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使用者賠償責任保険とは?労災保険との違いや高額賠償事例、加入時のポイントを解説

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従業員が労働災害に見舞われた際、企業の損害賠償責任はどこまで及ぶのでしょうか。政府の労災保険は基本的な補償を行いますが、慰謝料などを含む高額な民事上の賠償請求をすべてカバーできるわけではありません。このような経営上の重大なリスクに備えるため、「使用者賠償責任保険」の重要性が高まっています。この記事では、使用者賠償責任保険の基本的な仕組みや補償範囲、具体的な判例を交えながら、その必要性を詳しく解説します。

目次

使用者責任とは?労働災害における企業の賠償リスク

企業の損害賠償責任の根拠となる「使用者責任」(民法715条)

使用者責任とは、従業員が業務の執行中に第三者へ損害を与えた場合、会社もその損害を賠償する責任を負うという民法715条の規定です。この責任は、会社が従業員を使って利益を得ている以上、その活動から生じる損失も負担すべきという「報償責任」と、事業活動によって社会的な危険を生み出している者は、その危険が現実化した際に責任を負うべきという「危険責任」の考え方に基づいています。

使用者責任が成立するためには、以下の要件を満たす必要があります。

使用者責任の成立要件
  • 会社と加害従業員との間に実質的な指揮監督関係があること
  • 加害行為が事業の執行に関連して行われたこと
  • 従業員本人に不法行為責任が成立すること

「事業の執行」の範囲は広く解釈される傾向にあり、客観的に職務と関連する行為であれば責任が認められやすくなっています。民法には、会社が従業員の選任・監督に相当の注意を払ったことを証明すれば免責される規定がありますが、裁判でこの免責が認められることは極めて稀であり、事実上、無過失責任に近い厳しい運用がなされています。

政府の労災保険だけでは賠償責任をカバーしきれない理由

政府が管掌する労災保険は、労働者が業務や通勤で被災した際に、迅速な補償を行うための公的制度です。しかし、この制度は労働者の最低限の生活保障を目的としており、民事上の損害賠償をすべて代替するものではありません。

労災保険の給付ではカバーしきれない損害には、主に以下のものがあります。

労災保険でカバーされない主な損害
  • 精神的苦痛に対する賠償(慰謝料)
  • 裁判基準で算定される逸失利益との差額分
  • 休業補償における給与満額との差額分(労災給付は約8割)

特に重大な点は、労災保険の給付項目には慰謝料が一切含まれていないことです。死亡事故や重い後遺障害が残った場合、被災した従業員本人や遺族から請求される高額な慰謝料は、全額が会社の自己負担となります。また、逸失利益や休業補償についても、労災保険の給付額は裁判で認められる損害額に満たないケースが多く、企業はその差額を支払う法的な義務を負うことになります。

労災保険の給付額を超える損害賠償請求が発生するケース

労災保険の給付額を大幅に超える高額な損害賠償請求は、特に深刻な事故が発生した場合に起こり得ます。代表的なケースは、従業員の死亡や、重篤な後遺障害が残る事故です。特に若年層の従業員が亡くなった場合、将来得られるはずだった長期間の収入(逸失利益)が損害として算定されるため、賠償額は数千万円から1億円以上に達することもあります。

また、会社側に安全配慮義務違反が認められる場合も、賠償額が高騰する大きな要因となります。安全配慮義務とは、従業員の生命や身体を危険から守るために、会社が講じるべき配慮義務のことです。具体的には、以下のような状況で義務違反が問われます。

安全配慮義務違反が問われる状況の例
  • 高所作業で適切な足場や安全帯の使用を徹底させていなかった
  • 機械の安全装置が故障しているのを放置していた
  • 過重労働を認識しながら適切な措置を講じなかった

近年では、物理的な事故だけでなく、過労やハラスメントを原因とする精神障害に関する訴訟も増加しており、企業規模にかかわらず高額な賠償リスクが現実に存在しています。

使用者賠償責任保険の概要と基本的な仕組み

使用者賠償責任保険が補償する範囲の基本

使用者賠償責任保険は、従業員が労働災害によって死亡または負傷した結果、会社が法律上の損害賠償責任を負うことで生じる経済的損失を補償する保険です。この保険の主な目的は、政府の労災保険だけではカバーできない民事上の賠償責任を補い、企業の経営を守ることにあります。

保険金の支払いは、事故が業務災害として労災認定され、かつ会社に安全配慮義務違反などの法的責任が認められることが前提となります。補償される主な内容は以下の通りです。

使用者賠償責任保険の主な補償内容
  • 従業員や遺族へ支払う損害賠償金(慰謝料、逸失利益など)
  • 訴訟に対応するための弁護士費用
  • 示談交渉や和解にかかる費用

この保険の大きな特徴は、転落事故などの物理的な災害だけでなく、過労死や過重労働による脳・心臓疾患、さらには業務上のストレスが原因の精神障害による自殺といったケースも広く補償対象に含めることができる点です。

政府労災保険や法定外労災保険(上乗せ労災)との関係性

労災事故に対する企業の補償体系は、しばしば3階建ての構造に例えられます。それぞれの役割は以下の通りです。

階層 保険の種類 役割・特徴
1階 政府労災保険 法律で加入が義務付けられた公的保険。過失の有無を問わず、最低限の補償を迅速に行う。
2階 法定外労災保険(上乗せ労災) 企業の福利厚生として任意で加入。政府労災に上乗せして定額の死亡保険金などを支払う。
3階 使用者賠償責任保険 1階と2階の給付でも不足する、民事上の損害賠償責任を補填する。
労災補償の3階建て構造

この関係は自動車保険に例えると、政府労災が「自賠責保険(強制保険)」、使用者賠償責任保険が「任意保険」に相当します。実際の賠償では、裁判で認定された損害額全体から、政府労災保険や法定外労災保険からの給付額を差し引いた差額分が、使用者賠償責任保険の支払い対象となります。このように、本保険は他の補償制度を土台として、企業が最後に負う法的な賠償リスクを引き受ける役割を担っています。

類似する保険「雇用慣行賠償責任保険(EPLI)」との違い

使用者賠償責任保険とよく似た名称の保険に、「雇用慣行賠償責任保険(EPLI)」があります。両者の最も大きな違いは、補償対象となる損害の性質です。使用者賠償責任保険は、あくまで従業員の身体的な障害(死亡、傷害、疾病)に起因する損害賠償を対象とします。

一方、雇用慣行賠償責任保険は、身体的な障害を伴わない不当な雇用慣行によって従業員が受けた精神的苦痛などに対する賠償責任をカバーします。両者の違いをまとめると以下のようになります。

比較項目 使用者賠償責任保険 雇用慣行賠償責任保険(EPLI)
主な補償対象 従業員の死亡・傷害・疾病といった身体的障害に関する賠償責任 不当解雇やハラスメントなど身体的障害を伴わない雇用慣行に関する賠償責任
具体例 労災事故による後遺障害への慰謝料、過労によるうつ病発症への賠償 不当な理由での解雇に対する慰謝料、セクハラに対する慰謝料
前提条件 多くの場合、政府労災保険の認定が前提となる 労災認定の有無は問わず、雇用をめぐる権利侵害全般に対応する
使用者賠償責任保険と雇用慣行賠償責任保険(EPLI)の比較

企業はこれらの違いを理解し、労災リスクと労務管理上のリスクの双方に備える必要があります。

使用者賠償責任保険で支払われる保険金の内訳

法律上の損害賠償金(治療費・逸失利益・慰謝料など)

保険金支払いの中心となるのが、判決や和解によって確定した、会社が法律上負担すべき損害賠償金です。これには、労災保険の給付範囲を超える様々な損害が含まれます。

主な損害賠償金の内訳
  • 治療費: 労災保険の療養給付でカバーされない自由診療費など。
  • 逸失利益: 事故がなければ将来得られたはずの収入。労災の障害年金等で不足する部分を補填。
  • 慰謝料: 労災保険では一切支払われない、精神的・肉体的苦痛に対する賠償金(入通院、後遺障害、死亡など)。
  • 葬儀費用: 労災保険の葬祭料を超える実費部分。

これらの損害賠償金は、契約時に設定した支払限度額の範囲内で支払われます。

訴訟や和解にかかる費用(弁護士費用・争訟費用)

労働災害が訴訟などの紛争に発展した場合に必要となる費用(争訟費用)も補償の対象となります。これにより、企業は費用を心配することなく、法的に適切な対応をとることが可能になります。

主な争訟費用の内訳
  • 弁護士費用: 会社側代理人弁護士への着手金や報酬金。
  • 訴訟費用: 裁判所に納める印紙代や、証人の日当・旅費など。
  • 和解・調停費用: 訴訟前の示談交渉や調停手続きにかかる費用。
  • 鑑定費用など: 事故の再現実験や専門家の意見書作成にかかる費用。

これらの費用が損害賠償金とは別枠で支払われるか、合算して限度額が適用されるかは保険契約によって異なるため、確認が必要です。

その他の付随費用(協力費用・求償権保全費用など)

損害賠償金や争訟費用のほかに、事故対応や事後処理の過程で発生する付随的な費用も補償される場合があります。

主な付随費用の内訳
  • 協力費用: 保険会社の調査や証拠収集に協力するために会社が支出した実費(交通費、通信費など)。
  • 求償権保全費用: 事故原因が第三者にある場合に、その第三者へ賠償を求める権利(求償権)を保全・行使するためにかかった費用。
  • 緊急措置費用: 事故直後の応急手当や被害拡大防止のために支出したやむを得ない費用。

これらの補償は、事故対応における企業の細かな経済的負担を軽減し、円滑な事後処理を支援する役割を果たします。

高額な損害賠償が命じられた近年の労働災害判例

【判例1】過重労働による過労死・精神疾患

近年の労災訴訟で賠償額が高額化しているのが、過重労働を原因とする過労死や精神疾患の事案です。有名な広告代理店の新入社員が長時間労働によりうつ病を発症し自殺した事件では、会社の安全配慮義務違反が厳しく問われ、最終的に1億6,000万円超の和解金が支払われました。裁判所は、従業員の健康状態の悪化を認識しながら放置したことを重く見ています。

これらの判例では、会社が従業員の労働時間を適切に把握していなかったり、実質的な業務負担の軽減措置を怠ったりした点が指摘されています。司法は、企業に対して従業員の「心の健康」についても高い予見可能性結果回避義務を求めており、極めて大きな経営リスクとなっています。

【判例2】建設業・製造業における重大な安全配慮義務違反

建設業や製造業の現場では、物理的な安全対策の不備が重大事故に直結します。例えば、プレス工場で安全装置を設置しなかったために従業員が重傷を負った事故や、建設現場で足場の不備により転落事故が発生したケースなどです。このような事案では、後遺障害の程度に応じて数千万円から1億円を超える賠償が命じられています。

たとえ安全帯の使用を指示していても、親綱の設置が不十分であった場合などは、会社が安全配慮義務を果たしたとは認められません。また、下請業者の従業員が被災した場合でも、現場を実質的に管理していた元請業者に高額な賠償が命じられる判決も出ており、現場の安全管理には極めて高度な責任が伴うことを示しています。

【判例3】ハラスメントに起因する従業員の自殺

パワーハラスメントを原因とする従業員の自殺も、高額賠償が命じられるケースとして増加しています。上司からの執拗な叱責や人格否定が原因で従業員が精神的に追い詰められ自殺した事案では、会社に対して8,000万円を超える損害賠償を命じる判決が確定しています。

この種の事案では、加害者個人の責任だけでなく、ハラスメントの相談を放置するなど、職場環境を改善しなかった会社の使用者責任が厳しく追及されます。ハラスメントが結果的に死亡という最悪の事態を招いた因果関係が重視されるため、一度労災認定されると、その後の民事訴訟で賠償を免れるのは極めて困難です。ハラスメント対策は、法務上の最優先リスク管理事項の一つと言えます。

保険加入時に確認・検討すべき重要ポイント

適切な支払限度額(保険金額)の設定方法

支払限度額は、万一の際に企業を守るための生命線です。近年の死亡・重度後遺障害事案では、賠償額が1億円から2億円を超えるケースも少なくないため、これを基準に設定する必要があります。実務的なリスク管理として、以下の点を考慮して設定することが推奨されます。

支払限度額設定の目安
  • 1名あたりの支払限度額: 最低でも1億円、可能であれば3億円程度
  • 1事故あたりの支払限度額: 複数名の被災に備え、10億円程度

設定にあたっては、自社の従業員の平均年齢や年収も考慮すべきです。若年層が多い企業は、死亡時の逸失利益が高額になる傾向があるため、より手厚い補償を検討する必要があります。法定外補償制度の給付額も踏まえ、それを超える部分を十分にカバーできる余裕を持った設計が重要です。

免責金額(自己負担額)の考え方と設定の注意点

免責金額とは、保険金を請求する際に会社が自己負担する金額です。免責金額を高く設定すれば月々の保険料は安くなりますが、その金額以下の小規模な事故はすべて自己負担となります。設定時には以下の点に注意が必要です。

免責金額設定時の注意点
  • 適用単位の確認: 「1事故あたり」か「被災者1名あたり」かで、複数人が被災した際の自己負担総額が大きく異なる。
  • 会社の災害補償規定との関係: 会社の規定に基づく見舞金などが免責金額のように扱われる契約もあるため、保険の支払い条件と整合性を確認する。

保険料の節約を優先しすぎると、いざという時にキャッシュフローを圧迫する可能性があるため、企業の財務体力に見合ったバランスの取れた設定が求められます。

保険金が支払われない主なケース(免責事由)

保険契約には、保険金が支払われない特定のケース(免責事由)が定められています。契約前に必ず確認し、自社のリスクと照らし合わせる必要があります。

主な免責事由の例
  • 故意: 会社役員などによる故意または重大な過失による事故。
  • 天災地変: 地震、噴火、津波などが原因の損害(天災危険補償特約を付帯すればカバー可能)。
  • 戦争・テロ: 戦争、内乱、暴動などの異常な事態による損害。
  • 特定疾病: アスベスト(石綿)などによる健康被害(別途特約が必要な場合が多い)。
  • 海外での事故: 日本国外の業務における事故(海外PL保険などで対応)。

自社の事業内容に特有のリスクが免責事由に該当していないか、契約約款を十分に確認することが重要です。

万一の労災発生時における保険会社への報告と対応の流れ

労働災害が発生した際には、迅速かつ適切な初期対応が、保険を有効に活用する上で不可欠です。基本的な対応の流れは以下の通りです。

労災発生時の対応フロー
  1. 被災者の救護と二次災害の防止を最優先で行う。
  2. 遅滞なく保険会社または代理店に事故の発生を報告する(日時、場所、状況など)。
  3. 現場写真の撮影や目撃者の証言記録など、客観的な証拠を保全する。
  4. 保険会社の承認なく、独断で被害者と示談をしたり、賠償責任を認めたりしない。
  5. 示談交渉は、必ず保険会社の担当者と連携を取りながら進める。

特に重要なのは、保険会社の承諾を得る前に責任を認めないことです。これを怠ると、保険金が支払われない場合があるため注意が必要です。

使用者賠償責任保険に関するよくある質問

パートやアルバイト、派遣社員も補償の対象になりますか?

はい、原則として補償の対象となります。使用者賠償責任保険は、正社員、契約社員、パート、アルバイトといった雇用形態を問わず、会社が実質的に指揮監督しているすべての労働者を対象とします。労働基準法上の「労働者」に該当すれば、勤務時間や呼称は関係ありません。

ただし、派遣社員については、雇用契約は派遣元企業と結んでいますが、業務上の指揮命令は派遣先企業が行うため、派遣先も安全配慮義務を負います。万が一、派遣先で事故が発生し、派遣先企業が訴えられた場合に備え、保険契約で派遣社員が対象に含まれているかを確認しておくことが重要です。

精神疾患(うつ病など)や過労死による損害賠償請求も対象ですか?

はい、現在の多くの使用者賠償責任保険では、補償の対象となります。過重労働やハラスメントなどを原因とするうつ病の発症、あるいはそれに伴う自殺といった精神疾患に関する事案で、会社が損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われます。

保険金支払いの前提として、労働基準監督署によってその精神疾患が「業務上災害」であると認定されることが条件となるのが一般的です。労災認定が下りた場合、その後の民事訴訟で会社側の責任が認められやすくなるため、この補償の重要性は非常に高まっています。

下請け企業の従業員が起こした事故による損害も補償されますか?

標準の契約では自社の従業員のみが対象ですが、特約を付帯することで補償対象に含めることが可能です。これを「下請負人補償」などと呼びます。

建設現場などでは、事故を起こした下請企業の従業員が、直接の雇用主だけでなく、現場全体を管理する元請企業に対しても損害賠償を請求するケースが少なくありません。下請企業に十分な賠償能力がない場合、元請企業がその責任を負うリスクがあります。このような場合に備え、特に建設業などを営む企業にとっては、下請負人を補償対象に加えることが重要なリスク対策となります。

保険料はどのような要素で決まりますか?

保険料は、主に以下の要素を総合的に評価して算出されます。

保険料を決定する主な要素
  • 業種: 建設業や製造業など、労災リスクが高いとされる業種は保険料が高くなる傾向がある。
  • 事業規模: 年間売上高や従業員への支払給与総額など。規模が大きいほど保険料は高くなる。
  • 補償内容: 支払限度額の高さ、免責金額の低さ、付帯する特約の種類など。
  • 過去の事故実績: 過去数年間の労災事故の発生状況や保険金支払実績。無事故であれば割引が適用される場合がある。

保険会社ごとに評価基準や保険料率が異なるため、複数の会社から見積もりを取り、自社のリスク実態に合ったプランを比較検討することが推奨されます。

企業の安全衛生への取り組みは保険料に影響しますか?

はい、保険料の割引につながる場合があります。多くの保険会社は、企業の安全衛生管理体制を評価し、リスクが低いと判断した企業に対して保険料の割引制度を適用しています。

割引の対象となる取り組みの例は以下の通りです。

保険料割引の対象となりうる安全衛生活動の例
  • 労働安全衛生法に基づくストレスチェックの全社的な実施
  • 専門の安全管理部門の設置と定期的な従業員研修の実施
  • メンタルヘルスケアに関する相談窓口の設置
  • ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)などの認証取得

安全衛生への投資は、従業員を守るだけでなく、保険料というコストを削減する上でも有効な経営戦略と言えます。

まとめ:労災の高額賠償リスクに備える使用者賠償責任保険の重要性

本記事では、使用者賠償責任保険の仕組みと重要性について解説しました。労働災害が発生した際、企業は安全配慮義務違反などを根拠に、政府労災保険の給付額を大幅に超える高額な損害賠償責任を負うリスクがあります。特に、慰謝料や逸失利益の差額は会社の自己負担となり、近年の判例では過労死やハラスメントを原因とする訴訟で賠償額が1億円を超えることも珍しくありません。使用者賠償責任保険は、こうした法的な賠償金や弁護士費用を補償し、企業の財務的打撃を防ぐための重要なセーフティネットです。万一の事態に備え、自社の事業内容や従業員構成を踏まえ、十分な支払限度額を設定した保険への加入を具体的に検討することが、持続的な経営基盤を維持する上で不可欠です。同時に、保険はあくまで事後的な備えであり、日頃から安全衛生管理体制を強化し、労災を未然に防ぐ取り組みを継続することが最も重要です。

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