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運転免許の取り消し処分とは?違反点数から欠格期間、再取得までの流れを解説

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交通違反が重なり、免許取り消しの可能性に直面すると、今後の生活や仕事への影響を考え、大きな不安を感じるものです。どのような場合に免許が取り消され、その後どのような手続きが必要になるのか、正確な情報を知ることが重要です。この記事では、免許取り消しとなる違反点数の仕組み、処分が決定するまでの流れ、免許を再取得するための具体的な手順と要件について、体系的に解説します。

目次

運転免許の取消処分とは?免許停止との違い

免許取り消し処分の定義と効力

運転免許の取消処分とは、過去3年間の交通違反や交通事故による累積点数が基準に達したり、特定の重大な違反を犯したりした場合に、公安委員会が運転資格そのものを剥奪する行政処分です。免許が一時的に効力を失う「免許停止」とは異なり、免許自体が失効します。

処分を受けると、以下の効力が発生します。

免許取り消し処分の主な効力
  • 運転免許の効力が完全に失われ、自動車や原動機付自転車を運転する資格を失う。
  • 処分後に運転すると無免許運転となり、刑事罰の対象となる。
  • 欠格期間(最短1年~最長10年)が設けられ、その期間は免許の再取得ができない。
  • 免許を再取得するには、欠格期間満了後に取消処分者講習を受け、再度運転免許試験に合格する必要がある。

免許停止処分との具体的な違い(期間・再取得の要否)

免許取り消しと免許停止の最も大きな違いは、運転資格が「完全に失われる」か「一時的に停止する」かという点です。両者の具体的な違いは以下の通りです。

項目 免許取り消し 免許停止
免許の効力 完全に失効(資格剥奪) 一時的に停止
期間 欠格期間(最短1年~最長10年) 停止期間(最短30日~最長180日)
運転再開の方法 欠格期間満了後、講習を受け運転免許試験に合格して再取得 停止期間が満了すれば自動的に効力が回復する(停止処分時に返納した免許証が返還される)
免許証の扱い 返納義務あり。再取得後はグリーン免許からスタート 停止期間満了後に返還される
講習による期間短縮 なし あり(停止処分者講習)
免許取り消しと免許停止の主な違い

免許取り消しとなる違反点数の仕組みと主な原因

違反点数制度の基本(累積点数と前歴の考え方)

交通違反の点数制度は、持ち点が減る「減点方式」ではなく、違反のたびに点数が加算される「累積方式」が採用されています。その仕組みには、いくつかの基本ルールがあります。

違反点数制度の基本ルール
  • 違反のたびに点数が加算される累積方式で計算される。
  • 累積の対象期間は、原則として過去3年間である。
  • 1年以上無事故・無違反で過ごすと、それ以前の違反点数は累積されない。
  • 過去の行政処分歴は「前歴」として扱われ、前歴があるとより少ない点数で処分の対象となる。
  • 前歴は、処分期間終了後1年以上無事故・無違反で経過すると、その後の行政処分基準点数計算において前歴として扱われなくなる。

行政処分前歴の回数別でみる免許取り消しの基準点数

免許取り消しとなる累積点数の基準は、過去3年以内の行政処分前歴の回数によって大きく変わります。前歴が増えるほど、より少ない点数で免許取り消しの対象となります。

行政処分前歴の回数 免許取り消しとなる累積点数
前歴なし 15点以上
前歴1回 10点以上
前歴2回 5点以上
前歴3回以上 4点以上
一般違反行為による免許取り消しの基準点数(前歴別)

免許取り消しの原因となる「特定違反行為」の具体例

特定違反行為とは、特に悪質・危険性が高いと定められた違反行為です。これらの行為は基礎点数が極めて高いため、前歴がなくても一度で免許取り消し(一発取り消し)となる場合がほとんどです。

主な特定違反行為の例
  • 酒酔い運転(基礎点数35点)
  • 麻薬等運転(基礎点数35点)
  • 救護義務違反(ひき逃げ)(基礎点数35点)
  • 危険運転致死傷(基礎点数45~62点)
  • 運転殺人・傷害等(故意による死傷事故)(基礎点数45~62点)

「一般違反行為」の累積による免許取り消し

一般違反行為とは、特定違反行為以外の交通違反全般を指します。個々の点数は小さくても、これらの違反が重なると累積点数が基準に達し、免許取り消しとなります。なお、酒気帯び運転(呼気中アルコール濃度0.25mg/l以上)のように、単独で25点が付され一発で取り消しとなる一般違反行為もあります。

主な一般違反行為の例
  • 信号無視
  • 速度超過
  • 一時不停止
  • 携帯電話使用等
  • 酒気帯び運転

免許取り消し処分が決定するまでの流れ

処分対象者への通知(意見の聴取通知書)

累積点数が免許取り消し(または90日以上の免許停止)の基準に達すると、公安委員会から「意見の聴取通知書」が郵送されます。これは、処分を最終決定する前に、本人に弁明の機会を与えるためのものです。通知書には、予定されている処分の内容や、意見の聴取の開催日時・場所が記載されています。この通知を受け取った時点では、まだ処分は確定していません。

処分の軽減可能性がある「意見の聴取」とは?手続き内容と主張の機会

意見の聴取とは、処分対象者の言い分を聞き、提出された証拠を審査する行政手続きです。この手続きを通じて、違反の経緯にやむを得ない事情があったことなどを主張し、処分の軽減を求めることができます。ただし、主張が認められるかは、違反の悪質性などを踏まえて総合的に判断されます。

意見の聴取で主張・提出できること
  • 処分の原因となった違反事実に対する釈明や弁明
  • やむを得ない事情があったことの主張
  • 反省の意を示す書面(反省文、嘆願書など)の提出
  • 被害者との示談書など、有利な情状証拠の提出

意見の聴取で有利な情状として考慮されうる事情

意見の聴取では、違反に至った経緯や本人の状況などが総合的に考慮されます。処分の軽減につながる可能性がある事情には、以下のようなものが挙げられます。

処分の軽減につながる可能性のある事情
  • 違反行為に緊急性があった(例:急病人の搬送)
  • 事故の被害が軽微で、被害者との示談が成立している
  • 長年にわたり無事故・無違反であったなど、過去の運転経歴が良好
  • 免許を失うと本人や家族の生活が著しく困難になる
  • 深く反省しており、再発防止策が具体的である

最終的な行政処分の決定と免許証の返納

意見の聴取が終わると、その内容を踏まえて最終的な行政処分が決定されます。多くの場合、聴取の当日に結果が言い渡され、免許取り消しが確定すると「運転免許取消処分書」が交付されます。処分が決定した時点で免許の効力は失われるため、その場で免許証を返納しなければなりません。当日は車を運転して帰宅することはできません。

免許取り消し後に科される「欠格期間」について

欠格期間の定義と期間中の運転禁止

欠格期間とは、免許取り消し処分を受けた後、新たに運転免許を取得することができない法定期間です。この期間は、危険な運転者を一定期間、道路交通から排除することを目的としています。

欠格期間中の主なルール
  • 新たに運転免許を取得することが法的に禁止される期間。
  • 運転免許試験の受験資格がない。
  • 期間中に運転すると無免許運転となり、刑事罰や欠格期間の延長といった重いペナルティが科される。

欠格期間の長さが決まる基準(違反行為と前歴)

欠格期間の長さは、処分の原因となった違反行為の種類(一般違反行為か特定違反行為か)、累積点数、そして過去の行政処分前歴によって決まります。違反が悪質で、前歴が多いほど期間は長くなります。

違反の種別 累積点数など 欠格期間
一般違反行為 15~24点 1年
一般違反行為 25~34点 2年
特定違反行為 35~39点 3年
特定違反行為 40~44点 4年
欠格期間の目安(前歴なしの場合)

免許を再取得するための手順と費用

再取得までの全体像とスケジュールの目安

免許を取り消された後、再び運転資格を得るには、いくつかのステップを踏む必要があります。計画的に準備を進めることが重要です。

免許再取得までの基本的な流れ
  1. 指定された欠格期間が満了するのを待つ。
  2. 欠格期間満了前後で取消処分者講習を受講し、講習終了証書を取得する。
  3. 「一発試験」または「指定自動車教習所」のいずれかの方法を選択する。
  4. 運転免許試験場で運転免許試験に合格し、新しい免許証の交付を受ける。

必須となる「取消処分者講習」の受講時期・内容・費用

免許を再取得するためには、法令で定められた「取消処分者講習」を必ず受講しなければなりません。この講習を修了しないと、運転免許試験の受験資格が得られません。

取消処分者講習の概要
  • 受講義務: 免許再取得のために必須の講習。
  • 受講時期: 欠格期間中から受講可能(ただし講習終了証書の有効期間は1年間)。
  • 講習内容: 2日間、合計13時間の座学や実車指導など。
  • 費用目安: 約3万円程度(地域により異なる)。
  • 注意点: 事前予約が必須。飲酒運転による取り消しの場合は、飲酒に関する内容が強化された取消処分者講習を受講する必要がある。

再取得の方法①:運転免許試験場での一発試験(費用・難易度)

一発試験は、教習所に通わず直接運転免許試験場で技能試験と学科試験を受ける方法です。

メリット
  • 教習所に通うより費用を大幅に安く抑えられる可能性がある。
デメリット
  • 技能試験の合格率が非常に低く、難易度が極めて高い
  • 不合格が続くと、結果的に時間と費用がかさむリスクがある。
  • 試験は平日にしか実施されないため、仕事等の調整が必要。

再取得の方法②:指定自動車教習所の利用(費用・期間)

指定自動車教習所に入校し、卒業してから運転免許試験場で学科試験を受ける、より一般的な方法です。

メリット
  • 卒業すれば運転免許試験場での技能試験が免除されるため、確実性が高い。
  • 体系的な教習により、安全運転の知識や技術を再習得できる。
デメリット
  • 費用が高額(通学で20~35万円程度が目安)。
  • 規定の教習時間をこなす必要があり、一定の期間がかかる。

一発試験と教習所のどちらを選ぶべきか?メリット・デメリット比較

どちらの方法を選ぶかは、費用、時間、確実性の何を重視するかによって決まります。それぞれのメリット・デメリットを比較し、自身の状況に合った方法を選択することが重要です。

比較項目 一発試験 指定自動車教習所
費用 安い(数万円~)だが、不合格が続くと増加 高い(20~35万円程度)
期間 最短数日~だが、不合格が続くと長期化 比較的長い(通学で2~3か月、合宿で約2週間)
確実性(難易度) 低い(技能試験が非常に難しい) 高い(卒業すれば技能試験免除)
おすすめな人 運転技術に自信があり、費用と時間を節約したい人 費用はかかっても確実に再取得したい人、運転に不安がある人
再取得方法のメリット・デメリット比較

欠格期間中にやっておくべきこと・注意すべきこと

欠格期間は、再取得に向けた準備期間と捉え、計画的に行動することが大切です。特に、無免許運転は絶対に避けなければなりません。

欠格期間中にやっておくべきこと
  • 取消処分者講習の予約と受講
  • 再取得に必要な費用の準備
  • 利用する教習所の情報収集や申し込み
欠格期間中の注意点
  • 絶対に無免許運転をしない(発覚すれば欠格期間が延長される)。
  • 運転免許取消処分書を紛失しないよう保管する。

免許取り消しに関するよくある質問

Q. 免許取り消しになった場合、仕事にどのような影響がありますか?

業務で運転が必要な職種(運送業、営業職など)の場合、配置転換を余儀なくされたり、就業規則によっては解雇事由に該当したりする可能性があります。通勤に車を使っている場合も代替手段を確保する必要があります。業務に支障が出る場合は、速やかに会社に報告し、対応を相談することが賢明です。

Q. 欠格期間中に原付や小型特殊自動車を運転してもよいですか?

いいえ、一切運転できません。免許取り消し処分は、その人が保有していたすべての種類の運転免許の効力を失わせるものです。普通免許と同時に原付免許も失効しており、欠格期間中は新たに免許を取得することも不可能です。この期間に運転すると無免許運転となり、さらに重い罰則が科されます。

Q. 再取得した免許はゴールド免許になりますか?

いいえ、なりません。免許の再取得は「新規取得」として扱われるため、最初に交付される免許証の色は「グリーン(緑)」です。有効期間は3年で、過去のゴールド免許の経歴もすべてリセットされます。再びゴールド免許を取得するには、長期間無事故・無違反を継続する必要があります。

Q. 免許を再取得した事実は他人に知られますか?

免許証の表面を見るだけですぐにわかることはありません。しかし、免許証には各種免許の「取得年月日」が記載されており、運転歴が長いはずなのに日付が新しい場合、再取得した可能性を推測されることはあります。また、就職などで「運転記録証明書」の提出を求められた場合、過去の行政処分歴が記載されているため、取り消しの事実が知られることになります。

まとめ:免許取り消し処分を正しく理解し、再取得への準備を進めましょう

本記事では、運転免許の取り消し処分について、その条件から再取得までの流れを網羅的に解説しました。免許取り消しは、違反点数の累積と過去の前歴によって判断される重い行政処分であり、免許停止とは異なり資格そのものが失効します。処分が確定する前には「意見の聴取」で弁明の機会が与えられますが、処分が確定すると、最低1年以上の欠格期間が科されます。免許を再取得するには、欠格期間満了後に「取消処分者講習」を受講し、改めて運転免許試験に合格する必要があります。ご自身の状況を正確に把握し、通知が届いた場合は冷静に対応するとともに、再取得を見据えた計画的な準備を進めることが重要です。

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