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宅地売却の全知識|手続きの流れから費用・税金、高く売るコツまで解説

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所有する宅地の売却を考え始めたものの、何から手をつければ良いか分からず、不安を感じていませんか。売却には多くの手続きや専門知識が必要となるため、全体像をあらかじめ把握しておくことが、失敗を防ぐための鍵となります。この記事では、宅地売却の準備から確定申告までの全手順、かかる費用や税金の詳細、そして有利に売却するためのポイントまでを網羅的に解説します。

目次

宅地売却の全手順|準備から確定申告までの流れ

ステップ1:事前準備(必要書類の確認と相場調査)

宅地売却を決めたら、まず対象不動産の現状を正確に把握するための書類収集から始めることが一般的です。これらの書類は、査定依頼や売買契約時に必須となるため、早期に準備することで、その後の手続きが円滑に進みます。

主な必要書類
  • 登記事項証明書:法務局で取得し、所有者や権利関係(抵当権の有無など)を確認できます。
  • 公図・地積測量図:土地の形状や隣地との位置関係、正確な面積の参考とするために法務局で取得します。
  • 登記済権利証または登記識別情報:土地の所有者本人であることを確認する重要な書類です。
  • 固定資産税納税通知書:固定資産税評価額や税額を確認し、税金の精算や登記費用の算出に用います。
  • 境界確認書:隣地との境界が確定していることを示す書類で、あれば買主の安心材料になります。

書類準備と並行して、売却予定地の相場調査を行いましょう。土地の価格には複数の指標があり、これらを参考にすることで、不動産会社が提示する査定額の妥当性を判断しやすくなります。国土交通省の「土地総合情報システム」などで近隣の取引事例を調べ、おおよその価格帯を把握しておくことが重要です。

ステップ2:不動産会社への相談と査定依頼

事前準備が完了したら、不動産会社へ査定を依頼し、売却活動を任せるパートナーを選びます。査定には、簡易的な「机上査定」と、現地調査に基づく詳細な「訪問査定」の2種類があります。

査定方法 特徴 メリット デメリット
机上査定(簡易査定) 物件データと周辺相場から概算価格を算出 手軽に依頼でき、短期間で結果がわかる 現地状況が反映されず、精度は低い
訪問査定(詳細査定) 担当者が現地を調査し、詳細な価格を算出 土地の個別性を反映した、精度の高い価格がわかる 担当者の立ち会いが必要で、時間がかかる
査定方法の比較

売却を成功させるためには、複数の不動産会社に査定を依頼することをおすすめします。査定額は会社ごとに異なるため、複数の結果を比較することで、より客観的に価格の妥当性を判断できます。また、査定額の高さだけでなく、担当者の専門知識や対応の質、査定価格の根拠を明確に説明できるかどうかも、信頼できる会社を見極める重要なポイントです。

ステップ3:媒介契約の締結と売却活動の開始

売却を依頼する不動産会社が決まったら、媒介契約を締結します。契約形態には3つの種類があり、それぞれの特徴を理解して、自身の状況に合ったものを選択することが大切です。

契約形態 依頼できる会社数 自己発見取引 レインズ登録義務 売主への報告義務
専属専任媒介契約 1社のみ 不可 契約後5日以内 1週間に1回以上
専任媒介契約 1社のみ 可能 契約後7日以内 2週間に1回以上
一般媒介契約 複数社可能 可能 なし なし
媒介契約の種類と特徴

媒介契約締結後、不動産会社は広告掲載や指定流通機構(レインズ)への登録を行い、本格的な売却活動を開始します。売主は、不動産会社からの活動報告を受けながら、問い合わせ状況や内覧の反応を確認します。購入希望者からの内覧は重要な機会ですので、敷地内をきれいに保つなど、物件の魅力を最大限に伝えられるよう準備することが望ましいです。

ステップ4:購入希望者との交渉と売買契約の締結

購入希望者が現れると、不動産会社を通じて購入申込書(買付証明書)が提出されます。これに基づき、売却価格や引き渡し時期、その他の条件について交渉を行います。価格交渉が入ることも多いため、事前に譲歩できる範囲を決めておくとスムーズです。双方が条件に合意すれば、売買契約の締結に進みます。

売買契約締結は、以下の流れで進められます。

売買契約締結の流れ
  1. 重要事項説明:宅地建物取引士から、物件に関する法的な制限や権利関係などの詳細な説明を受けます。
  2. 売買契約書の確認:売主・買主双方で契約書の内容を確認し、署名・捺印します。
  3. 手付金の受領:買主から売買代金の一部である手付金を受領します。
  4. 収入印紙の貼付:契約金額に応じた収入印紙を契約書に貼り、消印します。

この時点で法的に拘束力のある契約が成立し、売主は土地を引き渡す義務、買主は代金を支払う義務を負います。契約後は、引き渡しに向けた準備を進めていきます。

ステップ5:決済と土地の引き渡し

売買契約後、買主のローン審査などを経て、最終的な決済と引き渡しの日を迎えます。決済は、金融機関などで司法書士立ち会いのもと行われるのが一般的です。

決済当日の主な流れ
  1. 本人確認と登記書類の確認:司法書士が、売主・買主の本人確認と所有権移転登記に必要な書類を確認します。
  2. 残代金の決済:買主から売主の口座へ、売買代金の残金が振り込まれます。
  3. 各種費用の清算:固定資産税・都市計画税の日割り清算や、仲介手数料・司法書士報酬の支払いを行います。
  4. 抵当権抹消手続き:住宅ローンが残っている場合、残債を一括返済し、金融機関から抵当権抹消に必要な書類を受け取ります。
  5. 鍵や関係書類の引き渡し:売主から買主へ、土地に関する書類(測量図など)を引き渡すことが一般的です。
  6. 登記申請:司法書士が法務局へ所有権移転登記と抵当権抹消登記を申請します。

これら一連の手続きが完了すると、宅地の売却取引はすべて終了です。

ステップ6:売却後の確定申告

不動産を売却した翌年の2月16日から3月15日までの間に、税務署で確定申告を行う必要があります。売却によって利益(譲渡所得)が出た場合は、申告と納税が義務付けられています。申告を怠ると、無申告加算税延滞税などのペナルティが課されるため注意が必要です。

反対に、売却で損失が出た場合は申告義務はありませんが、特定の要件を満たせば、給与所得など他の所得と損益を相殺して税金の還付を受けられる損益通算繰越控除の特例を利用できるため、申告が推奨されます。

特に、マイホーム売却時の「3,000万円特別控除」などの税制優遇措置を受けるためには、利益が出て納税額がゼロになる場合でも確定申告が必須です。計算が複雑な場合や特例の適用に不安がある場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。

宅地売却にかかる費用と内訳

仲介手数料:不動産会社に支払う成功報酬

仲介手数料は、売買契約が成立した際に不動産会社へ支払う成功報酬です。宅地建物取引業法で上限額が定められており、売買価格が400万円を超える場合の速算式は「(売買価格 × 3% + 6万円) + 消費税」となります。

支払いのタイミングは、売買契約時に半額、引き渡し時に残りの半額を支払うケースが一般的ですが、契約内容は事前に媒介契約書で確認しておきましょう。これは成功報酬のため、売買契約が成立しなければ原則として支払う必要はありません。

印紙税:売買契約書に必要な収入印紙代

不動産売買契約書は課税文書にあたるため、契約金額に応じた収入印紙を貼付して印紙税を納める必要があります。税額は契約金額によって異なりますが、現在は軽減措置が適用されています。

契約金額 本則税率 軽減税率
500万円超 1,000万円以下 1万円 5千円
1,000万円超 5,000万円以下 2万円 1万円
5,000万円超 1億円以下 6万円 3万円
売買契約金額と印紙税額(軽減措置適用後)

通常、売主用と買主用の2通の契約書を作成する場合は、それぞれが自身の保有する契約書分の印紙税を負担します。貼り忘れや消印漏れがあると過怠税が課されるため注意が必要です。

登記関連費用:抵当権抹消や住所変更など

売却する土地に住宅ローンが残っている場合、抵当権抹消登記が必要です。また、登記簿上の住所が現在と異なる場合は、住所変更登記も行わなければなりません。

登記関連費用の内訳
  • 登録免許税:抵当権抹消登記や住所変更登記にかかる税金で、不動産1個につき1,000円です(ただし、土地と建物の場合はそれぞれ1個と数えます)。
  • 司法書士への報酬:登記手続きを代行する司法書士に支払う手数料で、手続き内容によりますが1万5千円~4万円程度が相場です。

これらの手続きは、取引の安全性を確保するため司法書士に依頼するのが一般的です。

土地家屋調査士への報酬:測量や分筆登記が必要な場合

隣地との境界が未確定の場合や、土地の一部を分割して売却する場合には、土地家屋調査士への依頼が必要になります。

土地家屋調査士に依頼する主なケース
  • 境界確定測量:隣地所有者立ち会いのもと境界を確定させる作業で、費用は土地の状況によりますが30万円~80万円程度が目安です。
  • 分筆登記:一つの土地を複数に分けて登記する手続きで、測量費用に加えて登記費用がかかります。

これらの費用は、売却のために直接要した費用として譲渡費用に計上でき、税金の計算上、譲渡所得から控除することが可能です。

古家の解体費用:更地にして売却する場合の目安

古家付きの土地を更地にして売る場合、建物の解体費用が発生します。費用は建物の構造や面積によって変動します。

構造 費用目安(坪単価)
木造 3万円 ~ 5万円
鉄骨造 4万円 ~ 6万円
鉄筋コンクリート造 6万円 ~ 8万円
建物構造別の解体費用目安(坪単価)

例えば30坪の木造住宅なら、90万円~150万円程度が目安となります。このほか、庭木やブロック塀の撤去など付帯工事費が別途かかる場合があります。解体費用も譲渡費用として認められるため、必ず領収書を保管しておきましょう。

その他の諸費用(譲渡費用として認められるもの)

上記以外にも、売却のために直接かかった費用は譲渡費用として認められます。一方で、資産の維持管理費や個人的な費用は対象外となるため、区別が必要です。

譲渡費用に該当する・しない費用の例
  • 譲渡費用に認められるもの:売却時の立退料、名義書換料、売却のための違約金など。
  • 譲渡費用に認められないもの:固定資産税、修繕費、ハウスクリーニング代、引越し費用など。

どの費用が譲渡費用にあたるか不明な場合は、税務署や税理士に確認しましょう。

宅地売却で発生する税金の種類と計算方法

譲渡所得税・住民税の概要と計算式

不動産を売却して得た利益(儲け)を「譲渡所得」といい、この所得に対して所得税と住民税が課税されます。譲渡所得は以下の計算式で算出します。

譲渡所得 = 譲渡価額(売却価格) - (取得費 + 譲渡費用)

  • 取得費:土地の購入代金や購入時にかかった諸費用など。
  • 譲渡費用:売却時にかかった仲介手数料や印紙税など。

この計算で利益が出ていない(譲渡損失)場合は、原則として課税されません。利益が出た場合でも、特例を適用して控除できることがあります。

土地の所有期間による税率の違い(短期譲渡と長期譲渡)

譲渡所得にかかる税率は、売却した土地の所有期間によって大きく異なります。所有期間は、売却した年の1月1日時点で5年を超えているかどうかで判断されます。

区分 所有期間 所得税 住民税 合計税率
短期譲渡所得 5年以下 30.63% 9% 39.63%
長期譲渡所得 5年超 15.315% 5% 20.315%
所有期間による税率の違い

所有期間が5年を超える「長期譲渡所得」に該当すると、税率が約半分に軽減されます。売却タイミングを検討する際は、この所有期間の判定基準日に注意が必要です。

取得費が不明な場合の計算方法(概算取得費5%ルール)

先祖代々の土地や購入時期が古く、契約書などの資料がなく取得費がわからない場合があります。その際は、売却金額の5%概算取得費として計算することが認められています。

例えば、3,000万円で売却した場合、その5%である150万円を取得費とみなすことができます。ただし、この方法では実際の取得費より低くなることが多く、結果的に税負担が重くなる可能性がある点に留意が必要です。

譲渡所得から差し引ける特別控除の主な種類と適用要件

宅地売却では、一定の要件を満たすことで譲渡所得から一定額を控除できる特例制度が設けられており、税負担を大幅に軽減できる可能性があります。

主な特別控除の例
  • 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除:マイホームを売却した場合に適用でき、譲渡所得から最高3,000万円を控除できます。
  • 公共事業などのために土地建物を売った場合の5,000万円の特別控除:収用などにより土地を売却した場合に適用されます。
  • 特定土地区画整理事業などのために土地を売った場合の2,000万円の特別控除:特定の区画整理事業で土地を売却した場合に適用されます。

これらの特例を受けるためには、必ず確定申告を行う必要があります。

相続した土地を売却する場合の税務上の特例

相続によって取得した土地を売却する際には、税負担を軽減できる特例が用意されています。

相続不動産売却時の主な特例
  • 取得費加算の特例:相続税を納めている場合、相続開始があった日の翌日から3年10ヶ月以内にその土地を売却すると、納めた相続税の一部を取得費に加算できます。
  • 被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の3,000万円特別控除:一定の要件を満たす相続した空き家を売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できます。

どちらの特例も適用には細かな要件があり、確定申告が必須です。

宅地をより有利な条件で売却するためのポイント

正確な売却相場の調べ方(実勢価格と公的価格)

土地の適正価格を把握することは、有利な売却の第一歩です。土地の価格には、市場での取引価格である「実勢価格」のほか、以下のような公的価格があります。

主な公的価格の種類
  • 公示地価:国土交通省が公表する、土地取引の指標となる価格。
  • 基準地価:都道府県が公表する、公示地価を補完する価格。
  • 路線価:国税庁が公表する、相続税や贈与税の算定基準となる価格。
  • 固定資産税評価額:市町村が決定する、固定資産税の算定基準となる価格。

実勢価格は公示地価を参考とすることが多いですが、個別の事情や市場動向で変動します。公的価格を参考にしつつ、国土交通省の「土地総合情報システム」で実際の取引事例を調べたり、複数の不動産会社に査定を依頼したりして、多角的に相場を把握しましょう。

信頼できる不動産会社の選び方と複数社比較の重要性

売却の成否は、パートナーとなる不動産会社の力量に大きく依存します。信頼できる会社を見つけるためには、複数の不動産会社に査定を依頼し、以下の点を比較検討することが重要です。

不動産会社選びのチェックポイント
  • 査定価格の根拠:価格の算出根拠を論理的かつ具体的に説明できるか。
  • 売却実績:売却予定地周辺のエリアでの取引実績が豊富か。
  • 販売戦略:物件の特性に合わせた具体的な販売プランを提案してくれるか。
  • 担当者の対応:対応が迅速・丁寧で、親身に相談に乗ってくれるか。

査定額の高さだけで選ぶのではなく、総合的な対応力を見極めて依頼先を決定しましょう。

媒介契約3種(一般・専任・専属専任)の特徴と選び方

不動産会社との媒介契約には3種類あり、それぞれにメリット・デメリットがあります。売却方針や物件の特性に合わせて最適な契約形態を選ぶことが大切です。

契約形態 おすすめのケース メリット デメリット
一般媒介 人気エリアの物件や、広く情報を拡散したい場合 複数の会社に依頼でき、競争を促せる 会社の販売活動が手薄になる可能性がある
専任媒介 1社に絞ってじっくり販売活動を任せたい場合 定期的な報告があり、活動状況を把握しやすい 1社の販売力に依存する
専属専任媒介 早期売却を目指し、積極的に販売してほしい場合 報告頻度が高く、最も手厚いサポートが期待できる 自己発見取引が禁止される
媒介契約3種の特徴と選び方のポイント

売却する土地の価値を高めるための対策(整地・境界確定など)

少しでも高く、早く売却するために、土地の印象を良くする対策を講じましょう。

土地の価値を高める主な対策
  • 境界の確定:土地家屋調査士に依頼して隣地との境界を明確にすることで、買主の不安を取り除き、取引をスムーズにします。
  • 敷地の清掃:雑草の除去やゴミの片付けを行い、清潔な状態を保ちます。見た目の印象は購買意欲に大きく影響します。
  • 丁寧な整地:更地で売る場合、解体後に土地を平らにならしておくことで、買主が新築後のイメージをしやすくなります。

これらの対策は、買主にとっての安心感や魅力を高め、結果的に有利な条件での売却につながります。

内覧希望者への効果的なアピール方法と注意点

内覧は、購入を決定づける重要な機会です。効果的なアピールで成約の可能性を高めましょう。

内覧時のアピールポイントと注意点
  • 清潔感を保つ:更地でも草刈りなどを行い、管理が行き届いている印象を与えます。
  • ポジティブな情報を伝える:日当たりや周辺環境の利便性など、その土地ならではの魅力を具体的に伝えます。
  • ネガティブな情報も誠実に開示する:越境物の存在など、マイナス面も隠さず正直に伝えることが、後のトラブル防止と信頼関係の構築につながります。

古家付きで居住中の場合は、室内の整理整頓や清掃を徹底し、明るく開放的な空間を演出することが大切です。

【状況別】宅地売却で押さえておくべき注意点

古家付き土地を売却する場合:解体と現状渡しの判断基準

古家付き土地の売却では、「解体して更地で売る」か「現状のまま売る」かを選択します。それぞれのメリット・デメリットを比較し、物件の状態や市場のニーズに合わせて判断しましょう。

メリット デメリット
更地渡し 買主がすぐに建築でき、売れやすい傾向がある。地中埋設物などのリスクを事前に確認できる。 解体費用を売主が負担する必要がある。固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなり、負担が増える可能性がある。
現状渡し 解体費用がかからない。固定資産税の住宅用地特例が継続される可能性がある。 買主が解体費用分を値引交渉してくる可能性がある。建物の不具合に対する契約不適合責任を負う可能性がある。
「更地渡し」と「現状渡し」の比較

相続した土地を売却する場合:遺産分割協議と名義変更

相続した土地を売却するには、まず相続人全員で遺産分割協議を行い、誰が土地を相続するかを決定し、その内容を遺産分割協議書にまとめる必要があります。その後、法務局で相続登記を行い、土地の名義を被相続人(故人)から相続人へ変更しなければ売却活動は開始できません。相続登記は2024年4月から義務化されており、手続きには時間がかかるため、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

共有名義の土地を売却する場合:共有者全員の同意が必要

一つの土地を複数人で共有している場合、土地全体を売却するためには共有者全員の同意が不可欠です。一人でも反対者がいると売却はできません。売買契約時には、共有者全員が署名・捺印し、実印と印鑑証明書を用意する必要があります。共有者間での意見調整が難しい場合はトラブルに発展しやすいため、売却の方針について事前にしっかりと話し合い、合意形成を図ることが重要です。

住宅ローンが残っている土地を売却する場合:抵当権抹消手続き

住宅ローンが残っている土地には、金融機関の抵当権が設定されています。この抵当権を抹消しない限り、土地を売却することはできません。通常、決済時に買主から受け取る売却代金でローン残債を一括返済し、司法書士が抵当権抹消登記の手続きを行います。売却価格がローン残債を下回る「オーバーローン」の場合は、不足分を自己資金で補填する必要があります。

農地や市街化調整区域の土地を売却する場合の法規制

農地や市街化調整区域の土地を売却する際は、特別な法規制に注意が必要です。

特殊な土地の売却における注意点
  • 農地:宅地など農地以外の目的で売却する場合、原則として農地転用の許可が必要となる場合があります。許可がなければ売買契約は無効となるため、事前に農業委員会への確認が欠かせません。
  • 市街化調整区域:原則として建物の建築が制限されているエリアです。売却は可能ですが、買い手が限定されるため、売却が難しいケースが多くなります。自治体への確認や、専門知識を持つ不動産会社への相談が必須です。

契約不適合責任への備え(地中埋設物・土壌汚染など)

売却後に、契約書に記載のない不具合(地中埋設物、土壌汚染など)が見つかった場合、売主は買主に対して契約不適合責任を負う可能性があります。この責任を問われると、追完請求、代金減額、損害賠償、契約解除などを求められるリスクがあります。

トラブルを避けるため、判明している不具合は事前にすべて買主へ告知し、契約書に明記することが重要です。また、個人間売買の場合は責任範囲を限定する特約を設けることも有効な対策です。

宅地売却に関するよくある質問

売却が完了するまで、どのくらいの期間がかかりますか?

一般的に、売却活動を開始してから決済・引き渡しが完了するまでの期間は3ヶ月から6ヶ月程度が目安です。ただし、これはあくまで目安であり、物件の価格、立地条件、市場の動向などによって大きく変動します。需要の高い物件であれば1ヶ月程度で売れることもあれば、1年以上かかるケースもあります。売却期限がある場合は、不動産会社にその旨を伝え、計画的に進めることが重要です。

古家は解体してから売るべきですか、そのままでも売れますか?

どちらの選択肢にもメリット・デメリットがあります。建物の状態が良く、リフォームすれば十分に住める場合や、古民家としての価値がある場合は、古家付きのまま売却する方が有利なことがあります。一方で、建物が老朽化しており価値が見込めない場合や、土地としての需要が高いエリアでは、解体して更地にする方が買い手を見つけやすくなります。まずは古家付きで売り出し、買主の反応を見ながら解体を検討するのも一つの方法です。

不動産会社の査定は無料ですか?複数社に依頼すべきですか?

不動産会社が行う売却査定は原則として無料です。これは、不動産会社にとって査定が売却依頼(媒介契約)を獲得するための営業活動の一環だからです。査定額や販売戦略は会社によって異なるため、適正な売却価格を把握し、信頼できるパートナーを選ぶためにも、3社以上の複数社に査定を依頼し、比較検討することをおすすめします。

地方や田舎にある土地でも売却は可能ですか?

はい、可能です。ただし、都市部に比べて買主の需要が限られるため、売却に時間がかかったり、希望価格での売却が難しかったりする場合があります。成功のポイントは以下の通りです。

地方の土地を売却するポイント
  • 地元の不動産事情に詳しい、地域密着型の不動産会社に相談する。
  • 自治体が運営する「空き家バンク」に登録する。
  • 隣地の所有者に購入を打診してみる。
  • 相続土地国庫帰属制度の利用を検討する(要件あり)。

売却で利益が出なかった場合でも確定申告は必要ですか?

売却によって損失が出た(譲渡損失)場合、確定申告の義務はありません。しかし、マイホームの買い替えなどで一定の要件を満たす場合は、確定申告をすることで「譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」を利用できます。この特例を適用すると、給与所得など他の所得と損失を相殺でき、所得税や住民税の還付を受けられる可能性があります。メリットがあるかどうかを確認し、申告を検討しましょう。

「仲介」と「買取」の違いは何ですか?どちらを選ぶべき?

「仲介」と「買取」は売却方法が根本的に異なります。それぞれの特徴を理解し、ご自身の状況に合わせて選択しましょう。

項目 仲介 買取
売却価格 市場価格に近い価格が期待できる 市場価格の7~8割程度になることが多い
売却スピード 買主が見つかるまで時間がかかる(3ヶ月~) 早く現金化できる(数日~数週間)
仲介手数料 必要 不要
契約不適合責任 原則として売主が負う 免責されることが多い
向いている人 時間をかけてでも高く売りたい人 早く、確実に売却したい人
「仲介」と「買取」の比較

まとめ:宅地売却を成功に導くための第一歩

本記事では、宅地売却の全手順から費用、税金、そして成功のポイントまでを網羅的に解説しました。宅地売却は、事前準備から確定申告まで多くのステップを踏む複雑な手続きですが、全体の流れを理解することで、計画的に進めることができます。特に、適正な売却価格を把握するための相場調査と、信頼できる不動産会社選びが成功の鍵を握ります。まずはご自身の土地に関する書類を揃え、複数の不動産会社に査定を依頼することから始めてみましょう。税金の特例など専門的な判断が必要な場面では、専門家へ相談することが、後悔のない売却につながります。

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