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労働者派遣法の違反行為とは?罰則規定や防止策をわかりやすく解説

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派遣社員の活用は多くの企業にとって有効な経営戦略ですが、その運用には労働者派遣法に基づく厳格なコンプライアンスが求められます。意図せず法令に抵触し、罰則や行政処分、企業名公表といった深刻な経営リスクに直面するケースも少なくありません。この記事では、企業が知っておくべき労働者派遣法の主な違反行為を具体的に挙げ、それぞれのリスクと未然に防ぐための対策について網羅的に解説します。

目次

労働者派遣法で禁止される主な違反行為

二重派遣:禁止される理由と具体的な構成要件

二重派遣とは、派遣元から派遣された労働者を、派遣先がさらに別の企業へ派遣し、その企業の指揮命令下で労働させる行為です。これは職業安定法第44条で禁止されている「労働者供給事業」に該当するため、違法行為となります。

二重派遣が禁止される主な理由は、労働者の雇用や安全に対する責任の所在が曖昧になり、労働者の権利が侵害されるリスクが高まるためです。

二重派遣がもたらす主な問題点
  • 雇用契約を結んでいない企業が指揮命令を行うため、雇用責任の所在が不明確になる。
  • 労働災害が発生した際の責任の所在が曖昧になり、労働者が適切な保護を受けられない恐れがある。
  • 複数の企業が介在することで中間搾取が発生し、労働者の賃金が不当に低くなる可能性がある。

形式的には業務委託や請負契約であっても、実態として発注者が労働者に直接指揮命令を行っている場合は「偽装請負」とみなされ、二重派遣と同様に違法となります。子会社への応援や、常駐先の社員から直接指示を受けるケースも二重派遣に該当する可能性が高く、指揮命令系統の厳格な管理が求められます。

期間制限違反:いわゆる「3年ルール」の内容と注意点

労働者派遣法では、派遣労働者の雇用安定とキャリア形成を目的として、同一の事業所や組織で派遣労働者を受け入れられる期間に制限を設けています。これは通称「3年ルール」と呼ばれ、「事業所単位」と「個人単位」の2種類の期間制限があります。

項目 事業所単位の期間制限 個人単位の期間制限
概要 同一の事業所が派遣労働者を受け入れられる期間 同一の派遣労働者が同じ組織単位(課など)で就業できる期間
期間 原則として最大3年 原則として最大3年
延長の可否 事業所の過半数労働組合等への意見聴取手続きを経れば延長可能 延長は不可
例外対象者 なし 派遣元で無期雇用されている労働者、60歳以上の労働者など
事業所単位と個人単位の期間制限の比較

個人単位の期間制限で3年を超えて同じ派遣労働者に就業を続けてもらうには、派遣先が直接雇用するか、その労働者の所属部署を異動させる(組織単位を変更する)といった対応が必要です。

派遣労働者を特定する行為(事前面接など)の禁止

派遣先企業が、派遣契約を結ぶ前に派遣労働者を指名したり選考したりする「特定目的行為」は、紹介予定派遣を除き、労働者派遣法第26条第6項で禁止されています。派遣労働者の雇用主はあくまで派遣元であり、派遣先に採用選考の権利はないという考え方に基づくものです。

派遣先が選考に関与すると、事実上の雇用主とみなされ、禁止されている労働者供給事業に抵触する恐れがあります。

禁止される特定目的行為の具体例
  • 派遣就業開始前の事前面接や面談の実施
  • 履歴書や職務経歴書の提出を要求すること
  • 年齢、性別、国籍などを限定して派遣を依頼すること
  • 派遣労働者に対して適性検査や筆記試験を課すこと

なお、派遣労働者自身が希望して行う「職場見学」は認められていますが、その場で派遣先が選考とみなされるような質問(能力や適性と無関係なプライベートな質問など)をすることは禁止されています。

派遣が禁止されている業務への従事(適用除外業務)

労働者派遣法では、一部の業務について労働者派遣を行うことを禁止しており、これらを「適用除外業務」と呼びます。派遣先は、これらの業務に派遣労働者を従事させることはできません。

主な適用除外業務
  • 港湾運送業務:港湾独自の労働力需給調整システムがあるため。
  • 建設業務:建設現場での労働力の需給調整や安全管理の観点から。
  • 警備業務:警備業法に基づき、警備業者が直接雇用した警備員が行う必要があるため。
  • 病院等における医療関連業務:医師や看護師など。チーム医療の整合性確保のため。(※産休代替や紹介予定派遣など一部例外あり)
  • 士業:弁護士、公認会計士、社会保険労務士など、業務の専門性や独占性から。(※一部の補助業務を除く)

派遣先企業は、依頼する業務がこれらの禁止業務に該当しないか、契約前に十分確認する義務があります。

無許可・無届出の事業者からの労働者派遣の受け入れ

労働者派遣事業を行うには、厚生労働大臣の許可が必要です。許可を得ていない無許可の事業者から労働者派遣サービスを受けることは、労働者派遣法に違反します。

無許可事業者は法令遵守体制や財産的基盤が不十分な場合が多く、労働トラブルのリスクが高いため、派遣先には契約相手が正規の許可事業者であるかを確認する義務があります。

派遣元事業者の許可確認方法
  1. 厚生労働省が運営する「人材サービス総合サイト」で事業者名を検索する。
  2. 派遣元事業者から「労働者派遣事業許可証」の写しを提示してもらう。
  3. 許可証や契約書に記載された許可番号(「派」で始まる番号)を確認する。

無許可派遣と知りながら受け入れた場合、派遣先も行政指導や企業名公表の対象となるほか、「労働契約申込みみなし制度」により、派遣労働者を直接雇用する義務が生じるリスクがあります。

離職後1年以内の元従業員を派遣で受け入れることの禁止

派遣先は、自社を離職してから1年を経過していない元従業員を、派遣労働者として受け入れることができません(労働者派遣法第40条の9)。これは、企業が正社員などを解雇し、より安価な派遣労働者として再雇用することで、労働条件を不当に引き下げることを防ぐための規定です。

このルールは、正社員だけでなく、契約社員、パート、アルバイトなど、過去に直接雇用していたすべての労働者が対象です。ただし、60歳以上で定年退職した者については、雇用機会の確保という観点から、この規定の例外とされています。

日雇い派遣の原則禁止とその例外規定

雇用期間が30日以内のいわゆる「日雇い派遣」は、労働者の雇用が不安定になりやすいため、2012年の法改正により原則として禁止されています。派遣元と派遣労働者の雇用契約は、原則として31日以上でなければなりません。

ただし、このルールには例外があり、特定の業務や特定の労働者については日雇い派遣が認められています。

日雇い派遣が例外的に認められるケース
  • 業務による例外:ソフトウェア開発、機械設計、秘書、通訳、ファイリングなど、専門性が高く適正な雇用管理に支障がないと政令で定められた業務。
  • 労働者による例外:60歳以上の者、昼間学生、生業収入が500万円以上ある者(副業として従事)、世帯収入が500万円以上で主たる生計者でない者。

派遣先は、日雇い派遣を受け入れる際には、これらの例外要件に該当するかを派遣元と共に確認する必要があります。

派遣契約の範囲を超えた業務の指示(指揮命令違反)

派遣先は、派遣契約書に明記された業務内容の範囲内でのみ、派遣労働者に指揮命令を行うことができます。契約書に記載のない業務を指示することは、契約違反であり、指揮命令違反となります。

例えば、一般事務で契約した派遣労働者に対し、専門的な経理業務や倉庫での荷運び作業などを命じることはできません。契約外業務を指示すると、労働災害発生時の責任問題が複雑化したり、その業務が適用除外業務であった場合には違法派遣とみなされたりするリスクがあります。

現場の管理者が契約内容を正確に把握していないために違反が発生しやすいため、派遣先責任者は指揮命令者への周知徹底と、実際の業務内容が契約から逸脱していないかの定期的な確認が必要です。

同一労働同一賃金の原則に反する不合理な待遇差

2020年4月から施行された「同一労働同一賃金」の原則により、派遣労働者と派遣先の通常の労働者(正社員など)との間で、不合理な待遇差を設けることが禁止されました。職務内容が同じであれば同じ待遇を、違いがあればその違いに応じた均衡の取れた待遇を確保する必要があります。

この原則の実現のため、派遣先企業には以下の義務が課せられています。

同一労働同一賃金に関する派遣先の主な義務
  • 比較対象となる自社の労働者の待遇に関する情報を派遣元へ提供する義務。
  • 派遣労働者に対し、福利厚生施設(食堂、休憩室、更衣室など)の利用機会を自社の労働者と同様に提供する義務。
  • 派遣労働者に対し、業務に必要な教育訓練を自社の労働者と同様に実施する義務。

不合理な待遇差があると判断された場合、派遣労働者から損害賠償を請求される可能性があるため、派遣元と連携し、適切な待遇確保に努める必要があります。

労働者派遣法に違反した場合の罰則・行政処分

刑事罰(懲役または罰金)の対象となる行為

労働者派遣法違反の中でも特に悪質なケースでは、刑事罰が科されることがあります。罰則は違反内容に応じて定められており、派遣元だけでなく、場合によっては派遣先も対象となります。

罰則 主な対象行為の例
1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・適用除外業務への派遣<br>・無許可での派遣事業の運営<br>・名義貸し<br>・二重派遣(職業安定法違反)
6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金 ・厚生労働大臣からの業務改善命令や事業停止命令への違反
30万円以下の罰金 ・派遣期間制限(3年ルール)への違反<br>・派遣法違反を申告した労働者への不利益な取扱い
主な違反行為と刑事罰の内容

これらの刑事罰は、企業の社会的信用を大きく損なうものであり、経営に深刻な影響を及ぼします。

行政処分①:是正指導・助言および業務改善命令

労働局による調査などで法令違反が発覚した場合、まず行政指導として「是正指導」「助言」が行われます。これらは法的拘束力を持ちませんが、指摘された問題点を期限内に改善し、報告することが求められます。指導に従わない場合、より重い行政処分へと進むことになります。

指導に従っても改善が見られない、あるいは違反の程度が重い場合には、法的な拘束力を持つ行政処分として「業務改善命令」が出されます。この命令を受けると、企業は具体的な改善計画を策定・実行し、その結果を労働局に報告する義務を負います。派遣先企業に対しても、違法派遣を受け入れている実態があれば是正勧告が行われることがあります。

行政処分②:事業停止命令および許可取消

業務改善命令に従わない場合や、違反内容が極めて悪質である場合には、さらに重い行政処分が科されます。「事業停止命令」は、一定期間、労働者派遣事業の全部または一部の停止を命じるもので、事業運営に直接的な打撃を与えます。

最も重い処分が「許可の取消し」です。事業停止命令にも従わない、許可の欠格事由に該当した、不正な手段で許可を得たなどの場合に、労働者派遣事業を行う許可そのものが取り消されます。許可を取り消された事業者は、労働者派遣事業から完全に撤退せざるを得なくなり、企業の存続が危ぶまれる事態となります。派遣先にとっても、取引先が許可を取り消されれば、派遣労働者の引き揚げなどにより事業継続に支障をきたすリスクがあります。

企業名が公表されるケースとその経営上の影響

労働者派遣法などに違反し、行政からの勧告に従わない場合、厚生労働省は違反した企業名を公表することができます。この措置は、社会的な制裁を通じて企業の法令遵守を促すことを目的としています。

企業名が公表されると、経営に多大な悪影響が及びます。

企業名公表による主な経営上の影響
  • 社会的信用の失墜:「コンプライアンス意識の低い企業」という評判が広まり、ブランドイメージが大きく傷つく。
  • 取引関係への悪影響:既存の取引先からの契約見直しや、新規取引の停止につながる可能性がある。
  • 金融機関からの評価低下:融資の審査が厳しくなるなど、資金調達に支障をきたす恐れがある。
  • 採用活動の困難化:求職者が応募を敬遠し、優秀な人材の確保が難しくなる。
  • 従業員の離職:既存の従業員の士気が低下し、離職率が高まる可能性がある。

企業名の公表は、罰金などの金銭的ペナルティ以上に、長期的かつ深刻なダメージを企業に与える可能性があります。

民事上の効果:「労働契約申込みみなし制度」とは?

「労働契約申込みみなし制度」とは、派遣先が特定の違法派遣を受け入れた場合、その時点で、派遣労働者に対して直接雇用の申し込みをしたとみなす制度です。この制度は、違法派遣を抑止し、派遣労働者の雇用を保護することを目的としています。

派遣先が違法行為の事実を知らなかったとしても、知らなかったことに過失がない(善意無過失)と証明できない限り、この制度が適用されます。

労働契約申込みみなし制度の対象となる主な違法派遣
  • 派遣禁止業務(建設、警備など)に派遣労働者を従事させた場合
  • 無許可の事業者から労働者派遣を受け入れた場合
  • 期間制限(3年ルール)に違反して派遣労働者を受け入れた場合
  • いわゆる偽装請負(形式は請負だが実態は派遣)の場合

みなし制度が適用されると、派遣労働者が承諾すれば、派遣先との間に直接雇用契約が成立します。派遣先は採用の意思がなくても雇用義務を負うことになり、計画外の人件費発生など、事業運営に大きな影響が及びます。

派遣法違反を未然に防ぐための企業の対策

派遣契約書の締結時に確認すべき重要項目

適法な労働者派遣の第一歩は、実態に即した適切な派遣契約書を締結することです。契約締結時には、特に以下の項目を慎重に確認する必要があります。

派遣契約書で確認すべき重要項目
  • 業務内容:従事する業務が具体的かつ明確に記載され、適用除外業務に該当しないか。
  • 就業条件:就業場所、指揮命令者、派遣期間、就業日、始業・終業時刻、休憩時間などが正確か。
  • 期間制限への対応:事業所単位および個人単位の抵触日が明記されているか。
  • 待遇に関する事項:同一労働同一賃金の原則に基づき、比較対象労働者の待遇情報が適切に扱われているか。
  • 派遣元の許可:派遣元事業者の許可番号(「派」で始まる番号)が記載されているか。

契約書の内容を法務部門や専門家も交えてチェックし、法令に準拠していることを確認する体制が望まれます。

派遣社員の就業実態を正確に管理する体制の構築

適切な契約を締結しても、現場での運用が契約内容と異なれば違法状態となるリスクがあります。派遣社員の就業実態を正確に管理する体制が不可欠です。

就業実態を管理するためのポイント
  • 派遣先管理台帳の整備:法定様式に基づき、就業日、労働時間、業務内容などを日々正確に記録し、3年間保存する。
  • 労働時間の客観的な管理:タイムカードや勤怠管理システムを用い、契約時間を超える残業や休日労働が適正な範囲内か管理する。
  • 指揮命令系統の明確化:契約書で定めた指揮命令者以外が指示を出さないよう、現場の役割分担を徹底する。
  • 現場管理者への教育:指揮命令者に対し、派遣法の基本ルールや禁止事項に関する研修を実施し、コンプライアンス意識を高める。

定期的に現場の状況を確認し、契約内容と実際の業務に乖離が生じていないかをモニタリングすることも重要です。

派遣元事業者との定期的な情報共有と連携強化のポイント

派遣法遵守のためには、派遣元事業者との緊密な連携が欠かせません。信頼できるパートナーとして良好な関係を築き、相互に法令遵守状況を確認し合うことが、リスク管理につながります。

派遣元との連携強化のポイント
  • 定期的な協議の場の設定:派遣社員の就業状況や課題、法改正への対応について定期的に情報交換を行う。
  • 抵触日の管理と事前協議:派遣期間の抵触日を双方で共有し、期間満了後の対応(直接雇用、契約終了など)を早めに協議する。
  • トラブル発生時の連携体制:派遣社員からの苦情やトラブルが発生した際の連絡窓口を明確にし、迅速に共同で対応する体制を整える。
  • 派遣元の適格性確認:派遣元の事業許可の更新状況や、社会保険の加入状況、派遣労働者への教育訓練の実施状況などを定期的に確認する。

健全なパートナーシップを構築することで、派遣活用のメリットを最大化し、コンプライアンス違反のリスクを低減できます。

違反の疑いが生じた際の社内調査と対応のポイント

社内で派遣法違反の疑いが発覚した場合や、内部通報があった場合は、迅速かつ誠実な対応が求められます。問題を隠蔽せず、早期に是正することが被害の拡大を防ぎ、企業の信頼を守る鍵となります。

違反の疑いが生じた際の対応フロー
  1. 人事部や法務部が中心となり、迅速に事実関係の調査を開始する。
  2. 関係者へのヒアリングに加え、契約書、勤怠データ、業務日報などの客観的な証拠を収集・分析する。
  3. 違反の事実が確認された場合、直ちに違法状態を解消するための是正措置を講じる。
  4. 派遣元事業者へ事実を報告し、連携して対応策を協議する。
  5. 根本的な原因を究明し、再発防止策(社内ルールの見直し、研修の実施など)を策定・実行する。

必要に応じて、労働局などの行政機関に相談し、指導を仰ぐことも有効な手段です。

労働者派遣法に関するよくある質問

派遣契約書に記載のない業務を一時的に依頼しても問題ないですか?

原則として問題があります。派遣労働者への業務指示は、派遣契約書に記載された業務内容の範囲内に限定されます。契約外の業務を指示することは契約違反であり、トラブルの原因となります。

業務の関連で付随的に発生する軽微な作業であれば許容される場合もありますが、その判断は曖昧でリスクを伴います。恒常的・本格的に契約外の業務が必要になった場合は、必ず事前に派遣元に相談し、契約内容の変更手続きを行ってください。

派遣社員に直接、残業を指示することはできますか?

はい、一定の条件下で可能です。派遣社員に残業を指示するには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

残業指示に必要な条件
  • 派遣元において、時間外・休日労働に関する労使協定(36協定)が適正に締結・届出されていること。
  • 派遣契約書および派遣労働者への就業条件明示書に、時間外労働を命じる可能性がある旨が記載されていること。

これらの条件を満たしていれば、派遣先の指揮命令者は、36協定および契約書の範囲内で残業を指示できます。ただし、派遣社員の労働時間管理は派遣先の指揮命令下で行われるため、過重労働にならないよう適切に管理する義務があります。

自社で派遣法違反の可能性がある場合、どこに相談すべきですか?

まず、社内の法務部やコンプライアンス担当部署に相談するのが第一です。その上で、外部の専門家や行政機関に助言を求めることをお勧めします。

主な相談先
  • 顧問弁護士や社会保険労務士:法的な観点から具体的なリスク判断や是正措置についてアドバイスを受けられます。
  • 都道府県労働局(需給調整事業部):派遣法を管轄する行政機関であり、法令解釈や対応について相談できます。
  • 日本人材派遣協会などの業界団体:業界団体が設置する相談窓口を利用できる場合があります。

早期に専門家や行政に相談し、適切な対応をとることが重要です。

派遣社員の能力不足を理由に契約を中途解除することは可能ですか?

原則として、派遣先の一方的な都合による契約の中途解除は認められません。派遣契約は、個々の労働者の能力を保証するものではなく、労働力の提供を目的とする契約です。

もし派遣社員のスキルが業務内容と著しく乖離している場合は、まず派遣元にその旨を伝え、改善(教育指導など)や交代を要請するのが適切な手順です。それでも問題が解決せず、やむを得ず契約を解除する場合でも、派遣先は派遣社員の新たな就業機会の確保(関連会社での就業斡旋など)や、派遣元に生じた損害(休業手当相当額など)の賠償といった措置を講じる義務を負う可能性があります。安易な中途解除は大きなリスクを伴うため、慎重な対応が必要です。

まとめ:労働者派遣法の遵守は企業の信頼を守る礎

本記事では、二重派遣や期間制限違反、特定目的行為の禁止など、労働者派遣法における主要な違反行為と、それに伴う罰則や行政処分について解説しました。派遣法違反は、刑事罰や事業許可の取消しといった直接的なペナルティだけでなく、企業名の公表や「労働契約申込みみなし制度」の適用など、企業の社会的信用や事業運営に深刻な影響を及ぼすリスクを内包しています。これらのリスクを回避するためには、派遣契約の内容を正確に把握し、現場の就業実態を適切に管理する体制を構築することが不可欠です。派遣元事業者との緊密な連携を保ちつつ、定期的に社内のコンプライアンス体制を見直すことが、適法な派遣活用と企業の持続的な成長を守る鍵となります。

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