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信用保証協会で経営者保証を外すには?免除の要件・手続きと注意点

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信用保証協会を利用した融資を検討する際、経営者保証を外したいと考えている経営者や財務担当者の方は多いでしょう。経営者保証は、万が一の際に事業リスクが個人資産に及ぶ重い負担ですが、一定の要件を満たすことで免除できる制度が存在します。この記事では、信用保証協会で経営者保証を外すための具体的な制度、財務やガバナンスに関する要件、手続きの流れ、そしてメリット・デメリットについて詳しく解説します。

経営者保証を外せる制度とは

信用保証協会における経営者保証の位置づけ

信用保証協会における経営者保証は、企業の信用力を補完し、金融機関からの円滑な資金調達を可能にする重要な役割を担っています。特に、創業期や財務基盤が脆弱な中小企業にとって、経営者個人の信用力は事業の継続に不可欠です。万が一、法人が返済不能となった場合に経営者個人が返済義務を負うことで、金融機関は貸倒れリスクを軽減でき、融資の判断がしやすくなります。しかし、この保証は経営者にとって個人の全財産を失いかねないという極めて重い負担となる側面も併せ持っています。

事業者選択型経営者保証非提供制度の概要

事業者選択型経営者保証非提供制度とは、一定の要件を満たす中小企業が、信用保証料を上乗せして支払うことで経営者保証を提供せずに信用保証制度を利用できる仕組みです。この制度は、経営者保証に依存しない融資慣行の確立を促し、中小企業の思い切った事業展開や円滑な事業承継を後押しすることを目的としています。利用するには、財務状況の健全性や、法人と経営者個人の資産が明確に分離されていることなどの要件を満たす必要があります。これらの要件をクリアすることで、経営者は個人資産を事業リスクから切り離し、経営に専念できるようになります。

保証免除の対象となる主な要件

①財務状況に関する要件

経営者保証を免除するためには、法人単体の資産や収益力で借入金を返済できる能力があることを客観的に示す必要があります。経営者個人の資産に頼ることなく、事業として自立していることが不可欠です。具体的には、以下のいずれかの財務基準を満たすことが求められます。

主な財務要件
  • 直近の決算において債務超過でないこと
  • 直近2期連続で減価償却前経常利益が赤字でないこと

これらに加え、業績が安定しており、事業から生み出されるキャッシュフローが潤沢であることなども総合的に評価されます。

②法人と個人の分離に関する要件

法人と経営者個人の資産や経理が明確に区分・分離されていることが厳しく求められます。これは、経営者による会社の私物化を防ぎ、法人格の独立性を担保することで、金融機関が企業の経営実態を正確に評価できるようにするためです。

主な分離要件
  • 役員貸付金など、事業と関係のない法人から経営者個人への資金流出がないこと
  • 役員報酬や配当などが、社会通念上、適切な範囲内であること
  • 経営者個人の資産を事業で利用する際は、適切な賃貸借契約を結ぶなど公私の区別が徹底されていること

これらの要件を満たし、法人と個人の一体性を解消することが不可欠です。

③ガバナンスと情報開示の要件

金融機関からの信頼を得て保証を免除してもらうには、経営の透明性を確保し、求めに応じて財務情報を適時適切に開示する姿勢が不可欠です。情報開示が不十分だと、金融機関は経営状況を正確に把握できず、リスクを懸念して経営者保証を求めざるを得ません。

主な情報開示要件
  • 過去2年間、金融機関の要請に応じて決算書や試算表などを提出していること
  • 今後も継続して情報開示を行うことを書面で誓約すること

信頼関係の基礎となる、透明性の高い経営管理体制の構築が必須となります。

「法人と個人の一体性」解消に向けた実務上のポイント

法人と個人の一体性を解消するには、日々の経理処理から公私混同をなくし、第三者が見ても明確に区別できる状態を作ることが重要です。金融機関からの信用を損なわないため、以下のような具体的な取り組みが求められます。

実務上のポイント
  • 事業で使用する資産(本社、工場、営業車など)は、個人所有から法人所有へ移行する
  • 経営者への個人的な貸付金が存在する場合は、返済計画を立てて速やかに解消する
  • 個人の飲食代や遊興費などを会社の経費として処理しない、といった基本的な経理ルールを徹底する

日々の適切な経理運用が、保証解除に向けた信頼構築の第一歩となります。

保証免除の手続きと流れ

ステップ1:金融機関への事前相談

保証免除の手続きは、まず取引のある金融機関への事前相談から始めます。保証解除を目指すためには、金融機関の理解と協力が不可欠だからです。相談の際には、会社の現在の財務状況、これまでの改善努力、そして保証を外したい理由などを具体的に説明し、金融機関と目的を共有することが重要ですいます。時間に余裕を持って相談し、方針のすり合わせを行いましょう。

ステップ2:信用保証協会への保証申込

金融機関との事前協議が整ったら、金融機関を経由して信用保証協会へ保証の申し込みを行います。この際、通常の保証申込書類に加え、保証免除の要件を満たしていることを示すための専用書式を提出する必要があります。代表的な書類として「事業者選択型経営者保証非提供制度要件確認書兼誓約書」があり、これによって法人個人の分離状況や今後の情報開示への同意を正式に表明します。

ステップ3:審査と保証の決定

提出された書類一式をもとに、信用保証協会および金融機関が厳格な審査を実施します。審査では、財務状況、法人と個人の分離、情報開示の姿勢などが、制度の要件に合致しているかが総合的に判断されます。審査を通過すると、保証料の上乗せ率などの条件が提示され、双方が合意に至れば、経営者保証の付かない新たな保証契約が正式に締結されます。

提出が必要となる主な書類

保証免除の申請手続きでは、企業の経営実態を客観的に示すため、主に以下の書類の提出が求められます。

主な提出書類
  • 直近2期分の決算書および税務申告書
  • 直近の試算表および資金繰り表
  • 事業計画書
  • 事業者選択型経営者保証非提供制度要件確認書兼誓約書
  • その他、金融機関や保証協会が個別に指定する書類

保証を外すメリットとデメリット

メリット:事業リスクと個人資産の分離

経営者保証を外す最大のメリットは、事業の失敗によるリスクと経営者個人の資産を完全に切り離せる点です。これにより、経営者は安心して事業活動に専念でき、以下のような効果が期待できます。

主なメリット
  • 個人資産の保全:万が一会社が倒産しても、経営者やその家族が私財を失う事態を回避できます。
  • 積極的な経営判断:失敗を過度に恐れる必要がなくなり、リスクを伴う新規事業への挑戦など、思い切った経営判断がしやすくなります。
  • 円滑な事業承継:後継者が個人保証の重圧を負うことなく経営を引き継げるため、世代交代がスムーズに進みます。

デメリット:保証料の上乗せとその影響

保証を外すことの主なデメリットは、信用保証料の上乗せによるコスト負担の増加です。経営者保証という信用補完がなくなる分、金融機関や信用保証協会が負うリスクを、追加の保証料でカバーするためです。このコスト増は、企業のキャッシュフローを圧迫する可能性があります。ただし、財務状況が良好なほど上乗せ率は低く抑えられ、国による時限的な保証料補助制度などを活用することで、実質的な負担を軽減できる場合もあります。

保証免除後の金融機関モニタリングと情報開示の重要性

保証が免除された後も、その状態を維持するためには、金融機関による定期的なモニタリングを受け入れ、継続的な情報開示を行うことが極めて重要です。保証がない状態では、企業が自立して健全な経営を続けていることを証明し続けなければなりません。

保証免除後に求められること
  • 定期的な財務報告:年に一度の決算報告だけでなく、四半期ごとの試算表や資金繰り表などを提出します。
  • 適時の状況報告:業績悪化や事業計画の大幅な変更など、経営に影響を与える事象が発生した際は、速やかに金融機関へ報告し、対策を協議します。

このような誠実な対応を通じて経営の透明性を保つことが、金融機関との長期的な信頼関係につながります。

既存契約の保証を見直す方法

既存融資の保証解除に向けた相談

すでに経営者保証を付けている既存の融資についても、保証を解除できる可能性があります。「経営者保証に関するガイドライン」では、金融機関に対して既存契約の見直しにも誠実に対応することを求めています。自社の財務状況が改善し、法人と個人の分離などの要件を満たせるようになったタイミングで、最新の決算書や事業計画書を持参し、金融機関に保証解除を相談してみましょう。

借り換えによる保証解除の選択肢

既存の保証付き融資を、保証の付かない新たな融資で借り換えることも有効な手段です。例えば「プロパー融資借換特別保証制度」などを活用すれば、経営者保証が付いた銀行からの直接融資を、保証協会付きで経営者保証が不要な融資に切り替えることができます。一定の財務要件などをクリアする必要はありますが、現在の健全な経営状態を反映させた融資条件に見直すための有力な選択肢です。

よくある質問

赤字決算でも保証は外せますか?

単年度の赤字決算であるからといって、直ちに保証が外せないわけではありません。減価償却前経常利益が2期連続で赤字でなく、債務超過に陥っていないなど、定められた財務要件を満たし、今後の事業計画で返済能力を示せれば可能性はあります。

創業期の企業でも利用は可能ですか?

はい、可能です。「スタートアップ創出促進保証制度」などを活用すれば、創業期の企業でも経営者保証なしで融資を受けられる場合があります。設立後間もなく決算書がない場合でも、事業計画書の内容などに基づいて審査されます。

保証料の上乗せ率の目安は?

上乗せ率は、企業の財務状況に応じて個別に決定されます。一般的に、財務要件の充足度が高いほど上乗せ率は低く、一部の要件のみを満たす場合などは少し高めの率が適用される傾向にあります。

事業承継時、保証は引き継がれますか?

原則として、新旧経営者から二重に保証を求めることは行われません。また、後継者が要件を満たせば保証なしで事業を引き継ぐことができ、前経営者の保証についても解除に向けた見直しが行われます。

一度外した保証を再度求められますか?

はい、可能性があります。保証免除の条件として約束した要件(例:法人と個人の分離、継続的な情報開示など)に違反した場合は、契約に基づき、金融機関から改めて経営者保証の提供を求められることがあります。

手続きにかかる期間の目安は?

金融機関への事前相談から始まり、社内体制の整備、信用保証協会の審査完了まで、数か月から半年程度の期間を見込むのが一般的です。事業承継など期限がある場合は、余裕をもって早めに準備を開始することをおすすめします。

まとめ:信用保証協会で経営者保証を外して事業リスクから個人資産を守る

信用保証協会で経営者保証を外すには、「事業者選択型経営者保証非提供制度」などを活用し、財務状況、法人と個人の分離、情報開示といった要件を満たすことが求められます。これらの要件の根底にあるのは、経営者個人の資産に依存しない法人の自立性と、金融機関との信頼関係を築くための経営の透明性です。保証を外すことで事業リスクから個人資産を守り、円滑な事業承継にも繋がる一方、保証料の上乗せというコストも発生します。まずは自社の現状が要件にどの程度近いかを確認し、取引金融機関に相談することから始めましょう。最終的な判断はあくまで個別の状況によりますので、必要に応じて専門家の意見も参考にすることをおすすめします。

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