70歳定年と厚生労働省の考え方|努力義務の範囲と企業対応を確認
高年齢者雇用安定法の改正を受けて「70歳までの就業機会確保」への対応を検討する場面では、定年・継続雇用・業務委託など複数の選択肢が並び、どこまで制度化すべきか判断が難しくなりがちです。整理を後回しにすると、65歳までの義務対応との混同や、対象者基準・処遇設計の説明不足から、社内調整や運用段階で手戻りが発生しやすくなります。たとえば2021年4月施行の枠組みを前提に、義務と努力義務の線引き、選べる制度類型、社内で先に揃える資料の優先順位を押さえると、改定の要否と進め方を決めやすくなります。以下では、実務対応の判断材料として法的枠組みと制度設計の論点を示します。
高年齢者雇用安定法の基本枠組み
60歳以上定年の義務と定年年齢
事業主が労働者の定年(一定年齢到達により労働契約を終了させる制度)を定める場合、高年齢者雇用安定法は、定年年齢を60歳未満とすることを禁止しています(高年齢者雇用安定法第8条)。このため、就業規則等に60歳未満の定年条項があっても、法の趣旨に反する部分は効力を欠く前提で運用整理が必要になります。
また、定年制度を設けるかどうか自体は企業の選択ですが、定年制度を採用する以上は、少なくとも60歳以上の設定が前提です。シニア雇用への社会的要請が強まる中、企業側も制度の有無だけでなく、制度の説明可能性(なぜその年齢・仕組みなのか)を含めて点検しておくことが重要です。
参照情報として、パーソル総合研究所が2020年9月に企業の人事担当者等約800人に行った調査では、「シニア人材の活用・活性化が現在課題」との回答が49.9%、「1〜5年後には課題」が25.9%でした。定年年齢の適法性確認は、単なる形式チェックにとどまらず、将来の制度改定議論の出発点にもなります。
65歳までの高年齢者雇用確保措置
定年年齢を65歳未満としている事業主は、65歳までの安定した雇用を確保する措置を講じる義務があります(高年齢者雇用安定法第9条)。実務上は、制度設計の自由度があるように見えても、法律上選べる枠組みは整理して理解しておく必要があります。
- 65歳までの定年の引上げ
- 定年制の廃止
- 65歳までの継続雇用制度(再雇用・勤務延長を含む)の導入
継続雇用制度は、定年でいったん退職させて再契約する再雇用、退職させずに雇用を延長する勤務延長を含みます。また、グループ企業での雇用確保も制度設計に含め得ます。
制度運用の前提として、従業員が継続雇用を希望する場面では、公的年金の支給開始年齢の引上げとも連動して、雇用継続の重要性が高まってきました。内閣府の意識調査では、現在仕事をしている「60歳以上」の男女の約8割が「65歳以上の定年後も働きたい」と回答しているとされており、制度の整備は人材確保・離職防止の観点からも優先度が高い論点です。
70歳までの就業確保措置
70歳就業は義務か努力義務か
改正高年齢者雇用安定法(2021年4月施行)により、65歳までの雇用確保義務に加え、70歳までの就業機会の確保が事業主の努力義務として位置づけられました(高年齢者雇用安定法第10条の2)。努力義務である以上、未実施で直ちに過料等が当然に科されるという整理にはなりませんが、制度の方向性としては「70歳まで働ける環境整備」に政策が寄っている点は押さえる必要があります。
参照情報として、従業員21人以上の企業237,006社を対象に2023年6月時点の集計結果をまとめた厚生労働省「高年齢者雇用状況等報告」では、70歳までの高年齢者就業確保措置を実施済みの企業は29.7%とされています。つまり、努力義務であっても一定割合の企業は既に対応を進めており、採用・定着や企業説明の局面で比較対象になり得ます。
高年齢者就業確保措置の選択肢
70歳までの就業確保措置は、雇用による措置と、雇用によらない措置(創業支援等措置)を含め、法定の選択肢の範囲で構成します(高年齢者雇用安定法第10条の2)。制度説明や労使協議を進めるうえでは、まず「何が選択肢として許容されるか」を固定したうえで、自社の人員構成・職務・固定費の許容度に落とし込む整理が有効です。
- 70歳までの定年の引上げ
- 定年制の廃止
- 70歳までの継続雇用制度(再雇用・勤務延長を含む)の導入
- 70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度(創業支援等措置)
- 70歳まで事業主が実施・出資等する社会貢献事業に継続従事できる制度(創業支援等措置)
創業支援等措置は雇用ではないため、労務提供の形が変わります。導入時は、過半数労働組合等の同意を得て実施計画を作成し、社内周知する運用が要件になります(制度設計上の必須手続として理解しておくべきポイントです)。
65歳義務と70歳努力義務で何が違うか|対象者基準を絞れる場面の線引き
65歳までの雇用確保は法的義務(高年齢者雇用安定法第9条)であり、制度としては「希望者を排除しない」方向での運用が基本になります。一方、70歳までの就業確保は努力義務(高年齢者雇用安定法第10条の2)であり、企業が制度化する場合でも、制度の組み方(雇用か創業支援等か)によって運用論点が変わります。
とくに実務では、「対象者基準をどこまで設定できるか」が争点化しやすいため、恣意的な基準とならないよう、基準の目的・必要性・適用方法を文書で説明できる形に整えることが重要です。
- 基準は客観性と合理性があり、適用手順(誰がいつ何をもって判断するか)まで定めます
- 「会社が必要と認めた者に限る」など、裁量のみを残す表現は紛争リスクが高いです
- 年齢以外の属性(性別・思想信条等)による不利益取扱いにつながる設計は避けます
- 運用結果の検証(対象者割合・不服申立て状況等)を前提に、基準の見直し余地を残します
また、実務上は「65歳以降も働きたい」ニーズが相応に存在する点を前提に、制度趣旨に沿ったコミュニケーションが必要です。参照情報として、内閣府の意識調査で「60歳以上」の就労者の約8割が「65歳以上の定年後も働きたい」と回答しているとされ、制度設計は労働者側の希望とも接続します。
継続雇用制度と再雇用制度
希望者全員対象化の経緯と要件
継続雇用制度は、定年後の雇用を継続させる枠組みであり、年金制度の動向とも関連しながら拡充されてきました。法体系上は、65歳までの雇用確保措置として位置づけられ(高年齢者雇用安定法第9条)、企業は「制度があるか」だけではなく、「希望者が利用できる状態にあるか」を含めて運用を整える必要があります。
参照情報として、内閣府の意識調査では、現在仕事をしている60歳以上の男女の約8割が、65歳以上の定年後も働きたいと回答しています。したがって、希望者の母数は一定程度見込まれ、対象者を限定する発想ではなく、配置・業務設計・評価運用まで含めて制度として成立させる視点が重要です。
継続雇用の労働条件と運用注意
定年後の継続雇用では、労働条件を定年前と同一にしなければならないわけではありませんが、不合理な待遇差が問題となり得ます。定年前後で職務内容・責任・配置が変わる場合は、その変化に整合する処遇設計と説明が必要です。
また、60歳以降の就労継続は、本人の生活設計にも直結します。参照情報として、退職金の例示として「年収500万円の人が定年退職時に500万円の退職金を得ても1年分にしかならない一方、再雇用で年収が下がっても2年以上働ける」といった比較が示されています。企業側は、このような従業員側の実感(退職一時金より就労継続の安定性を重視する発想)を踏まえ、賃金水準を含む制度説明を行うことが、納得性とトラブル予防に資します。
定年後再雇用を有期契約で回す会社が見落としやすい無期転換特例の確認事項
有期雇用を反復更新すると、一定の場合に無期転換ルールが問題になります。定年後再雇用を1年更新等で運用する場合も、契約更新の設計が形式的に「有期」でも、運用実態として雇用継続が見込まれるため、法的リスクの棚卸しが必要です。
さらに、雇用の安定は単に契約期間の問題にとどまりません。参照情報として、「退職金を支払って雇用関係を終える」より「退職金は払わないが再雇用する」方が経済的安定につながる、また退職金原資を経営資源として活用でき資金繰り悪化を防ぎ得る、といった整理が提示されています。制度の選択は、法令対応に加え、固定費とキャッシュフローの観点からも検討が必要です。
70歳就業へ向けた制度設計
対象者基準と業務委託契約の留意点
創業支援等措置として業務委託を用いる場合、見た目が委託でも実態が指揮命令下の労働になっていれば、労働法適用の問題(いわゆる労働者性の争点)が生じ得ます。したがって、「雇用ではない」ことを前提に、契約条項と実運用を一致させることが重要です。
- 業務の依頼に対して受託側に諾否の自由がある設計にします
- 代替性(本人以外の者が履行できる余地)を確保し、専属性の過度な固定化を避けます
- 会社が勤務時間・作業場所・手順を一方的に拘束する運用を避けます
- 報酬は成果・役務の対価として設計し、労働時間管理に近い運用を混在させないよう注意します
また、高年齢者の就労継続では、勤務形態の工夫も論点です。参照情報として、「事業場の状況に応じて勤務形態や勤務時間を工夫(短時間勤務、隔日勤務、交替制勤務等)し、高年齢労働者が就労しやすくする」といった配慮事項が示されています。雇用措置・委託措置いずれでも、実態として無理のない働き方を設計しないと制度が形骸化しやすい点に留意が必要です。
賃金・人件費・職務設計への影響
70歳までの就業機会確保を進めると、賃金制度・職務設計・配置運用が人件費と直結します。年功的処遇のまま就業期間のみ延伸すると、固定費が増えやすく、制度の持続性が揺らぎます。
そのうえで、従業員側の就労継続ニーズは強いことが想定されます。参照情報として、内閣府の意識調査で60歳以上の就労者の約8割が「65歳以上の定年後も働きたい」と回答しているとされ、長期就業を前提とした役割定義・評価・賃金の整合が必要になります。
また、退職金と再雇用の比較に関する参照情報(年収500万円・退職金500万円の例)からも、本人の生活安定は「一時金」より「継続的収入」によって左右され得ます。賃金水準の調整を行う場合は、職務・責任・成果の見える化とセットで、説明可能性を高めることが実務上の優先事項です。
定年延長・再雇用延長・業務委託のどれを選ぶか|人員構成と固定費でみる判断基準
70歳までの就業確保は、企業にとっては人材戦略と固定費管理の意思決定です。制度の比較は「どれが正しいか」ではなく、「自社の人員構成・業務特性・リスク許容度にどれが適合するか」で行います。
| 手段 | 企業側の特徴 | 主な留意点 |
|---|---|---|
| 定年延長・定年廃止 | 雇用の安定性が高く、戦力の囲い込みに寄与します | 固定人件費が長期化しやすく、役割再設計が不可欠です |
| 再雇用・勤務延長の延長 | 契約更新・配置で一定の調整余地を持たせやすいです | 処遇差の合理性説明と、運用の透明性が重要です |
| 業務委託(創業支援等措置) | 雇用によらない活用の幅が広がります | 労働者性の誤認リスクがあり、契約と実態の一致が必須です |
加えて、参照情報として、2023年6月時点の厚生労働省「高年齢者雇用状況等報告」では、70歳までの就業確保措置を実施済みの企業が29.7%でした。市場の相対比較(採用・受注・説明責任)を意識する企業では、この「既に取り組む企業が一定数ある」という事実も判断材料になります。
制度改定を進める社内実務|人事・法務・財務が改定前に揃える資料と確認順序
制度改定は、労使協議に入る前段階で、現状把握と論点整理を揃えるほど手戻りが減ります。とくに70歳就業確保は努力義務であるため、期限対応の「作業」になりにくく、社内意思決定が遅れがちです。実務では部門横断で「資料→論点→協議→改定→周知」の順に進めるのが安全です。
- 人事が年齢別人員構成とシニア層の配置・職務の棚卸しを行い、就業継続ニーズ(例:60歳以上の約8割が65歳以降も就労希望という内閣府調査傾向)を前提に論点を整理します
- 財務が固定費・退職金・再雇用コストの比較資料を作成し、退職金より再雇用の方が生活安定につながり得る(年収500万円・退職金500万円の比較例)といった従業員側の受け止めも含めて影響を見立てます
- 法務が就業規則・賃金規程・雇用形態の設計(雇用か委託か)を点検し、高年齢者雇用安定法上の位置づけ(65歳は義務、70歳は努力義務)を踏まえて、対象者基準や手続要件の整合を確認します
- 過半数労働組合等との協議に入り、制度の枠組み(法定5類型のどれか、複数併用か)と運用ルール(対象者基準・評価・配置)について合意形成を図ります
- 就業規則等の改定・届出・社内周知を行い、運用開始後は対象者割合やトラブル発生状況を検証して改善します
高年齢者雇用の届出と支援策
高年齢者雇用状況等報告と多数離職届
高年齢者雇用に関しては、制度整備だけでなく行政への報告・届出実務も発生します。企業は、高年齢者雇用状況等の報告等を通じて、定年制や継続雇用制度等の実施状況を行政が把握する枠組みに対応します(高年齢者雇用安定法第52条)。
参照情報として、厚生労働省の「高年齢者雇用状況等報告」は、従業員21人以上の企業237,006社を対象に2023年6月時点の集計結果がまとめられています。自社が提出する報告が、このような統計として政策判断・公表情報の基礎になり得る点を踏まえ、記載内容の正確性(制度上限・対象者範囲・運用実態)を整合させておくことが重要です。
再就職援助措置と求職活動支援書
高年齢者が離職し再就職を希望する場合、事業主には再就職援助に関する枠組みが用意されています。とくに、対象者から請求があった場合に交付する求職活動支援書は、手続としての適否が問われやすいため、社内で雛形・作成フローを整備しておくことが実務上有効です(高年齢者雇用安定法第17条)。
- 同業他社の求人情報を収集し、従業員に提供して再就職負担を軽減します
- 起業する従業員に対し、会社保有の設備・備品を安価で譲渡するなどの支援を検討します
- 会社の事業譲渡という形での支援を行う場合は、取引先説明と継続取引の働きかけも論点になります
助成金と高齢・障害・求職者雇用支援機構
高年齢者雇用を進める企業向けの支援策には、雇用制度・安全衛生の両面があります。参照情報として、エイジフレンドリー補助金は、高齢者が安心して安全に働くための職場環境整備等に要する費用を補助する仕組みで、60歳以上の高年齢労働者を雇用する中小企業等が対象とされています。
- 高年齢労働者の労働災害防止コースは補助率2分の1で上限100万円です
- コラボヘルスコースは補助率4分の3で上限30万円です
- 一次健康診断で血圧・血中脂質・血糖・腹囲またはBMIの全てに異常所見があること等が要件として示されています
また、コラボヘルスは「医療保険者と事業者が連携し、役割分担の下で予防・健康づくりを効率的に実行すること」と定義されています。70歳就業を進めるほど安全衛生・健康管理の重要性が増すため、制度改定(人事労務)と職場環境整備(安全衛生)を分断せずに検討することが実務上のポイントです。
厚生労働省の方針と実務対応
基本方針と2029年の政策動向
高年齢者雇用の政策は、「年齢にかかわらず能力を発揮できる社会」を志向して進んでいます。参照情報にあるとおり、2021年4月施行の改正により、65歳までの雇用確保義務に加えて、65歳から70歳までの就業機会確保が努力義務となりました(高年齢者雇用安定法第10条の2)。
また、企業側の関心の強さも無視できません。参照情報として、2020年9月のパーソル総合研究所調査(企業の人事担当者等約800人)では、49.9%がシニア活用が「現在課題」、25.9%が「1〜5年後には課題」と回答しています。政策動向の見通し(将来義務化の可能性)を語る以前に、現場として課題認識が顕在化していることを踏まえ、要員計画・処遇設計・安全衛生投資の優先順位付けを行うことが現実的です。
高年齢雇用継続給付の縮小影響
高年齢雇用継続給付については、雇用保険制度と関係します(雇用保険法の枠組み)。参照情報として挙がっている縮小(2025年4月1日からの給付率引下げ、将来の段階的見直し等)に言及する場合は、賃金設計・生活設計への影響が出やすい領域であるため、制度の変更点を前提に、企業の処遇説明や配置設計をより丁寧にする必要があります。
加えて、退職金と再雇用の比較例(年収500万円・退職金500万円)で示されるとおり、本人の実感として「一時金より就労継続の収入」の比重が上がる場面があります。給付の縮小は、その分、企業が説明すべき事項(賃金水準・働き方・役割期待)を増やす方向に働く点を押さえておくと実務に役立ちます。
高年齢者の安全衛生と職場整備
高年齢者の就労が広がるほど、安全衛生対策は制度運用の前提条件になります。参照情報では、高年齢労働者の特性に配慮し、施設・設備・装置等の改善(ハード面)と、作業内容等の見直し(ソフト面)について、事業場の実情に応じた優先順位付けで取り組むことが示されています。
- ハード面として施設・設備・装置等の改善を検討し、必要な対策を講じます
- ソフト面として敏捷性・持久性・筋力低下等の特性を踏まえ、作業内容等の見直しを実施します
- 勤務形態・勤務時間の工夫(短時間勤務、隔日勤務、交替制勤務等)により就労しやすさを高めます
また、安全配慮義務は、健康診断や実態把握を踏まえて業務軽減等の措置を講じるべき義務として整理され得る、という参照情報の指摘もあります。70歳就業の制度設計では、賃金・契約類型だけでなく、健康情報の取扱いと職務再設計(負荷調整)を一体で検討することが実務上重要です。
よくある質問
70歳までの就業確保措置はいつまでに必要ですか?
70歳までの就業機会確保は、2021年4月施行の改正で努力義務として位置づけられており(高年齢者雇用安定法第10条の2)、企業は「期限が来たから一斉対応」という性質ではなく、可能な範囲で段階的に整備していくことが求められます。
参照情報として、2023年6月時点の厚生労働省「高年齢者雇用状況等報告」では、従業員21人以上の企業237,006社のうち、70歳までの就業確保措置を実施済みの企業は29.7%でした。未対応でも直ちに罰則という整理ではない一方、既に対応している企業が一定数あることから、採用・定着・対外説明の観点で検討を先送りしない判断が必要になり得ます。
70歳就業を導入しないと行政指導はありますか?
70歳までの就業確保は努力義務(高年齢者雇用安定法第10条の2)のため、未導入で直ちに過料等が当然に適用される仕組みではありません。ただし、制度趣旨から外れた運用や、社内外への説明が極端に欠ける状態が続くと、行政から助言・指導の対象になり得る点は想定しておく必要があります。
また、実務上は「未導入かどうか」だけでなく、「導入していないことの理由・代替措置・今後の検討計画」を説明できるかが問われやすくなります。参照情報では、70歳までの措置を実施済みの企業が29.7%(2023年6月時点、従業員21人以上の企業237,006社)とされており、比較可能性が生まれている点も踏まえ、社内方針の文書化を検討するとよいです。
65歳超雇用推進助成金の主な要件は何ですか?
65歳超雇用推進助成金については、参照情報に詳細要件の数値や申請要領が示されていないため、ここでは制度名レベルの整理にとどめます。制度改定(定年引上げ、継続雇用制度の拡充、雇用管理制度整備等)を検討する際は、併せて安全衛生・健康保持増進の支援策も確認すると実務上有効です。
参照情報として、エイジフレンドリー補助金では、高年齢労働者の労働災害防止コースが補助率2分の1・上限100万円、コラボヘルスコースが補助率4分の3・上限30万円とされています。助成金・補助金は年度ごとに公募要領や対象経費が見直され得るため、申請を前提にする場合は、最新の公的資料で要件を再確認してください。
70歳までの就業機会確保への対応で次にすべきこと
70歳までの就業機会確保は、2021年4月施行の改正で努力義務と整理されている一方、65歳までの雇用確保は義務であるため、まず両者の線引きを前提に自社制度の棚卸しを行うことが出発点になります。次に、法定5類型(定年引上げ・定年廃止・継続雇用・業務委託・社会貢献事業)からどの手段を採るかを、人員構成と固定費、運用時の説明可能性(対象者基準・処遇差の合理性)で比較します。実務対応としては、人事・財務・法務が資料を持ち寄り、対象者基準や手続(創業支援等措置での実施計画と周知など)が運用に乗るかを確認したうえで、労使協議に進めると手戻りを抑えやすくなります。加えて、厚生労働省「高年齢者雇用状況等報告」(2023年6月時点)で実施済み企業が29.7%とされている点は、採用・定着や対外説明での比較材料になり得るため、自社の方針を文書化しておくことも有効です。個別の制度設計や労務リスクの評価は、就業規則・賃金規程・契約運用の実態を前提に、必要に応じて専門家へ相談して進めてください。

