会社の倒産、どこに相談すべき?専門家や公的機関など無料相談窓口と選び方を解説
会社の資金繰りが悪化し、倒産の可能性を前にして、誰に相談すべきか悩んでいる経営者の方も多いのではないでしょうか。精神的に追い詰められる状況だからこそ、冷静に自社の状況を把握し、適切な相談先を選ぶことが最善の解決策を見つけるための第一歩となります。この記事では、会社の倒産に関して相談できる専門家や公的機関の種類、それぞれの特徴、そして会社の状況に応じた最適な相談先の選び方を具体的に解説します。
会社の倒産、どこに相談すべき?主な相談先一覧
相談先は大きく分けて「専門家」と「公的機関」の2種類
会社の経営が行き詰まった際の相談先は、「専門家」と「公的機関」の2つに大別されます。専門家への相談は、法的な手続きや債権者との交渉を具体的に進めるための代理を依頼することが主な目的です。一方、公的機関は、倒産の危機を未然に防ぐための経営相談や、円滑な廃業に向けた助言を中立的な立場で無料で行う役割を担います。
| 相談先の種類 | 主な役割 | 具体例 |
|---|---|---|
| 専門家 | 法的整理・私的整理の実務代理、正確な財務分析、再生計画の策定支援 | 弁護士、税理士、公認会計士 |
| 公的機関 | 経営改善指導、再生支援、円滑な廃業への助言(中立的・無料) | 商工会議所、よろず支援拠点、中小企業活性化協議会 |
弁護士は、裁判所での法的手続き(破産申立て等)を代理人として遂行できる唯一の専門家です。税理士や公認会計士は、会社の正確な財務状況を把握し、事業継続の可能性を判断するための財務分析に強みがあります。
公的機関は、特定の利害関係者に偏らない中立的な立場から、経営再建の見込みがあるか、それとも円滑な清算を目指すべきかを判断する手助けをします。初期段階では、まず自社の客観的な状況を把握するために、これらの公的な窓口を利用することが推奨されます。
相談内容や緊急度によって適切な窓口は異なる
どの窓口に相談すべきかは、資金繰りの切迫度や経営者が目指すゴールによって変わります。状況に応じた適切な相談先を選ぶことが、最善の解決策を見つけるための第一歩です。
| 状況 | 推奨される相談先 | 主な理由 |
|---|---|---|
| 緊急性が高い(資金ショート寸前、督促が激しい) | 弁護士 | 受任通知を送付することで、債権者からの直接の取り立てを即座に停止できるため。 |
| 時間的余裕があり、事業再生を模索したい | 中小企業活性化協議会など | 金融機関との高度な調整や、信頼性の高い再生計画の策定支援が受けられるため。 |
| 誰に相談すべきか不明、まず状況を整理したい | よろず支援拠点 | 幅広い経営課題について無料で相談でき、課題の整理や適切な専門家の紹介を受けられるため。 |
資金繰りが悪化している状況では、判断が遅れるほど選択できる解決策は少なくなります。特に、すでに支払いの目途が立たないような緊急事態であれば、迷わず弁護士へ連絡を取る必要があります。
一方で、まだ手元に資金があり、事業の立て直しを検討する時間的猶予がある場合は、公的機関が入り口として適しています。まずは無料相談窓口で自社の課題を整理し、必要に応じて弁護士などの実務家へ移行するという流れが、費用を抑えつつ最適な選択肢を見つけることにつながります。
【専門家】法律・財務のプロフェッショナルへの相談
弁護士:法的整理・私的整理の代理人として最適な相談先
弁護士は、会社の倒産手続きにおいて最も中心的な役割を担う専門家であり、裁判所での破産や民事再生の申立てを代理できる唯一の存在です。法的な観点から会社の状況を分析し、清算から事業再生まで幅広い選択肢の中から、最適な整理手法を提案します。
弁護士に依頼することで、経営者は多くのメリットを得ることができます。
- 最適な法的整理手法(破産、民事再生など)の提案を受けられる
- 受任通知の送付により、債権者からの直接の取り立てを停止できる
- 従業員の解雇や事務所の退去交渉など、利害関係者との窓口を一本化できる
- 少額管財制度を利用し、裁判所への予納金を低く抑えられる可能性がある
- 経営者個人の自己破産手続きも併せて依頼でき、生活再建の支援を受けられる
特に、弁護士が債権者へ送付する受任通知には、直接の督促を停止させる法的な効果があり、経営者は精神的なプレッシャーから解放され、手続きの準備に集中できます。
また、法人破産では通常、裁判所に数十万円から数百万円の予納金を納める必要がありますが、弁護士が代理人となることで少額管財という運用が利用できれば、予納金を20万円程度に抑えられる可能性があります。法的なリスクを回避し、公正かつ迅速に手続きを完了させるために、弁護士の関与は不可欠です。
税理士・公認会計士:正確な財務状況の把握と分析を依頼
税理士や公認会計士は、会計と税務のプロフェッショナルとして、倒産を検討する際の正確な財務分析において重要な役割を果たします。彼らは、会社の客観的な財産状況を明らかにし、弁護士が法的な判断を下すための土台を構築します。
倒産を検討する際に、税理士や公認会計士には以下のような業務を依頼できます。
- 決算書や試算表に基づく実態バランスシートの作成(資産の実態価値を評価)
- 今後の現金の出入りを予測する資金繰り表の作成支援
- 事業再生に向けた説得力のある事業計画書や改善計画案の作成支援
- 大規模な再生案件における資産査定(デューデリジェンス)の実施(主に公認会計士)
顧問税理士は会社の数字を最もよく知る存在であり、資金繰りの悪化を早期に察知し、経営者に警鐘を鳴らすこともできます。
ただし、税理士や公認会計士は、裁判所での倒産手続きの代理人になることはできません。そのため、実際に破産申立てなどを行う段階では、弁護士との連携が必須となります。経営者が自身の感覚だけで判断せず、まずは財務のプロに客観的な数字を整理してもらうことが、誤った選択を避けるための第一歩です。
【公的機関】無料で相談できる主な窓口
商工会議所(経営安定特別相談室):倒産防止の相談が中心
全国の主要な商工会議所に設置されている経営安定特別相談室は、倒産の恐れがある中小企業を対象とした公的な相談窓口です。倒産を未然に防ぐことを主な目的としており、秘密厳守のもと、原則無料で相談できます。
- 倒産の恐れがある中小企業を対象とした無料の経営相談
- 商工調停士を中心に、弁護士や税理士など専門家チームによる支援
- 経営再建が可能と判断されれば、具体的な再建策の検討や金融機関への協力要請を支援
- 事業継続が困難な場合は、法人破産等の円滑な整理に向けた助言
- 経営者保証ガイドラインの活用に関する案内
専門家チームが客観的な分析を行い、事業の継続が可能であれば再建策を、困難であれば円滑な整理に向けたアドバイスを提供します。地域の中小企業にとって最も身近な駆け込み寺として、経営不振の初期段階で相談することで、傷口を広げずに最適な解決策を見いだせる可能性が高まります。
よろず支援拠点:経営に関する幅広い課題に対応
よろず支援拠点は、国が全都道府県に設置している中小企業・小規模事業者のための無料相談窓口です。その名の通り、経営に関するあらゆる悩みにワンストップで対応することを特徴としており、倒産や廃業を検討し始めた経営者にとって、最初の相談先として非常に適しています。
- 国が全都道府県に設置している中小企業・小規模事業者のための無料相談窓口
- 売上拡大から事業承継、廃業まで、経営に関するあらゆる悩みにワンストップで対応
- 多様な専門性を持つコーディネーターが常駐し、何度でも無料で相談可能
- 経営者の悩みに寄り添う伴走型の支援スタイル
- 状況に応じて他の支援機関や専門家と連携したチーム支援を実施
いきなり弁護士に相談することに心理的な抵抗がある場合でも、よろず支援拠点であれば気軽に相談を始められます。単に知識を提供するだけでなく、経営者の思いに耳を傾け、共に解決策を考える姿勢を重視しています。状況が深刻化する前の段階で、自社の現状を客観的に把握し、次のステップへ踏み出すきっかけを作る場所として非常に有効です。
中小企業活性化協議会:事業再生の支援に特化
中小企業活性化協議会は、収益性のある事業を持ちながらも、過剰な債務によって経営難に陥っている中小企業の事業再生を支援するための公的機関です。2022年に従来の中小企業再生支援協議会と経営改善支援センターが統合され、全都道府県の商工会議所などに設置されています。
- 収益性はあるが過剰債務を抱える中小企業の事業再生に特化した公的機関
- 中立公平な立場から、債務者企業と金融機関との間の交渉を仲介
- 信頼性の高い再生計画の策定を支援し、金融機関からの抜本的な金融支援(債権放棄など)を得やすくする
- 再生が困難な場合には、円滑な廃業や経営者の再チャレンジを支援
この組織の最大の強みは、金融機関との高度な調整能力にあります。協議会が主導して策定した再生計画は金融機関からの信頼性が高く、債権放棄や返済猶予といった抜本的な金融支援を得やすくなります。事業再生を本気で目指す経営者にとって、最も頼りになる公的窓口の一つと言えるでしょう。
会社の状況別に見る最適な相談先の選び方
ケース1:すでに資金ショート寸前で法的整理を視野に入れる場合
手元の現金が尽き、支払いの目途が立たない、あるいは債権者からの督促が激化しているといった緊急事態では、迷わず弁護士へ相談すべきです。この段階では経営改善を検討する時間的猶予はなく、迅速に法的な保護を受ける必要があります。
- 受任通知の送付により、債権者からの直接の督促を法的に停止できる
- 破産手続きに必要な費用(弁護士費用、予納金)を確保するための適切な助言を受けられる
- 偏頗弁済(特定の債権者への優先的な返済)や財産隠しといった法的リスクを回避できる
- 実現可能性を踏まえ、破産か民事再生か最適な手続きを迅速に判断してもらえる
自己判断で資産を処分したり、特定の債権者に返済したりする行為は、後に法的な問題に発展するリスクが極めて高いため、必ず弁護士の指導のもとで行動しなければなりません。危機が目前に迫っている場合は、中立的な相談窓口よりも、直接的な法的実務を代行し、盾となってくれる弁護士が不可欠です。
ケース2:事業再生の可能性を模索したい場合
本業に収益性があり、過剰な負債さえ整理できれば事業を継続できる見込みがある場合は、中小企業活性化協議会や、事業再生に強いコンサルタント、弁護士への相談が最適です。このケースでは、金融機関に対する返済条件の見直し(リスケジュール)や債権放棄といった、高度な金融支援の要請が課題となります。
- 相談先:中小企業活性化協議会、事業再生に強いコンサルタントや弁護士
- 課題:金融機関からの金融支援(返済条件の見直し、債権放棄など)の獲得
- 手法例:第二会社方式(収益事業を別会社に移し、旧会社を清算する)
- 重要性:複数の専門家(会計士、弁護士など)の連携と、交渉力・信頼性のある機関の介在
事業再生の手法の一つに、収益性のある事業を新会社などに譲渡し、負債が残った旧会社を清算する「第二会社方式」があります。こうした複雑な手法を成功させるには、専門家の連携が不可欠です。特に、金融機関との交渉を円滑に進めるためには、中小企業活性化協議会のような信頼性の高い公的機関を介することが成功への近道となります。
ケース3:まずは経営状況を客観的に把握し、相談したい場合
「今すぐ倒産するわけではないが、資金繰りが徐々に悪化している」「問題点がどこにあるのか整理できていない」という初期段階では、よろず支援拠点や商工会議所、顧問税理士への相談が適しています。第三者の客観的な視点を取り入れることで、自社の本当の立ち位置を正確に把握することが重要です。
- よろず支援拠点:経営課題の見える化、経営改善のアクションプラン策定
- 商工会議所:専門家チームによる客観的な経営診断、再建可能性の判断
- 顧問税理士:実態純資産の算出、債務超過か資産超過かの判定
顧問税理士には、決算書上の資産が本当に価値があるかを見極め、もし今日会社を閉じた場合に債務を完済できるか(資産超過か債務超過か)を試算してもらうと良いでしょう。まずは冷静に現状を分析し、法的手続きが必要な段階なのか、自力での再建が可能なのかを見極めることが最初のステップです。
相談先の専門家を選ぶ際の注意点と見極めポイント
倒産や事業再生という専門的な実務を依頼する専門家は、慎重に選ぶ必要があります。特に弁護士を選ぶ際は、その分野における実績が極めて重要です。
- 法人破産や事業再生に関する豊富な実績があるか
- 従業員や取引先への影響を最小限にする多角的な視点を持っているか
- 費用体系(着手金、報酬金)を契約前に明確に説明するか
- 経営者が本音で話し合える相性の良さを感じられるか
法人破産は手続きが複雑で多くの利害関係者が関わるため、一般民事事件を中心に扱う事務所ではなく、倒産・再生案件を日常的に手がけている事務所を選ぶべきです。また、費用体系を明確に提示し、経営者の立場に寄り添ってくれるかどうかも重要な判断基準となります。
倒産相談のタイミングと事前準備で押さえるべきこと
相談のタイミングは「資金繰りに不安を感じた時点」が重要
倒産の相談で最も重要なのは、「このままでは資金繰りが行き詰まるかもしれない」と経営者が不安を感じた、その時点ですぐに行動を起こすことです。相談が早ければ早いほど、取りうる選択肢は多く残されています。逆に、資金が完全に尽きてからでは、破産という選択肢しか残されていないケースがほとんどです。
- 選択できる解決策の幅が広い(事業再生、私的整理など)
- 弁護士費用や裁判所への予納金を確保しやすい
- 取引先や従業員への迷惑を最小限に抑える計画的な整理が可能になる
- 突発的な事業停止による連鎖倒産などの社会的混乱を防げる
具体的な目安としては、慢性的な赤字が続いている、銀行からの追加融資を断られた、といった時点がデッドラインと考えられます。経営状況の悪化は、病気と同様に早期発見と早期対策が肝心です。不安を感じた時点ですぐに専門家へ相談することが、再起の可能性を広げる唯一の方法です。
相談前に準備すべき書類・情報リスト
専門家や公的機関に相談する際は、事前に会社の状況を示す資料を揃えておくと、話がスムーズに進み、初回から具体的なアドバイスを受けやすくなります。
- 直近3期分の確定申告書・決算書(勘定科目内訳明細書を含む)
- 最新の試算表と資金繰り表
- 金融機関からの借入返済予定表(全件分)
- 不動産や車両など資産の価値がわかる資料
- 滞納している税金や社会保険料の督促状など
- 債権者の一覧リスト(名称、債務額、保証の有無など)
- 従業員名簿、事務所の賃貸借契約書など固定費に関する資料
これらの資料が完璧に整っていなくても問題ありません。手元にあるものを可能な限り持参する姿勢が、専門家からの迅速かつ正確なアドバイスを引き出すことにつながります。
相談にかかる費用の目安と捻出方法
公的機関での相談は無料ですが、実際に弁護士に破産手続きなどを依頼する際には費用が発生します。法人破産の弁護士費用は、会社の規模にもよりますが、中小企業で50万円~150万円程度が相場です。これに加えて、裁判所に予納金(東京地方裁判所の少額管財で最低20万円~)を納める必要があります。
これらの費用は、会社の資産から捻出するのが原則です。
- 未回収の売掛金の回収
- 在庫品や社用車などの資産売却
- 会社名義の生命保険等の解約(解約返戻金の活用)
重要なのは、これらの資産処分を必ず弁護士の指導のもとで行うことです。自己判断で資産を処分したり、確保した現金を特定の債権者への返済に充てたりすると、法的に問題となる可能性があります。資金が尽きる前に、計画的に費用を確保することが、再スタートを切るための大前提となります。
相談前の情報整理と社内共有の進め方
専門家への相談を円滑に進めるため、事前に情報を整理しておくことが重要です。一方で、倒産を検討しているという情報の管理には、最大限の注意を払わなければなりません。
- 情報整理:これまでの経営経緯、業績悪化の原因、対策などを時系列でまとめる。
- 情報共有の注意:弁護士の受任通知発送直前まで、情報は役員など最小限の範囲に留める。
- 専門家との連携:従業員への説明時期や方法は、専門家とシナリオを練ってから実行する。
弁護士には守秘義務があるため、自分に不利な情報も含めてすべて正直に話すことが、正確な判断を仰ぐために不可欠です。しかし、この情報が不用意に外部へ漏れると、取引先が商品を回収に来るなどの取り付け騒ぎや、銀行口座の凍結を招き、計画的な整理が不可能になる恐れがあります。情報の開示時期や方法は、専門家と慎重に計画を立てて進める必要があります。
相談後の主な流れと会社の選択肢
初回相談から方針決定までの基本的なフロー
専門家への初回相談から最終的な方針が決定するまでには、いくつかのステップがあります。一度の相談で全てが決まることは少なく、数回の面談を重ねて慎重に方針を固めていきます。
- 現状分析:持参資料に基づき、専門家が会社の財務状況や事業の継続可能性を分析する。
- 方針の検討:分析結果を基に、事業再生(再建型)か破産(清算型)か、最適な方向性を検討する。
- 方針の決定:提示された選択肢のメリット・デメリットを比較し、経営者が最終的な決断を下す。
- 実行準備:方針に基づき、事業停止日(Xデー)の設定や債権者への通知準備など、具体的なスケジュールを策定する。
初回相談は「現状の棚卸し」、その後のプロセスは「最適な出口の選択と準備」と位置づけられます。経営者は各段階で専門家の助言を参考にしつつ、最終的な決断を下すという重責を担います。
破産だけではない会社の選択肢:事業再生・私的整理・法的整理
会社が経営難に陥った際の解決策は、破産だけではありません。会社の状況に応じて、事業を継続させる「再建型」や、会社を整理する「清算型」など、様々な選択肢があります。
| 手続きの種類 | 目的 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 【再建型・法的】民事再生 | 事業継続 | 裁判所の監督下で債務を圧縮し、経営陣が残り再建を目指す。 |
| 【再建型・私的】私的整理 | 事業継続 | 裁判所を介さず、主に金融機関との合意で債務を整理する。非公開で進められる。 |
| 【清算型・法的】破産 | 事業消滅 | 会社の全資産を換価・配当して法人格を消滅させ、全ての負債をリセットする。 |
| 【清算型・法的】特別清算 | 事業消滅 | 債権者の協力のもと、破産より簡易な手続きで株式会社を清算する。 |
近年では、経営者保証ガイドラインの活用により、会社を清算しつつも、経営者個人の資産を一定範囲で残して再起を図る道も開かれています。どの手続きが最適かは、事業の価値や債権者の状況などを総合的に判断して決定されます。
会社の倒産に関するよくある質問
無料相談だけで解決することもありますか?
無料相談だけで全ての経営課題が解決することは稀ですが、進むべき方向性が明確になるという点で非常に大きな価値があります。無料相談はいわば「経営の健康診断」であり、自社の状況を客観的に把握し、どのような治療法(解決策)が考えられるのかを知るための場です。
資金繰りの改善策が見つかって倒産を回避できるケースもありますが、債務の減免や法的手続きが必要な場合は、最終的に弁護士などへ有料で実務を依頼することになります。まずは無料相談を活用し、最適な解決策を見極めることが賢明です。
顧問税理士に倒産の相談をしても問題ないでしょうか?
顧問税理士への相談は、会社の財務状況を正確に把握する上で有効ですが、役割と限界を理解しておく必要があります。
- 役割:財務状況の正確な把握、資料準備の協力など、弁護士をサポートするパートナーとなり得る。
- 注意点:倒産手続きの代理人にはなれず、法的な交渉は専門外である。
- 推奨される流れ:税理士から財務データを得て、その資料を基に倒産実務に強い弁護士に相談する。
税理士は会社の存続を前提に業務を行っているため、破産という選択を促しにくい側面もあります。税理士の協力を得つつ、法的な実務は倒産の専門家である弁護士に任せるという役割分担が、迅速かつ適切な解決につながります。
会社の倒産と社長個人の自己破産は必ずセットになるのですか?
法律上、会社と社長は別人格のため、会社が破産しても社長が必ず自己破産しなければならないわけではありません。しかし、多くの中小企業では、社長が会社の借入金に対して個人として連帯保証をしています。この場合、会社が返済できなくなった債務を社長個人が負うことになるため、結果的に自己破産を選択せざるを得ないケースが多数です。
ただし、近年は「経営者保証ガイドライン」という制度が整備されています。これを活用すれば、一定の資産(自宅など)を手元に残したまま、自己破産を回避して保証債務を整理できる可能性があります。必ずセットになるとは限らないため、まずは専門家に相談し、個人の資産を守る方法がないか模索することが重要です。
相談した内容が取引先や従業員に漏れることはありませんか?
弁護士や税理士などの専門家、および商工会議所やよろず支援拠点といった公的機関には、法律で厳格な守秘義務が課せられています。相談者の許可なく、相談内容が外部の取引先や従業員に漏れることは決してありませんので、安心して相談してください。
むしろ注意すべきは、社内からの情報漏洩です。倒産を検討していることが不用意に従業員などに伝わると、取り付け騒ぎや取引停止といった混乱を招き、計画的な整理が不可能になる恐れがあります。専門家への相談は、方針が固まり正式に公表する段取りが整うまで、秘密裏に進めるのが鉄則です。
まとめ:会社の危機を乗り越えるため、最適な相談先を早期に見つけよう
本記事では、会社の倒産を検討する際の主な相談先として、弁護士などの「専門家」と、商工会議所やよろず支援拠点などの「公的機関」を解説しました。相談先を選ぶ上で最も重要なのは、資金ショートの緊急性や事業再生の可能性といった自社の状況を客観的に見極めることです。緊急性が高く法的手続きが避けられない場合は弁護士が、誰に相談すべきか迷う初期段階では公的機関が、それぞれ頼れるパートナーとなります。相談が早ければ早いほど、破産以外の選択肢も現実的になり、関係者への影響を最小限に抑える計画的な対応が可能になります。会社の未来に関わる重大な決断だからこそ、一人で抱え込まず、まずは信頼できる窓口へ連絡し、専門家の知見を借りることが再起への第一歩となるでしょう。

