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非上場会社の株主総会|準備から開催後までの手続きと簡略化の要点

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非上場会社の株主総会は、会社法で定められた避けては通れない重要な手続きです。しかし、上場企業とは異なる点も多く、日々の業務に追われる中で、何から手をつければよいか戸惑う担当者の方もいるのではないでしょうか。手続きの不備は役員への過料や決議の無効といったリスクにつながるため、正しい知識が不可欠です。この記事では、非上場会社に特化し、株主総会の準備から開催後の登記手続き、さらには実務的な簡略化の方法まで、一連の流れを網羅的に解説します。

非上場会社の株主総会とは

会社法上の開催義務とリスク

非上場会社であっても、株式会社である以上は会社法に基づき株主総会を毎年開催する義務があります。この義務を怠ると、会社や役員にとって重大なリスクが生じます。会社法は、すべての株式会社に対し、毎事業年度の終了後に定時株主総会を招集し、計算書類の承認や事業報告を行うことを定めています。

開催を怠った場合、以下のような法的なリスクが生じる可能性があります。

株主総会を開催しない場合の主なリスク
  • 役員への過料: 役員個人に対して100万円以下の過料が科される可能性があります。
  • 決議の不存在・無効: 決議を経ずに行われた役員報酬の支払いや剰余金の配当は法的に無効となり、不当利得として会社に返還を求められる場合があります。
  • みなし解散: 最後の登記から12年が経過すると、休眠会社とみなされ、法務局の職権により強制的に解散させられる恐れがあります。

これらのリスクを避けるため、非上場会社であっても会社法に則り、定期的に株主総会を開催することが不可欠です。

株主総会の種類(定時・臨時)

株主総会は、開催される時期と目的によって「定時株主総会」と「臨時株主総会」の2種類に大別されます。

項目 定時株主総会 臨時株主総会
開催時期 毎事業年度の終了後、一定の時期(実務上は決算日から3ヶ月以内)に開催 必要に応じて、時期を問わず随時開催
主な目的 計算書類の承認、事業報告、剰余金の配当、役員の選任など、定例的な事項の決議 役員の補充、定款変更、合併・事業譲渡など、緊急または重要な経営判断
定時株主総会と臨時株主総会の比較

定時株主総会による定期的な経営報告と、臨時株主総会による機動的な意思決定を適切に使い分けることで、株式会社は適法かつ円滑な経営を実現できます。

上場会社との主な相違点

非上場会社の株主総会は、株主が少数で、所有と経営が一致しているケースが多いため、上場会社に比べて手続きが柔軟に設計されています。

項目 上場会社 非上場会社
株主構成 不特定多数の投資家で構成される 少数の特定の株主(経営者やその親族など)で構成されることが多い
招集通知の発送期限 株主総会の2週間前まで(早期発送が推奨される) 原則1週間前まで(取締役会非設置会社では定款でさらに短縮可能)
招集手続きの省略 原則として不可 株主全員の同意があれば、招集通知の発送など一連の手続きを省略して開催可能
株主総会における上場会社と非上場会社の主な違い

上場会社は多数の株主を保護するために厳格な手続きが求められるのに対し、非上場会社は法律で認められた柔軟な手続きを活用することで、迅速な意思決定が可能です。ただし、その場合でも株主との良好な関係を維持するための適切な総会運営が求められます。

株主総会の準備とスケジュール

株主名簿の整備の重要性と確認ポイント

株主総会を適法に開催するための大前提として、株主名簿を正確に整備しておくことが不可欠です。株主名簿は、総会で議決権を行使できる株主を法的に特定する唯一の根拠となります。相続や株式譲渡などで株主に変動があった場合は、速やかに名義書換を行わなければなりません。

名簿の整備を怠ると、総会の決議要件を満たせなくなったり、後日決議の取消事由となったりするリスクがあります。特に以下の点を確認し、株主名簿を常に最新の状態に保つことが重要です。

株主名簿整備における確認ポイント
  • 相続や贈与、売買による株式の移転が正確に反映されているか
  • 親族や知人などの名義を借りている「名義株」が存在しないか
  • 連絡先が不明となっている「所在不明株主」がいないか

開催までの全体スケジュール

株主総会の開催準備には、基準日の設定から招集通知の発送まで、会社法に定められた期限を守るための綿密なスケジュール管理が求められます。手続きの遅延や漏れは、決議が取り消される原因となり得ます。

以下に、3月決算の会社が6月下旬に定時株主総会を開催する場合の一般的なスケジュール例を示します。

3月決算・6月開催の場合のスケジュール例
  1. 基準日(3月31日)の確定と公告: 議決権を行使できる株主を確定させます。
  2. 計算書類・事業報告の作成(4月中): 経理部門が中心となり、決算作業を完了させます。
  3. 会計監査・監査報告の受領(5月上旬): 監査役設置会社の場合、作成した書類を監査役に提出し、監査を受けます。
  4. 取締役会による承認・招集決定(5月中旬): 計算書類等を承認し、株主総会の日時、場所、目的事項を正式に決定します。
  5. 招集通知の発送(6月上旬): 法定期限(原則1週間前、書面投票等を認める場合は2週間前)までに全株主へ通知を発送します。

開催時期と基準日の決め方

定時株主総会の開催時期は、会社法の規定法人税の申告期限という2つの観点から決定する必要があります。まず、議決権を行使する株主を確定する日として「基準日」を定めますが、これは事業年度の末日(例:3月31日)に設定するのが一般的です。

株主総会の開催時期は、主に以下の2つの法的制約を考慮して決定されます。

開催時期を決定する際の法的制約
  • 会社法上の制約: 基準日株主が権利を行使できるのは基準日から3ヶ月以内と定められています。
  • 法人税法上の制約: 法人税の申告・納付は原則として事業年度終了の翌日から2ヶ月以内ですが、定款の定めにより3ヶ月以内に延長できます。

これらの理由から、多くの会社では、事業年度終了後3ヶ月以内に定時株主総会を開催するスケジュールを採用しています。

目的事項(報告・決議)の整理

株主総会の目的事項は、株主への情報共有を目的とする「報告事項」と、会社の意思決定を行う「決議事項」に大別されます。これらを事前に整理し、招集通知に正確に記載することが、円滑な議事進行の鍵となります。

項目 報告事項 決議事項
目的 株主への業績や事業内容に関する情報共有 会社の重要事項に関する意思決定
具体例 事業報告の内容報告、計算書類の内容報告 計算書類の承認、剰余金の配当、役員の選任、定款変更
採決の有無 なし(報告のみ) あり(普通決議、特別決議など)
目的事項の種類と内容

招集通知に記載されていない事項を決議することは、株主の権利を害するため原則として認められません。目的事項の漏れは重大な瑕疵となるため、事前の整理が極めて重要です。

役員任期の満了に伴う選任決議漏れのリスク

役員の任期管理を怠り、任期満了に伴う選任(または重任)決議を忘れることは、役員変更登記の懈怠(登記懈怠)につながる重大な法令違反となります。この場合、代表者個人に100万円以下の過料が科される可能性があります。

非公開会社では、定款によって取締役の任期を最長10年まで伸長できます。しかし、役員構成が長期間変わらないことで任期管理が疎かになり、うっかり改選時期を過ぎてしまうケースが少なくありません。自社の定款で定められた役員任期を正確に把握し、定時株主総会の時期に合わせて計画的に役員改選の手続きを行う体制を整えることが不可欠です。

招集通知の作成ポイント

招集通知は、株主が総会への参加や議決権行使を判断するための重要な情報源です。記載事項に不備があると、決議が取り消される原因となるため、法令に定められた項目を網羅して作成する必要があります。

書式に厳格な定めはありませんが、少なくとも以下の事項を明確に記載しなければなりません。

招集通知の主な記載事項
  • 株主総会の日時および場所
  • 株主総会の目的事項(報告事項と決議事項を区別して記載)
  • 決議事項がある場合は、その議案の概要
  • 書面投票や電子投票を認める場合は、その行使方法や期限
  • その他、会社法で定められた事項

特に、役員選任などの議案では、候補者の氏名や略歴を参考書類として添付し、株主が適切な判断を下せるよう配慮することが望ましいです。

招集通知の発送方法と期限

招集通知の発送期限は、会社の機関設計や定款の定めによって異なり、これを厳守しなければなりません。期限に遅れると、招集手続きの法令違反として決議が取り消される可能性があります。

会社の種類 発送期限
公開会社 総会開催日の2週間前まで
非公開会社(書面投票・電子投票を認める場合) 総会開催日の2週間前まで
非公開会社(取締役会あり/書面投票等なし) 総会開催日の1週間前まで
非公開会社(取締役会なし) 定款の定めにより1週間より短い期間に短縮可能
招集通知の発送期限

発送方法は原則として書面ですが、株主から個別に事前の承諾を得ていれば、電子メールなどの電磁的方法による通知も認められています。自社の状況を確認し、正確な期間計算に基づいて期限内に発送することが不可欠です。

株主総会当日の議事進行

議長の役割と進行の基本

株主総会の議長は、会議の秩序を維持し、円滑な議事進行を導く重要な役割を担います。通常、定款の定めにより代表取締役が議長を務めます。議長は、開会宣言から議案の上程、質疑応答の整理、採決、閉会宣言まで、総会全体を主導します。

議長には、法的に以下の権限が付与されており、これらを適切に行使して会議の秩序を保つ責任があります。

議長に付与される主な権限
  • 議事整理権: 質疑や動議を整理し、採決のタイミングを判断する権限。
  • 秩序維持権: 議事を妨害する発言を制止し、従わない株主に対して退場を命じる権限。

議長が法令と付与された権限に基づき、公平かつ毅然とした態度で議事を進行することが、株主総会の適法性を担保します。

決議の種類と成立要件

株主総会の決議は、議案の重要性に応じて「普通決議」「特別決議」「特殊決議」に分類され、それぞれ成立要件が異なります。会社の根幹に関わる重要な決定ほど、より多くの株主の賛成が必要とされています。

決議の種類 主な対象議案 成立要件(原則)
普通決議 役員の選任・解任、剰余金の配当、役員報酬の決定 定足数:議決権の過半数を有する株主が出席<br>賛成数:出席した株主の議決権の過半数の賛成
特別決議 定款変更、事業譲渡、合併、会社解散、監査役の解任 定足数:議決権の過半数を有する株主が出席<br>賛成数:出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成
特殊決議 全部の株式を譲渡制限株式とする定款変更 【議決権ベース】<br>総株主の議決権の3分の2以上の賛成<br>【頭数ベース】<br>総株主の半数以上の賛成
株主総会の決議の種類と成立要件

議案の性質に応じた決議要件を正確に把握し、適法な手続きで採決を行うことが、後々の法的紛争を防ぐ上で極めて重要です。

質疑応答の適切な対応方法

質疑応答において、取締役などの経営陣は、株主からの質問に対して誠実に回答する説明義務を負っています。これは、株主が議案について合理的な判断を下すための情報を十分に提供することを会社法が求めているためです。

ただし、どのような質問にも無制限に答える義務があるわけではありません。以下のような場合には、説明を拒む正当な理由として認められます。

説明義務が免除される場合の例
  • 質問が株主総会の目的事項と無関係である場合
  • 回答によって会社や株主の共同の利益を著しく害する場合(企業秘密など)
  • 回答のために不相当な調査を要する場合

実務では、事前に想定問答集を作成し、リハーサルを行うことで、冷静かつ的確に対応できる体制を整えることが重要です。説明義務の範囲を正しく理解し、丁寧な質疑応答を行うことが株主の信頼獲得につながります。

動議が出された場合の対処

株主総会の当日に、株主から予定外の提案、すなわち「動議」が出されることがあります。議長は、その動議が適法かどうかを即座に判断し、適切に対処しなければなりません。対応を誤ると、決議が取り消される原因となる可能性があります。

動議は、その内容によって以下のように分類され、対処法が異なります。

動議の種類と基本的な対処法
  • 修正動議: 会社提案を修正する動議(例:取締役候補者を別の人に差し替える)。目的事項の範囲内であれば適法であり、採決の対象となります。
  • 手続き的動議: 議事進行に関する動議(例:休憩、議長不信任)。議長が裁量で判断するか、議場に諮って賛否を問います。
  • 不適法な動議: 招集通知にない新たな議案を追加する動議など。株主の権利を害するため、議長は直ちに却下します。

実務上、適法な修正動議に対しては、会社が提出した「原案」を先に採決し、これが可決されれば修正動議は審議不要とする「原案先議」という手法がよく用いられます。

株主総会後の手続き

株主総会議事録の作成と保管

株主総会が終了したら、法務省令で定める事項を記載した株主総会議事録を遅滞なく作成し、法で定められた期間、適切に保管する義務があります。この議事録は、会社の意思決定が適法に行われたことを証明する唯一の公的記録であり、登記申請や税務調査、金融機関との取引など、様々な場面で必要となります。

議事録には、開催日時・場所、議事の経過の要領と結果、出席役員の氏名などを正確に記録します。作成した議事録は、会社法に基づき厳重に保管しなければなりません。

株主総会議事録の保管義務
  • 本店での保管: 総会の日から10年間、議事録の原本を備え置く。
  • 支店での保管: 総会の日から5年間、議事録の写しを備え置く。

株主や債権者は、会社の営業時間内であれば、いつでも議事録の閲覧や謄写を請求する権利があります。

役員変更等に伴う登記手続き

株主総会の決議によって役員の選任・退任・重任など登記事項に変更が生じた場合、その効力が発生した日から2週間以内に、管轄の法務局で変更登記を申請する義務があります。登記は会社の重要な情報を社会に公示し、取引の安全を確保するための制度です。

登記申請を怠ると「登記懈怠」となり、代表者個人に対して100万円以下の過料が科される可能性があります。登記手続きの一般的な流れは以下の通りです。

役員変更登記の基本的な流れ
  1. 株主総会での決議: 役員の選任・重任などを決議します。
  2. 必要書類の準備: 株主総会議事録、株主リスト、就任承諾書、印鑑証明書など、登記に必要な書類を揃えます。
  3. 登記申請書の作成・提出: 登記申請書を作成し、必要書類を添付して、変更が生じた日から2週間以内に法務局へ申請します。

2週間という期間は非常に短いため、総会前から必要書類を準備しておくなど、計画的な対応が求められます。

株主総会手続きの簡略化

株主全員の同意による招集手続きの省略

株主全員の同意があれば、招集通知の発送といった煩雑な招集手続きをすべて省略して、株主総会を開催することができます。これは、手続きが株主に準備の機会を与えるためのものであるため、全員が同意しているなら省略しても不利益は生じないという考え方に基づくものです。

この制度は、オーナー経営の会社や100%子会社など、株主が少数で意思疎通が容易な非上場企業において、迅速な意思決定を実現する上で非常に有効です。同意は口頭でも法律上有効ですが、後の紛争を防ぐため、全株主から「招集手続きの省略に関する同意書」を書面または電磁的記録で取得し、保管しておくことが強く推奨されます。

ただし、書面投票や電子投票制度を採用している会社では、株主の熟慮期間を確保する必要があるため、この省略規定は適用できません。

書面決議(みなし決議)の活用法

「書面決議(みなし決議)」は、株主が物理的に集まることなく、書面または電磁的記録(Eメールなど)のみで株主総会の決議を成立させることができる制度です。取締役または株主からの提案に対し、株主の全員が同意の意思表示をすることで、その提案を可決する総会決議があったものとみなされます。

この制度は、役員選任などの普通決議だけでなく、定款変更などの特別決議にも利用でき、会場手配や日程調整の手間を完全に省くことができます。手続きの流れは以下の通りです。

書面決議(みなし決議)の手続きの流れ
  1. 会社から全株主に対し、決議事項を記載した提案書と同意書を送付します。
  2. 各株主は、提案内容に同意する場合、同意書に署名・押印などをして会社に返送します。
  3. 全員分の同意書が会社に到達した時点で、決議が成立したものとみなされます。
  4. 決議が成立した後、その内容を記録した株主総会議事録を作成し、同意書と共に10年間本店に保管します。

一人でも反対する株主がいると成立しないため、全株主の同意が得られることが確実な場合に有効な手段です。

みなし決議のメリットと注意点

みなし決議は、手続きを大幅に簡略化できる強力なツールですが、その活用にあたってはメリットと注意点の両方を理解しておく必要があります。

みなし決議のメリット
  • コスト削減: 会場費、交通費、招集通知の郵送費など、開催にかかる物理的なコストをゼロにできます。
  • 時間短縮: 日程調整や移動時間が不要となり、迅速な意思決定が可能です。
  • 場所の制約なし: 株主が国内外の遠隔地にいても、問題なく決議に参加できます。
みなし決議の注意点
  • 全会一致が必須: 一人でも反対したり、同意書を提出しなかったりする株主がいると成立しません。
  • 記録の作成・保管義務: 通常の総会と同様に、議事録を作成し、全員分の同意書と合わせて10年間保管する義務があります。
  • 同意の証拠保全: 同意の意思表示が法的に有効であることを証明するため、書面での同意書回収が最も確実です。

みなし決議を有効に活用するためには、全株主との良好な関係を前提とし、証拠書類を確実に管理する体制を整えることが不可欠です。

よくある質問

株主が一人でも株主総会は必要ですか?

はい、株主が経営者一人のみのいわゆる「一人会社」であっても、会社法上、株主総会の開催と議事録の作成は義務付けられています。法律は、会社の規模や株主数にかかわらず、すべての株式会社に最高意思決定機関としての株主総会の設置を求めているためです。

一人株主の場合、その意思がそのまま会社の意思決定となるため、形式的な会議は不要に思えますが、役員報酬の決定や計算書類の承認といった重要事項は、株主総会の決議という法的な形式を踏まなければ有効になりません。

実務上は、前述の「書面決議(みなし決議)」を活用するのが最も効率的です。一人株主が提案内容に書面で同意し、その旨を議事録として作成・保管することで、法的な要件を完全に満たすことができます。

株主総会の開催場所に決まりはありますか?

会社法上、株主総会の開催場所について厳格な地理的制限はありません。しかし、株主の出席の機会を実質的に保障する観点から、株主が参加しにくい不当な場所を選ぶことは認められておらず、決議が取り消される原因となる可能性があります。

一般的には、会社の本店所在地やその近隣の貸会議室、ホテルなどが選ばれます。過去の開催場所から著しく離れた場所で開催する場合には、その理由を招集通知に記載する義務があります。

株主が数名に限られる非上場会社であれば、会社の会議室や、場合によっては代表者の自宅などで開催することも法的に問題ありません。株主のアクセスや利便性に配慮した、常識的な範囲で場所を選定することが重要です。

オンラインでの株主総会は可能ですか?

はい、一定の要件を満たすことで、インターネットを利用したオンラインでの株主総会(バーチャル株主総会)の開催が可能です。オンライン株主総会には、大きく分けて以下の2つの形式があります。

オンライン株主総会の種類
  • ハイブリッド型株主総会: 物理的な開催場所を設け、リアルの会場での参加とオンラインでの参加を併用する形式です。現行の会社法の範囲内で実施可能であり、多くの会社で採用されています。
  • バーチャルオンリー型株主総会: 物理的な会場を一切設けず、すべての株主がオンラインでのみ参加する形式です。これは産業競争力強化法に基づく特例であり、現時点では上場会社が一定の要件を満たした場合にのみ認められています。

非上場会社が実施する場合、現実的な選択肢はハイブリッド型となります。その際、通信障害への対策や、オンライン参加者の本人確認、議決権行使や質疑応答の方法などを事前に整備しておくことが成功の鍵となります。

役員報酬を取締役会に一任する決議はできますか?

株主総会で役員報酬の総額またはその算定方法を定めた上で、各取締役への具体的な配分を取締役会に一任することは適法であり、実務上も広く行われています。

会社法が役員報酬を株主総会の決議事項としているのは、取締役が自らの報酬を自由に決める「お手盛り」を防ぎ、会社財産の不当な流出を防止するためです。この法の趣旨は、株主が報酬の「総額の上限」を管理することで達成されると考えられています。

したがって、実務では、「取締役の報酬総額は年額〇〇円以内とする」といった形で株主総会で総枠を決議し、その後、各取締役の役職や貢献度に応じた個別の金額決定は取締役会に委ねるという運用が一般的です。これにより、経営の機動性を確保しつつ、株主によるガバナンスを両立させることができます。

まとめ:非上場会社の株主総会を適法かつ円滑に進めるポイント

非上場会社であっても、株主総会は会社法に基づき毎年開催する義務があり、その準備から議事進行、登記まで一連の手続きを正しく理解することが不可欠です。特に株主が少数である場合は、株主全員の同意を得ることで招集手続きを省略したり、書面のみで決議を成立させたり(みなし決議)といった、実務的な簡略化も可能です。まずは自社の定款や株主名簿を再確認し、役員の任期を含めたスケジュールを把握することが、円滑な総会運営の第一歩となります。個別の事情によって手続きは異なるため、少しでも不明な点や不安があれば、司法書士などの専門家に相談し、法的なリスクを未然に防ぐことが重要です。

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