの判断は、実際に被害が発生した場合だけでなく、製品の設計・製造上の欠陥により将来的に被害が発生する蓋然性が高い場合にも行われます。本件は、子供が使用する玩具という特性を鑑み、予防的な観点から全数回収という措置がとられました。これは、法的な義務の履行に加え、企業の社会的責任(CSR)を果たす上でも重要な判断です。

事業者による返金・回収の具体的な手続き

返金対応の申込み方法と必要な情報(レシートの要否など)

返金を受けるためには、まず事業者が設置した専用窓口へ連絡し、製品回収を申し込む必要があります。レシートがなくても、対象製品の現物を所持していることが返金の条件となります。

返金申込みの基本的な手順
  1. 手元にある製品がリコール対象品であることを確認する。
  2. 事業者指定のカスタマーセンター(電話またはウェブフォーム)へ連絡する。
  3. 氏名、住所、連絡先、返金先の金融機関口座情報などを伝える。
  4. 事業者からの案内に従い、製品の返送手続きを進める。

申込みにあたっては、返金手続きをスムーズに進めるため、正確な口座情報(金融機関名、支店名、口座種別、口座番号、口座名義)を事前に準備しておくことが望ましいです。

対象製品の送付方法と送料の扱い

対象製品を事業者に送付する際の送料は、事業者が全額を負担します。消費者が費用を負担する必要はありません。必ず「着払い」で発送してください。

製品返送時の注意点
  • 必ず事業者が指定する配送業者の「着払い」サービスを利用する。
  • 既に液漏れしている場合は、ビニール袋などで製品を包み、輸送中に液体が漏れないよう梱包する。
  • 配送伝票の品名欄には「リコール品」など、内容が分かるように記載する。
  • 送付先はリコール専用の受付窓口となるため、必ず案内に記載された住所へ送付する。

誤って元払いで発送した場合、送料の返金が受けられない可能性があるため注意が必要です。

返金処理の流れと所要期間の目安

消費者が返送した製品が事業者に到着後、以下の手順で返金処理が進められます。製品到着から返金完了までの期間は、通常2週間から1か月程度が目安ですが、申込が集中した場合はさらに時間を要することがあります。

製品到着から返金までの流れ
  1. 事業者が到着した製品を検品し、リコール対象品であることを確認する。
  2. 製品の確認完了後、申告された口座情報に基づき返金データを作成する。
  3. 経理部門などを通じて、指定された銀行口座へ代金の振込手続きを行う。

口座情報に誤りがあると、組戻しとなり返金が大幅に遅れる原因となります。返金が完了した際の個別通知は行われない場合が多いため、期間が過ぎても入金が確認できない場合は、再度カスタマーセンターへ問い合わせる必要があります。

返金プロセス設計における実務上の判断ポイント

企業がリコールの返金プロセスを設計する際には、法務および実務の観点から複数の重要ポイントを考慮する必要があります。これは、消費者保護を徹底しつつ、企業の経営リスクを管理するために不可欠です。

返金プロセス設計における主な論点
  • 真正性の確保: レシートを不要とし現物回収を条件とすることで、迅速な消費者保護と不正請求防止のバランスをとる。
  • 個人情報管理: 返金で取得した氏名や口座情報などの個人情報を厳格に管理し、目的外利用を防ぐ体制を構築する。
  • 支払記録の保全: 返金方法を記録の残る銀行振込に統一し、後のトラブルを回避する。
  • 在庫管理の徹底: 回収した製品を確実に廃棄処分し、市場への再流出を防止する。

これらのポイントを網羅した透明性の高いプロセスを構築することが、企業の信頼を維持し、リコール対応を適切に完了させるための鍵となります。

公式発表と問い合わせ先

事業者の公式問い合わせ窓口(電話番号・受付時間)

本リコールに関する問い合わせは、事業者が設置した専用のカスタマーセンターで受け付けています。詳細は以下の通りです。

お問い合わせ窓口情報
  • 窓口名称: ディズニー・オン・アイス カスタマーセンター
  • 電話番号: 0120-500-247 (フリーダイヤル)
  • 受付時間: 午前9時~午後6時 (土日祝日を除く)

リコール発表直後や特定の時間帯は電話が繋がりにくい場合があります。その際は、時間を改めてかけ直すか、公式ウェブサイトに設置されている問い合わせフォームの利用もご検討ください。

消費者庁・経済産業省による公表情報の参照先

事業者の発表に加え、国の行政機関もリコール情報を公表しています。これらの公的情報を参照することで、客観的で正確な情報を確認できます。万が一、事業者のサイトが閉鎖された場合でも、これらのサイトで過去の情報を確認することが可能です。

主な公的リコール情報サイト
  • 消費者庁 リコール情報サイト: 消費者向けに製品リコール情報を集約して提供。
  • 経済産業省 製品安全ガイド: 重大製品事故やリコール情報を掲載。
  • 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE): 製品事故情報やリコール情報をデータベース化して公開。

これらのサイトで事業者名「有限会社エル・イー・エス」や製品名「ライトアップワンド」を検索することで、本件に関する公式発表を確認できます。

よくある質問

リコール対象商品かどうかは、どのように見分ければよいですか?

お手元の製品が以下の特徴に合致するかご確認ください。液漏れの有無にかかわらず、対象製品であればリコールの対象となります。

対象製品の確認ポイント
  • 製品名が「ライトアップワンド ミッキー」または「ライトアップワンド スノーフレーク」である。
  • 2022年7月22日から8月18日の期間に購入した。
  • ディズニー・オン・アイスの公演会場で購入した。

上記すべてに当てはまる場合は、リコール対象である可能性が極めて高いです。不明な場合は、カスタマーセンターへお問い合わせください。

商品を返送する際の送料は自己負担ですか?

いいえ、送料は自己負担ではありません。リコールは事業者の責任において行われるため、製品の返送にかかる費用はすべて事業者が負担します。返送の際は、必ず案内に従って「着払い」で発送してください。誤って元払いで送付すると、送料が返金されない場合がありますのでご注意ください。

このリコールの受付は現在も継続していますか?

製品リコールは、消費者の安全が確保されるまで長期間にわたり対応が継続されるのが一般的です。ただし、特設されたカスタマーセンターの受付時間や体制が変更される可能性はあります。正確な受付状況については、事業者の公式ウェブサイトで最新の情報を確認するか、案内に記載されている問い合わせ窓口へ直接ご連絡ください。対象製品をお持ちの場合は、放置せずに速やかな手続きをお勧めします。

まとめ:リコール対応における実務プロセスの重要性

本記事では、ディズニー・オン・アイスで販売された玩具「ライトアップワンド」のリコール事例について、その原因から具体的な対応プロセスまでを解説しました。リコールの原因は電池の液漏れによる健康被害リスクであり、輸入事業者である有限会社エル・イー・エスが主体となって対応にあたりました。事業者は、ウェブサイトでの告知、レシート不要での現物回収、着払いでの製品返送、銀行振込による返金といった一連のプロセスを構築し、消費者保護に努めました。この事例は、製品の欠陥が判明した際の迅速な情報公開と、消費者の負担を軽減する具体的な回収・返金フローの設計が、企業の社会的責任を果たす上でいかに重要であるかを示しています。自社で同様の事態が発生した場合の対応計画を策定する上で、告知方法から個人情報管理、法的義務の履行まで、本件は多くの実務的な示唆を与えてくれます。

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