FortiGateの脆弱性が狙われる理由と対策|自社の影響確認と防御策
FortiGateの脆弱性を狙ったサイバー攻撃が相次いでおり、自社は大丈夫かと不安を感じているシステム管理者の方も多いのではないでしょうか。広く普及しているFortiGateは常に攻撃者の標的となっており、脆弱性を放置すればランサムウェア感染など事業継続を脅かす深刻な被害に直結する可能性があります。この記事では、FortiGateが狙われる理由から、自社の影響範囲を確認する方法、そして具体的な対策手順までを網羅的に解説します。
なぜFortiGateは狙われるのか
世界的なシェアの高さと影響範囲
FortiGateがサイバー攻撃の標的となりやすい最大の理由は、その世界的な市場シェアの高さにあります。攻撃者にとって、広く普及している製品の脆弱性を狙うことは非常に効率的です。なぜなら、一度攻撃手法を確立すれば、同じ方法で世界中の多数の企業に攻撃を仕掛けられるためです。FortiGateは、ファイアウォールやVPNといった複数のセキュリティ機能を一台に集約した統合脅威管理(UTM)製品として、国内外で長年高いシェアを誇ります。小規模オフィスから大企業まで、あらゆる環境で稼働しているため、新たな脆弱性が発見されると、攻撃者は自動化ツールでインターネット上をスキャンし、対策が遅れている機器を世界中から探し出します。この結果、特定の業種や企業規模を問わず、サプライチェーンを構成する中小企業も含めて無差別に攻撃の対象となるのです。したがって、FortiGateを利用する企業は、その利便性の裏側で常に攻撃者から狙われているという事実を認識し、厳格なリスク管理を行う必要があります。
ネットワーク境界を守る重要機器だから
FortiGateが標的となるもう一つの理由は、企業ネットワークの出入り口を守る境界防御の中核を担う、極めて重要な機器であるためです。ファイアウォールやVPN装置は、安全な内部ネットワークと危険なインターネットを隔てる「関所」の役割を果たします。攻撃者から見れば、この関所を突破できれば、内部ネットワークへの侵入や機密情報の窃取が格段に容易になります。FortiGateが侵害され管理権限を奪われると、攻撃者は通信ルールを不正に変更して内部への侵入口を確保し、Active Directoryなどの認証基盤やファイルサーバーへと攻撃範囲を拡大(横展開)します。最終的にはランサムウェアを展開してシステム全体を暗号化するなど、事業継続を脅かす甚大な被害を引き起こすことが可能です。実際に、境界防御機器の侵害が原因で、企業全体の業務が長期間停止する事案が後を絶ちません。FortiGateは企業のセキュリティの要であると同時に、突破された場合の影響が致命的となる「アキレス腱」でもあるのです。
SSL-VPN機能が外部に公開されやすい
FortiGateに搭載されているSSL-VPN機能が、インターネット上に常時公開されやすい運用実態も、攻撃者に狙われる大きな要因です。SSL-VPNは、専用ソフトなしでウェブブラウザから社内ネットワークに接続できる利便性から、特にテレワークの普及に伴い多くの企業で導入されました。しかし、外部からの接続を受け付けるためには、インターネットに向けて特定のポートを開放し続ける必要があり、これが攻撃者に絶好の攻撃の糸口を与えてしまいます。FortiGateのSSL-VPN機能は、認証や暗号化といった複雑な処理を一台で担うため、構造が複雑になりがちで、過去にも認証を回避されたり、任意のプログラムを実行されたりする致命的な脆弱性が繰り返し発見されてきました。攻撃者は、パッチが未適用の機器を自動スキャンで探し出し、即座に攻撃を仕掛けます。特に、多要素認証(MFA)が設定されていない場合、窃取したIDとパスワードだけで正規ユーザーとして簡単に侵入されてしまいます。利便性の高いSSL-VPNですが、その特性上、常に厳重な管理が求められます。
パッチ適用が遅れがちな運用実態
脆弱性に対するセキュリティパッチの適用が遅れがちであるという運用上の実態が、攻撃者に付け入る隙を与えています。FortiGateのようなネットワークの中核を担う機器のファームウェアを更新する際、多くの場合で再起動が必要となり、一時的な通信断が発生します。この通信断が全社的な業務停止に直結することを懸念し、情報システム部門はパッチ適用に慎重にならざるを得ません。その結果、脆弱性が公表されてから、影響範囲の調査、検証、関係部署との調整などを経て実際にパッチが適用されるまで、数週間から数ヶ月のタイムラグが生じることが珍しくありません。攻撃者はこの「無防備な期間」を熟知しており、脆弱性情報が公開されると数日以内に攻撃コードを作成し、未対策の機器に対して一斉に攻撃を開始します。業務継続性を優先するあまりパッチ適用が後回しになる運用こそが、攻撃を成功させる最大の要因であり、迅速なパッチ適用を可能にする体制の見直しが急務です。
近年の主要な脆弱性と被害事例
認証回避の脆弱性(例:CVE-2022-40684)
FortiGateで特に深刻な被害をもたらすのが、正規の認証手続きを経ずに管理画面の制御を奪われる「認証回避」の脆弱性です。この脆弱性を悪用されると、攻撃者はIDやパスワードを知らなくても、システムの最高権限である管理者権限を不正に取得できてしまいます。2022年に公表されたCVE-2022-40684という脆弱性では、管理インターフェースに特殊なリクエストを送信するだけで認証をバイパスし、不正な管理者アカウントを作成したり、外部から内部ネットワークへの通信を許可するルールを追加したりといった操作が可能になりました。一度管理権限を握られると、攻撃者は内部ネットワークを自由に探索し、機密情報を盗み出したり、さらなる攻撃の足場として利用したりします。正規の管理者が気づかないうちに行われるため発見が遅れやすく、システムの根幹を掌握される極めて危険な脆弱性です。このようなリスクを避けるため、管理画面へのアクセスは内部ネットワークに限定するなどの根本的な対策が不可欠です。
SSL-VPN関連の脆弱性(例:CVE-2023-27997)
テレワークの基盤として広く利用されるSSL-VPN機能に関連する脆弱性も、甚大な被害を引き起こす主要な原因です。この機能は構造上インターネットに直接公開されているため、脆弱性が発見されると世界中の機器が即座に攻撃対象となり、内部ネットワークへの直接的な侵入経路として悪用されます。2023年に報告されたCVE-2023-27997は、SSL-VPN機能のメモリ処理の不備を突く深刻な脆弱性で、攻撃者は認証を通過する前の段階で悪意のあるプログラムを実行できました。実際にこの脆弱性を悪用した攻撃グループは、企業ネットワークへの侵入後、認証情報を窃取し、最終的にランサムウェアを展開して業務システム全体を暗号化するなどの壊滅的な被害をもたらしました。SSL-VPNの脆弱性は、単なる機能不全にとどまらず、企業の事業継続そのものを脅かす引き金となるため、迅速なパッチ適用が強く求められます。
脆弱性を悪用した攻撃の典型的な流れ
FortiGateの脆弱性を悪用した攻撃は、無差別な探索から始まり、長期間の潜伏を経て、最終的に深刻な被害をもたらすという段階的なプロセスをたどります。攻撃者は効率的に目的を達成するため、以下のような手順で攻撃を進めます。
- インターネット全体を対象に、脆弱性が放置されたFortiGateを自動スキャンで探し出す。
- 脆弱性を悪用して機器の制御を奪い、不正な管理者アカウントの作成やバックドア(裏口)を設置する。
- すぐには破壊活動を行わず、数週間から数ヶ月にわたりネットワーク内に潜伏し、内部の情報を探索する。
- Active Directoryなどを侵害して管理者権限を奪取し、機密情報を外部サーバーへ窃取する。
- 十分な準備が整った段階で、ランサムウェアを一斉に展開し、サーバーや端末のデータを暗号化して事業を停止させる。
- 盗み出した情報の公開と引き換えに、データの復旧費用として巨額の身代金を要求する(二重脅迫)。
自社の影響範囲を確認する方法
利用中のFortiOSバージョンを確認する
自社が脆弱性の影響を受けるか否かを確認する最初のステップは、稼働中のFortiGateのOSであるFortiOSのバージョンを正確に把握することです。脆弱性情報は特定のOSバージョンに紐づけて公開されるため、自社のバージョンが該当するかを特定しなければ、対策の要否を判断できません。バージョン情報は、Webブラウザでアクセスする管理画面(GUI)のダッシュボードや、コマンドラインインターフェース(CLI)から確認できます。冗長化構成を組んでいる場合は、主系・待機系の両方の機器でバージョンを確認し、すべての機器が安全な状態かを確かめる必要があります。バージョン情報の正確な把握は、すべてのセキュリティ対策の起点となります。
脆弱性情報(PSIRT)と照合する手順
自社のOSバージョンを把握したら、次にFortinet社が公式に発表している脆弱性対策情報(PSIRTアドバイザリ)と照合します。インターネット上の不確かな情報ではなく、製造元の公式情報に基づいて影響を判断することが、的確な対応をとる上で不可欠です。公式アドバイザリには、脆弱性に関する重要な情報が記載されています。
- 脆弱性を一意に識別するCVE番号
- 脆弱性の深刻度を示すCVSSスコア
- 影響を受ける製品およびOSのバージョン範囲
- 問題を解決するための修正済みバージョン
これらの情報と自社のバージョンを照らし合わせ、該当するかを確認します。もし該当する場合でも、自社で利用していない機能(例: SSL-VPN)に関する脆弱性であれば、リスクは限定的と判断できる場合があります。公式情報と自社の利用状況を冷静に照らし合わせることが、適切な対応方針を決定する鍵となります。
攻撃の痕跡(IoC)がないか調査する
使用中のバージョンが脆弱性の影響を受けると判明した場合、パッチを適用する前に、すでに攻撃者が侵入した痕跡(IoC: Indicator of Compromise)がないか調査することが極めて重要です。もし攻撃者がすでにバックドア等を設置していた場合、パッチを適用して脆弱性の入り口を塞ぐだけでは、侵入者を内部に残したままとなり、根本的な解決になりません。機器のログを分析し、以下のような不審な点がないかを確認します。
- 見覚えのない管理者アカウントが作成されていないか
- 管理画面へのアクセス許可設定が意図せず変更されていないか
- 深夜など、通常業務外の時間帯に不審なログインや設定変更の記録がないか
- 過去の事例で報告されているような、特定の名称を持つ不正アカウントが存在しないか
攻撃の痕跡を早期に発見し対処することは、ランサムウェアなどの深刻な被害を未然に防ぐために不可欠なプロセスです。
脆弱性への具体的な対策手順
緊急対策と恒久対策の考え方
脆弱性が判明した場合、「緊急対策」と「恒久対策」の二段構えで対応を進めることが重要です。ファームウェアのアップデートといった恒久対策は、検証や業務調整に時間がかかるため、その間に攻撃を受けるリスクを最小限に抑えるための即時的な措置が必要となります。
| 対策の種類 | 目的 | 具体例 |
|---|---|---|
| 緊急対策 | 攻撃経路を即座に遮断し、被害の発生を回避する(時間稼ぎ) | 脆弱性のある機能の一時停止、アクセス元IPアドレスの制限 |
| 恒久対策 | 脆弱性の根本原因を排除し、システムを安全な状態に戻す | 修正済みファームウェアの適用、セキュリティ設定の強化 |
まず緊急対策でリスクを低減させ、その上で計画的に恒久対策を実施するという段階的なアプローチが、安全かつ確実なシステム保護につながります。
ファームウェアのアップデート手順と注意点
恒久対策の要であるファームウェアのアップデートは、システムを安全な状態に戻す最も確実な方法ですが、業務への影響を避けるため慎重な手順が求められます。以下の手順と注意点を守ることで、安全に作業を実施できます。
- 作業前に、現在の設定情報とシステム状態のバックアップを必ず取得する。
- 製造元が公開しているリリースノートを確認し、現在のバージョンから目標バージョンへの正しいアップグレードパス(更新経路)を把握する。
- 可能であれば、本番環境と近い構成の検証用機器で、事前にアップデートのテストを実施する。
- 冗長化構成を組んでいる場合は、待機側の機器(スタンバイ機)から先に更新し、動作確認後に本番機と切り替える。
事前の準備と正しい手順の遵守が、安全なアップデートを実現する上で不可欠です。
管理画面へのアクセスを制限する
FortiGateを安全に運用するための基本原則は、管理画面へのアクセスを必要最小限に厳格に制限することです。認証回避をはじめとする多くの脆弱性は管理インターフェースを標的とするため、インターネットから誰でもアクセスできる状態は極めて危険です。原則として、外部(インターネット側)からの管理画面へのアクセスはすべて無効にし、社内の特定の管理用ネットワークからのみ操作を許可するように設定します。やむを得ず外部からアクセスする必要がある場合も、接続を許可するIPアドレスを特定の拠点のものに限定するなど、信頼できる通信元に絞り込みます。また、管理用ポートの番号を初期設定から変更することも、自動スキャンによる攻撃を回避する上で有効です。管理画面への到達性を制限することは、多くの攻撃を根本から防ぐ最も効果的な対策の一つです。
多要素認証(MFA)を有効化する
管理者アカウントやVPN利用者の認証には、多要素認証(MFA)を導入することが必須の対策です。IDとパスワードだけの認証では、それらが漏えいした場合に簡単になりすましを許してしまいます。多要素認証は、パスワードなどの「知識情報」に加え、スマートフォンアプリで生成されるワンタイムパスワードなどの「所有情報」を組み合わせることで、本人確認を強化する仕組みです。万が一パスワードが攻撃者に知られても、第二の認証要素がなければログインできないため、不正アクセスを強力に防ぐことができます。特に、外部からの接続口となるSSL-VPNでは、すべての利用者に対してMFAを義務付けることが強く推奨されます。
SSL-VPNの公開範囲を最小化する
SSL-VPN機能を利用する際は、その公開範囲を業務上必要な最小限に絞り込むことが重要です。不要なアカウントや接続経路を放置することは、攻撃者に侵入の機会を与え続けることになります。以下の対策を実施し、攻撃対象領域を減らしましょう。
- 退職者やテスト用など、不要になったアカウントは速やかに削除または無効化する。
- 業務上アクセスが不要な国や地域からの通信を、Geo-IPフィルタリング機能で地理的に遮断する。
- 長期間利用実績のないVPN接続プロファイルなどを定期的に見直し、不要なものは無効化する。
公開範囲を徹底的に絞り込むことで、攻撃者が侵入を試みる余地を大幅に減らすことができます。
パッチ適用後に確認すべき侵害の痕跡
ファームウェアのアップデート作業が完了した後も、システムが侵害されていなかったかを改めて確認する監査作業が重要です。なぜなら、パッチを適用する前に攻撃者がすでに侵入し、パッチ適用後も活動を継続できるようなバックドア等を設置している可能性があるためです。更新前と更新後の設定ファイルを比較し、管理者が意図しない不審な通信ルールや、見知らぬ管理者アカウントが存在しないかを精査します。この最終確認は、潜伏する脅威を確実に取り除き、システムを真に安全な状態に戻すための最後の砦となります。
継続的なセキュリティ体制の構築
脆弱性情報の定期的な収集フローを確立する
新たな脅威から組織を守り続けるためには、脆弱性情報を継続的に収集し、関係者間で共有するフローを確立することが不可欠です。脆弱性情報は日々更新されるため、受動的な姿勢では重大な情報を見落とし、対応が手遅れになるリスクがあります。情報システム部門は、Fortinet社の公式サイトや、IPA、JPCERT/CCといった公的機関からの情報配信サービスに登録し、最新情報を能動的に入手する仕組みを整えるべきです。そして、収集した情報の影響度を速やかに評価し、経営層や関連部署へ報告するエスカレーションルートを事前に定めておくことが重要です。
パッチ適用の運用ルールを策定する
迅速なパッチ適用と業務への影響最小化を両立させるため、明確なパッチ適用ルールを事前に策定しておく必要があります。ルールがないと、脆弱性が発覚するたびに対応方針の決定に時間がかかり、危険な状態が長引いてしまいます。ルールには、以下のような項目を盛り込むことが推奨されます。
- 脆弱性の深刻度に応じた対応目標時間(例:緊急の場合は72時間以内)
- 更新作業の標準的な手順書
- 事前の動作検証に関する方針と手順
- 万が一障害が発生した際の切り戻し(復旧)手順
基準と手順を明文化しておくことで、担当者のスキルに依存せず、誰でも安全かつ迅速に対応できる体制を構築できます。
設定変更の管理と監査体制を整備する
意図しない設定変更や攻撃者による改ざんを早期に検知するため、設定変更の管理と定期的な監査体制を整備することが重要です。ネットワーク機器の設定ファイル(コンフィグ)を定期的に自動でバックアップし、世代管理を行います。設定変更が行われた際には、前回の設定との差分を自動で比較・通知する仕組みを導入することで、不正なルール追加などを即座に発見できます。また、定期的に第三者の視点で設定内容を監査し、社内のセキュリティポリシーを遵守しているか、不要なポートが開放されていないかなどを確認するプロセスも有効です。
運用委託先(SIer等)との連携と確認事項
システムの運用を外部のSIer(システムインテグレーター)などに委託している場合、脆弱性対応における役割分担と責任範囲を契約や仕様書で明確に定めておくことが極めて重要です。両者の認識に齟齬があると、互いに相手が対応するものと思い込み、結果として脆弱性が放置される事態を招きかねません。有事に迅速な連携がとれるよう、平時から確認しておくべきです。
- 脆弱性情報の収集と一次分析はどちらが担当するか
- パッチ適用の要否を判断する責任者と基準
- 緊急メンテナンスが発生した場合の作業費用は保守契約に含まれるか
- 対応結果の報告形式と報告期限
よくある質問
最新の脆弱性情報はどこで確認すべきですか?
最新かつ正確な脆弱性情報は、製造元であるFortinet社の公式発表や、公的なセキュリティ機関から入手するのが最も確実です。ニュースサイトやSNSの情報は速報性に優れますが、技術的な詳細や正確性に欠ける場合があります。以下の一次情報源を定期的に確認することを推奨します。
- Fortinet PSIRT Advisories: Fortinet社の製品セキュリティ対応チームによる公式情報
- 情報処理推進機構(IPA): 国内のITセキュリティに関する注意喚起や情報提供
- JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC): セキュリティインシデント対応を支援する組織からの注意喚起
SSL-VPNの脆弱性が特に危険視されるのはなぜですか?
SSL-VPNの脆弱性が特に危険視されるのは、その機能が持つ構造的な特性に起因します。
- インターネットへ直接公開されている: 攻撃者にとって発見しやすく、常に攻撃の脅威にさらされている。
- 境界防御の最前線にある: ファイアウォール自体に備わった機能のため、突破されると他の防御層が存在しない。
- 内部ネットワークへの侵入口となる: 認証を突破されると内部への広範囲なアクセスを許し、被害が深刻化しやすい。
これらの理由から、SSL-VPNの脆弱性は企業のセキュリティにおける重大なリスクと位置づけられています。
パッチ適用時の業務影響を避ける注意点は?
パッチ適用による業務停止などのリスクを最小限に抑えるには、入念な事前準備と計画的な手順が不可欠です。無計画な作業は深刻なシステム障害を引き起こす可能性があります。特に以下の点に注意してください。
- 作業直前に、いつでも元の状態に復旧できるよう設定のバックアップを必ず取得する。
- 製造元が提供するリリースノートを確認し、正しいアップグレード手順(パス)を遵守する。
- 可能であれば、本番と同じ構成の検証環境でリハーサルを行い、影響を事前評価する。
- 冗長化構成の場合は、待機系(スタンバイ機)から段階的に適用し、動作を確認しながら切り替える。
ゼロデイ攻撃に対しパッチ提供前にできることは?
製造元から修正パッチが提供される前の脆弱性を狙う「ゼロデイ攻撃」に対しては、システムそのものの欠陥を修正できないため、攻撃経路を遮断する「回避策」を講じることが最も直接的な防御手段となります。脆弱性のある箇所に攻撃者が到達できないように、運用でカバーする考え方です。
- 脆弱性があるとされる機能を一時的に無効化する。
- 機能の無効化が困難な場合は、接続を許可するIPアドレスを信頼できるものに厳しく制限する。
- 関連するアカウントに対して多要素認証(MFA)を強制し、認証を強化する。
- 関連する機器の監視レベルを引き上げ、不審な通信や操作のログがないか通常以上に警戒する。
まとめ:FortiGateの脆弱性リスクを理解し、継続的なセキュリティ体制を構築する
FortiGateはその世界的なシェアの高さとネットワーク境界を守る重要性から、常にサイバー攻撃の標的となっています。特にSSL-VPN機能などの脆弱性を悪用されると、ランサムウェア感染といった事業継続を脅かす深刻な被害に直結する可能性があります。まずは自社で利用中のFortiOSバージョンを正確に把握し、Fortinet社の公式情報と照らし合わせて影響範囲を確認することが対策の第一歩です。その上で、管理画面へのアクセス制限や多要素認証の導入といった緊急対策を講じつつ、計画的にファームウェアのアップデートを実施することが重要です。本記事で紹介した内容は一般的な対策であり、個別の環境に応じた最適な判断が求められるため、対応に不安がある場合は運用委託先やセキュリティ専門家へ相談することを推奨します。

