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行政による差し押さえとは?手続きの流れ、対象財産、回避・解除の方法を解説

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税金や社会保険料を滞納し、行政から「差し押さえ」の通知が届くと、事業の先行きに強い不安を感じることは当然です。この行政による差し押さえは、裁判所の判断を経ずに預金や売掛金、不動産といった事業の根幹をなす資産を強制的に確保する強力な手続きであり、その影響は計り知れません。しかし、手続きの正しい知識を持ち、適切な段階で対処すれば、最悪の事態を回避できる可能性は残されています。この記事では、行政による差し押さえの基本から実行までの流れ、対象財産、そして回避・解除するための具体的な対処法までを体系的に解説します。

目次

行政による差し押さえの基本

行政による差し押さえの定義と法的根拠

行政による差し押さえとは、税金や国民健康保険料などの公租公課を滞納している者に対し、国や地方自治体が法律に基づいて強制的に財産を確保する手続きです。これは滞納処分の一環として行われ、滞納者の意思に関わらず財産の処分を禁止し、最終的に公売などで金銭に換えて滞納分に充当することを目的とします。この手続きの法的根拠は、国税については国税徴収法、地方税については地方税法に定められています。行政機関は、民間の債権者と異なり、裁判所の判決といった債務名義を必要とせず、自らの判断で強制執行を開始できる自力執行権を持っています。この強力な権限は、公共サービスの財源となる税収の公平性と確実性を担保するために認められています。

差し押さえが実行されるための法的要件

差し押さえが法的に有効となるためには、以下の要件を満たす必要があります。

差し押さえ実行の法的要件
  1. 税金などの納付期限が経過していること。
  2. 行政機関から督促状が送付されていること。
  3. 督促状を発した日から起算して10日を経過する日までに、滞納額が完納されていないこと。
  4. 差し押さえの対象となる財産が、滞納者本人に帰属していること。
  5. 対象財産が、法律で定められた差押禁止財産ではないこと。

ただし、実務上は督促状の送付後すぐに差し押さえが実行されることは稀で、通常は電話や文書による催告が複数回行われた後、最終的な手段として実施されます。

差し押さえの法的な効力(財産の処分禁止など)

差し押さえが実行されると、対象財産には強力な法的効力が生じます。

差し押さえの主な法的効力
  • 財産の処分禁止: 滞納者は対象財産の売却、贈与、担保設定といった一切の法律上の処分ができなくなります。
  • 第三者への対抗力: 不動産の場合は登記簿に記載、預金の場合は金融機関へ通知されることで、第三者に対しても効力を主張できます。
  • 徴収権の時効中断: 差し押さえが有効である限り、税金を徴収する権利の消滅時効の進行が停止します。

このように、差し押さえは滞納者の財産を法的に確保し、滞納されている税金などへの充当(換価)に向けた準備を整える重要な手続きです。

差し押さえ実行までの具体的な流れ

納期限の徒過と督促状の送付

滞納処分は、定められた納期限までに税金などが支払われないことから始まります。納期限の翌日からは、法律に基づき延滞税延滞金が加算されていきます。納付が確認できない場合、行政機関は法律の規定(国税徴収法第47条など)に従い、原則として納期限から50日以内に督促状を送付します。この督促状は単なる支払いの催促ではなく、差し押さえを行うための法的な前提条件となる極めて重要な通知です。督促状を無視すると、行政側は滞納者に支払いの意思がないと判断し、強制的な徴収手続きへと移行します。

財産調査の実施

督促状を送付しても納付がない場合、徴収職員は滞納者の財産を特定するための財産調査を開始します。行政機関には、法律に基づき滞納者や関係者に質問し、書類を検査する質問検査権が与えられており、この調査は滞納者の同意なしに強制的に行われます。調査は多岐にわたります。

主な財産調査の方法
  • 滞納者本人やその家族、従業員への質問や帳簿書類の検査
  • 銀行などの金融機関に対する預金残高や入出金履歴の照会
  • 勤務先に対する給与の支払状況の照会
  • 取引先に対する売掛金や請負代金の有無の照会
  • 不動産や自動車の所有状況の調査

この調査によって、差し押さえの効果が最も高い財産が特定されます。

差押予告通知書の送付

財産調査によって差し押さえ可能な財産が特定されると、多くの行政機関では、差し押さえ実行の直前に差押予告通知書を送付します。これは法律上の義務ではありませんが、滞納者に自発的な納税を促すための最終警告として行われる実務上の手続きです。通知書には、指定された期日までに完納されない場合、給与や預金、不動産などを差し押さえる旨が具体的に記載されています。この通知が届いた時点で、行政側はすでに差し押さえの準備を完了しており、いつでも実行できる状態にあることを意味します。この段階が、差し押さえを回避するための事実上最後のチャンスとなります。

差押調書の作成と送達による差押実行

最終警告である差押予告通知書を無視し、指定期限を過ぎても滞納が解消されない場合、徴収職員は差押調書を作成し、差し押さえを正式に実行します。差し押さえの効力は、対象となる財産の種類に応じて、以下の通知が送達された時点で発生します。

差押実行の効力発生のタイミング
  • 不動産・自動車・動産の場合: 滞納者本人に「差押調書」の謄本が送達された時点
  • 預金・給与・売掛金などの債権の場合: 銀行や勤務先などの第三債務者に「差押通知書」が送達された時点

差押通知書が第三債務者に届くと、滞納者への支払いは法的に禁止され、財産は行政の管理下に置かれます。これにより、滞納した税金に充当するための換価手続きへと進むことになります。

差し押さえの対象となる主な財産

預貯金・給与債権

行政による差し押さえで最も対象となりやすいのが預貯金給与債権です。これらは換価手続きが不要で、直接金銭として徴収できるため、行政にとって効率的な回収手段となります。預貯金は、差し押さえ通知が金融機関に届いた時点の残高が対象となり、滞納額に達するまで差し押さえられます。一方、給与は滞納者の生活保障のため全額を差し押さえることはできず、国税徴収法において税金や社会保険料を引いた手取り月額の2分の1が差押禁止範囲と定められています。ただし、滞納額が大きい場合は、完済されるまで毎月差し押さえが継続されることがあります。

売掛金・請負代金などの債権

法人が滞納している場合、取引先に対する売掛金や工事の請負代金、不動産の賃料収入などの債権も有力な差し押さえ対象です。行政は財産調査で契約書などを確認し、取引先(第三債務者)へ差押通知書を送付して、滞納法人に支払われるはずだった金銭を直接取り立てます。この方法は、滞納法人の事業資金を断つだけでなく、取引先に滞納の事実が知られることで社会的信用を著しく損なうため、非常に強力な執行手段となります。

不動産(土地・建物)

土地や建物などの不動産は、資産価値が高いため、特に滞納額が大きい場合に差し押さえの対象となります。不動産が差し押さえられると、法務局で差押登記が行われ、登記簿にその事実が記載されます。これにより、滞納者はその不動産を売却したり、新たに担保に入れたりすることができなくなります。差し押さえ後も、公売によって所有権が移転するまでは居住や使用を続けられますが、最終的には強制的に売却され、滞納分に充当されます。住宅ローンが残っていても、資産価値がローン残高を上回っていれば差し押さえの対象となります。

自動車・機械設備などの動産

自動車や事業用の機械設備、宝飾品、骨董品といった動産も差し押さえの対象です。徴収職員が滞納者の自宅や事業所を捜索(捜索)し、金銭的価値のある動産を発見した場合、その場で差し押さえることができます。自動車の場合はタイヤロックで物理的に使用不能にされたり、差し押さえられた動産には差し押さえ中であることを示す標識(封印紙など)が貼られたりします。ただし、事業に不可欠な機械や、生活に最低限必要な家財道具などは、差押禁止財産に該当する場合があります。

有価証券(株式など)

株式や投資信託、国債などの有価証券も差し押さえの対象です。上場株式であれば、証券会社に差押通知書を送達することで、売買や名義変更が禁止されます。非上場の株式であっても、評価額が算定できれば差し押さえは可能です。また、生命保険の解約返戻金を受け取る権利も債権の一種として差し押さえの対象となり、行政が滞納者に代わって保険契約を解約し、返戻金を徴収することもあります。

法律で定められた差押禁止財産とは

滞納者とその家族の最低限の生活を保障するため、法律では差し押さえてはならない差押禁止財産が定められています。

主な差押禁止財産
  • 生活に不可欠な衣類、寝具、家具、台所用具など
  • 3ヶ月間の食料および燃料
  • 業務に欠くことができない器具や道具
  • 実印、仏像、位牌など礼拝や祭祀に必要な物
  • 滞納者や家族の学習に必要な書籍および器具
  • 66万円までの現金(標準的な世帯の2ヶ月間の生活費を勘案した額)
  • 給与などのうち、法律で定められた一定額
  • 生活保護や児童手当、年金などを受け取る権利

ただし、年金などが銀行口座に振り込まれて預金となった後は、原則として預金債権として差し押さえの対象となるため注意が必要です。

取引先への影響は?売掛金差し押さえに伴う信用リスク

売掛金を差し押さえられると、資金繰りが悪化するだけでなく、企業の社会的信用に深刻なダメージを与えます。行政から取引先へ差押通知書が送達されることで、自社が税金を滞納し、強制執行を受けるほどの経営状況にあることが公になってしまいます。その結果、以下のような様々なビジネス上の不利益が生じるリスクがあります。

売掛金差し押さえがもたらす信用リスク
  • 取引先に経営危機を懸念され、今後の取引を縮小・停止される
  • 新規の取引契約が困難になる
  • 支払い条件を現金払いに変更されるなど、取引条件が悪化する
  • 契約書に定められた条項に基づき、取引契約を解除される
  • 金融機関からの融資が受けられなくなる

一度失った信用を回復することは極めて困難であるため、売掛金の差し押さえは絶対に避けなければならない事態です。

民間の差し押さえ(強制執行)との違い

行政による差し押さえと、貸金業者など民間の債権者による差し押さえ(強制執行)は、手続きの根拠や進め方が大きく異なります。主な違いは以下の通りです。

項目 行政による差し押さえ(滞納処分) 民間の強制執行
根拠法 国税徴収法、地方税法など 民事執行法
手続き機関 税務署、市区町村などの行政機関 裁判所
債務名義の要否 不要(自力執行権) 必要(確定判決、公正証書など)
手続きの迅速性 非常に迅速 時間がかかる傾向がある
行政による差し押さえと民間の強制執行の比較

根拠法と手続き機関の違い

行政による差し押さえは、国税徴収法地方税法といった税法を根拠とし、税務署や市区町村などの行政機関自らが手続きを執行します。一方、民間の差し押さえは民事執行法を根拠とし、手続きはすべて裁判所が主導します。手続きの主体が、徴収権者自身である行政か、中立的な司法機関である裁判所かという点が根本的な違いです。

債務名義の要否(裁判所の判決等が不要な点)

民間の債権者が差し押さえを行うには、まず訴訟などを起こして勝訴判決を得るなど、債権の存在を公的に証明する債務名義を取得しなければなりません。これには多大な時間と費用がかかります。しかし、行政による差し押さえでは、この債務名義は一切不要です。行政は自力執行権という強力な権限を持っており、法律の要件を満たせば、司法の判断を経ずに自らの判断で差し押さえを実行できます。

手続きの迅速性と自力執行権の有無

自力執行権を持つ行政による差し押さえは、民間の手続きに比べて圧倒的に迅速です。法律上、督促状の発送から10日後には差し押さえが可能となり、滞納者が財産を隠す時間を与えません。また、行政は単独で金融機関や勤務先への広範な調査を行えるため、財産の特定も容易です。このように、公共の利益を確保するため、行政による徴収手続きは民間とは比較にならないほど強力かつ効率的に設計されています。

差し押さえを回避・解除するための対処法

滞納後速やかに行政窓口へ相談する

差し押さえを回避するために最も重要かつ効果的なのは、納付が困難だと分かった時点で、一日でも早く行政の担当窓口へ相談することです。督促状を無視したり連絡を絶ったりすることは、行政に「納税の意思なし」と判断させ、差し押さえの実行を早める最悪の対応です。窓口では、現在の収支状況や資産状況を正直に説明し、納税に対する誠実な姿勢を示すことが重要です。病気や失業、事業不振などやむを得ない事情がある場合は、その旨を具体的に伝えることで、分納や猶予制度の適用を検討してもらえます。

分納・納税の猶予を申請する

一括での納税が困難な場合、分納(分割での納付)や納税の猶予を申請することができます。特に「納税の猶予」は、災害、病気、事業の休廃止など、法律で定められた特定の理由がある場合に認められる制度で、大きなメリットがあります。

「納税の猶予」が認められた場合の効果
  • 原則として1年以内の期間で、納税が猶予される。
  • 猶予期間中の延滞税の全部または一部が免除される。
  • 新たな差し押さえや、すでに差し押さえられた財産の換価(売却)が停止される。

申請には収支状況を明らかにする書類などが必要ですが、生活や事業の立て直しを図る上で非常に有効な手段です。

換価の猶予を申請する

換価の猶予は、すでに財産を差し押さえられている場合に、その財産の売却(換価)を待ってもらう制度です。納税について誠実な意思があり、一時に納付すると事業の継続や生活の維持が困難になるおそれがある場合に申請できます。この制度が適用されると、原則1年以内の期間で財産の売却が猶予され、その間に分割して納付することが認められます。申請の結果、すでにされている差し押さえが解除されることもあります。「納税の猶予」とは異なり、災害などの特別な理由がなくても経済的な理由で申請できるため、より広い範囲の滞納者が対象となります。

滞納処分の執行停止を求める

差し押さえるべき財産が全くなく、滞納処分を執行することで生活が成り立たなくなるなど、極めて困窮している場合には、滞納処分の執行停止が認められることがあります。これは滞納者からの申立てではなく、行政が職権で行う措置ですが、生活状況を具体的に訴えることで検討される場合があります。執行停止となると、新たな滞納処分は行われず、既存の差し押さえも解除されます。さらに、執行停止の状態が3年間継続すると、滞納していた税金の納付義務そのものが消滅するという非常に強力な効果があります。これは、事実上納税が不可能な人に対する最終的な救済措置といえます。

差し押さえられた財産の換価処分について

差し押さえ財産の換価とは

換価とは、差し押さえた不動産、自動車、有価証券などの財産を売却し、金銭に換える一連の手続きのことです。差し押さえの最終目的は、確保した財産を現金化し、滞納されている税金などの支払いに充てることです。預金や給与といった金銭債権は、銀行や勤務先から直接取り立てるため換価は不要ですが、不動産などの現物資産は売却プロセスを経る必要があります。換価手続きが完了する前であれば、滞納額の全額と延滞金を納付することで、差し押さえを解除し財産を取り戻すことが可能です。

公売の手続きと配当の流れ

差し押さえ財産を換価する代表的な方法が公売です。公売で得られた代金は、法律の規定に従って関係者に分配(配当)されます。

公売から配当までの一般的な流れ
  1. 行政機関が公売の日時や場所、売却する財産の情報などを公示する。
  2. インターネットオークションや入札会場で入札が行われ、最高価申込者が落札者となる。
  3. 落札者が期限内に代金を全額納付すると、財産の所有権が落札者に移転する。
  4. 売却代金から、まず公売の実施にかかった費用(滞納処分費)が差し引かれる。
  5. 残額が滞納されている税金に充当される。
  6. 抵当権を持つ金融機関など、税金以外に優先される債権者がいる場合は、法律の順位に従って分配される。
  7. 全ての支払いを終えても残金(剰余金)がある場合は、元の所有者である滞納者に返還される。

行政による差し押さえに関するよくある質問

税金を滞納したら、すぐに財産を差し押さえられますか?

いいえ、法律上は督促状の送付から10日経過すれば差し押さえ可能ですが、実務上はすぐに実行されることはほとんどありません。通常は、その前に複数回の電話や文書による催告があり、納税相談に応じる機会が与えられます。ただし、連絡を完全に無視したり、納税の意思が見られないと判断されたりした場合は、警告なしに預金口座の差し押さえなどが実行される可能性があります。したがって、催告があった時点で速やかに対応することが重要です。

給与や預貯金は全額差し押さえの対象になりますか?

財産の種類によってルールが異なります。預貯金については、滞納額に満つるまで、口座残高の全額が差し押さえの対象となり得ます。一方、給与については、滞納者の生活を保障するため、国税徴収法において税金や社会保険料を引いた手取り月額の2分の1が差し押さえ禁止とされています。したがって、給与の全額が一度に差し押さえられることはありません。

差し押さえの通知を無視し続けるとどうなりますか?

差し押さえに関する通知や督促を無視し続けると、状況は悪化する一方です。行政側は滞納者に納税の意思がないと判断し、ためらうことなく強制的な手続きを進めます。具体的には、以下のような深刻な事態につながります。

差し押さえ通知を無視した場合のリスク
  • 予告なく預金口座が差し押さえられ、生活資金や事業資金が凍結される。
  • 勤務先に給与差押通知書が届き、経済状況が知られ信用を失う。
  • 自宅や事業所に徴収職員が立ち入る「捜索」が行われ、財産を強制的に持ち出される。
  • 延滞金が日ごとに加算され続け、本来の納税額を大幅に超える負債を抱える。

通知が届いた時点で、速やかに担当窓口に連絡し、誠実に対応することが唯一の解決策です。

会社の税金滞納で、経営者個人の財産が差し押さえられることはありますか?

原則として、ありません。会社(法人)と経営者(個人)は法律上別人格とされているため、会社が滞納した税金の責任を経営者個人が負うことは通常ありません。しかし、例外も存在します。例えば、経営者が会社の納税について連帯保証をしている場合や、会社の財産を不当に個人へ移転させるなどの詐害行為があったと認められる場合です。また、会社から経営者に支払われる役員報酬は経営者個人の財産(給与債権)であるため、差し押さえの対象となります。

税金の分納や納税猶予の相談はどこにすればよいですか?

滞納している税金の種類によって相談窓口が異なります。手元にある納付書や督促状に記載されている問い合わせ先に連絡するのが最も確実です。

主な税金の種類と相談窓口
  • 国税(所得税、法人税、消費税など): 所轄の税務署の徴収担当部門
  • 地方税(住民税、固定資産税など): お住まいの市区町村役場の納税課など
  • 地方税(自動車税、事業税など): 各都道府県の税事務所
  • 国民健康保険料: お住まいの市区町村役場の保険年金担当課
  • 国民年金保険料: 所轄の年金事務所

差し押さえ通知後の社内対応と情報共有のポイント

法人として差し押さえの通知を受けた場合、事業への影響を最小限に抑えるために、冷静かつ迅速な社内対応が求められます。特に情報管理は重要です。

差し押さえ通知後の社内対応のポイント
  • 情報の共有範囲を限定する: まずは経営陣や経理・法務責任者など、必要最小限のメンバーで事実を共有し、対応策を協議します。
  • 従業員の動揺を避ける: 不用意に情報が広まると、従業員の不安を煽り、離職などにつながる恐れがあるため、情報管理を徹底します。
  • 関係部署との連携を密にする: 給与差押の場合は人事・経理部門、売掛金差押の場合は営業部門と速やかに連携し、実務的な対応を進めます。
  • 誠実な情報開示: 事実を隠蔽するのではなく、資金繰りの見通しや解決策を立てた上で、影響のある関係者(金融機関や主要取引先など)に誠実に説明し、信頼関係の維持に努めます。

まとめ:行政による差し押さえに直面したら、迅速な相談と正しい対処が不可欠

本記事では、行政による差し押さえの定義から具体的な手続き、そして回避・解除方法までを解説しました。行政による差し押さえは、裁判所の判断を必要としない「自力執行権」に基づき、督促状の送付から最短10日で実行されうる、極めて迅速かつ強力な手続きです。預金や売掛金、不動産など事業の根幹となる資産が対象となり、特に取引先に知られる売掛金の差し押さえは、企業の社会的信用を根本から揺るがしかねません。

もし差し押さえの警告となる督促状や予告通知書が届いた場合、決して無視することなく、直ちに行政の担当窓口へ連絡し、誠実に納税の意思を示すことが最も重要です。一括での納付が困難な場合でも、分納や「納税の猶予」「換価の猶予」といった制度を活用することで、差し押さえを回避、あるいは解除できる可能性があります。手遅れになる前に行動を起こし、事業と信用を守るための最善策を講じましょう。

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