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反社会的勢力との取引を断る伝え方とは?契約前・契約後の文例と対応フローを解説

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取引先が反社会的勢力である可能性が浮上した際、担当者にはトラブルを避けつつ、安全かつ合法的に取引を解消するという重大な責務が課せられます。曖昧な態度は事態を悪化させるため、毅然とした対応が不可欠です。この記事では、反社会的勢力との取引を断る際の基本原則から、契約状況別の具体的な伝え方と文例、社内対応フローまでを網羅的に解説します。

目次

反社会的勢力へ取引解消を伝える際の基本原則

理由を具体的に説明せず「総合的な判断」として伝える

反社会的勢力との取引を解消する際は、理由を具体的に説明しないことが鉄則です。相手が反社会的勢力に該当するという調査結果を直接伝えると、反論の隙を与え、トラブルが深刻化するおそれがあります。

直接的な理由説明を避けるべき理由
  • 相手から情報の出所や根拠の提示を執拗に求められる
  • 「事実無根だ」として名誉毀損で損害賠償請求をされるリスクがある
  • 交渉の長期化や、さらなる要求の口実を与えてしまう

したがって、回答は「社内の取引基準に基づく総合的な判断です」という表現に終始するのが最も安全です。企業の内部規定や審査基準は開示義務がないため、この姿勢を冷静に貫きます。契約締結前であれば、契約自由の原則に基づき、企業は誰と契約するかを自由に決定できるため、取引を拒絶しても法的な問題は通常生じません。

また、「検討中です」といった曖昧な返答は、相手に交渉の余地があると思わせ、接触を継続させる原因となります。一度下した決定は覆らないという毅然とした態度を一貫して示すことが、早期の関係遮断につながります。

担当者一人で対応せず、組織として毅然とした態度を貫く

反社会的勢力への対応を担当者一人に任せることは、極めて危険です。担当者個人への脅迫や、不適切な言質を与えてしまうリスクを避けるため、必ず組織として対応する体制を構築しなければなりません。

組織として対応する際のポイント
  • 法務・コンプライアンス部門を中心とした専門チームを編成する
  • 経営層が責任を持って後援する姿勢を明確にする
  • 対面での応対は必ず複数名で行い、説明役と記録役などの役割分担を事前に行う
  • 誰が対応しても同じ回答ができるよう、対応方針をマニュアル化しておく
  • 担当者が孤立しないよう、社内の相談ルートを確保し、迅速な情報共有を徹底する

相手は担当者を切り崩し、上司や経営層を引きずり出そうと要求してくることがあります。しかし、担当部署が正式な窓口であるという原則を崩さず、組織のルールに従って対応していることを強調します。個人の感情を排し、組織という厚い壁として対応することが、従業員の安全を守る最善策です。

相手からの要求には応じず、安易な言質を与えない

反社会的勢力は、金銭の支払いや謝罪など様々な不当要求をしてきますが、これには一切応じてはいけません。一度でも譲歩すると、それを弱みとしてさらなる要求を重ねられる危険性が非常に高くなります。

不当要求への対応原則
  • 解決金や謝罪文の提出など、いかなる要求にも応じない
  • その場での回答や、書類への署名・押印は「持ち帰って検討します」と伝え、必ず避ける
  • 相手の話を肯定したと受け取られないよう、相槌の打ち方にも注意を払う
  • 口頭でのやり取りを避け、要求内容は書面で提出するよう求める

書面での要求提出を求めることは、相手の主張の矛盾点を明確にしたり、警察や弁護士へ相談する際の客観的な証拠としたりするために有効です。常に自社のペースを維持し、相手の土俵に乗らないことが、不当要求を退けるための鍵となります。

【状況別】反社会的勢力との取引を断る際の伝え方と文例

契約締結前:新規取引を断る場合の伝え方と文例

新規取引の契約締結前であれば、企業には契約を結ばない自由(契約自由の原則)があります。法的な権利義務関係はまだ発生していないため複雑な手続きは不要ですが、相手に攻撃の口実を与えないよう、事務的かつ簡潔な伝え方が求められます。

新規取引を断る際のポイント
  • 電話や面談ではなく、記録が残るメールや書面で通知する
  • 理由は「社内の総合的な審査の結果」とし、審査基準は開示できないと伝える
  • 相手が反社会的勢力であることには一切触れない
  • 丁寧な言葉遣いをしつつも、交渉の余地がないことを明確に示す

以下に、書面で通知する場合の文例を示します。

貴社よりお申し込みいただきました新規お取引の件につきまして、社内で慎重に検討いたしました結果、誠に残念ながら、今回はお取引を見送らせていただくこととなりました。 これは弊社の内部基準に基づく総合的な判断によるものであり、審査の詳細につきましては開示いたしかねますので、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。

この文面のように、あくまで自社の内部事情による決定であることを強調し、相手が反論する隙をなくします。万が一、相手が来社して説明を求めてきた場合も、この文面に沿った回答を組織として一貫して行うことが重要です。

契約締結後:契約解除通知書で伝える場合の文例(暴排条項の活用)

契約締結後に相手が反社会的勢力だと判明した場合、契約書に定められた暴力団排除条項(暴排条項)に基づいて契約を解除します。暴排条項は、相手が反社会的勢力に該当する場合に、催告なしで直ちに契約を解除できる権利を定めたものです。

通知は、法的な証拠能力を確保するため、配達証明付きの内容証明郵便で行うのが鉄則です。通知書には、どの契約書のどの条項に基づいて、いつ契約を解除するのかを明確に記載します。

以下に、契約解除通知書の文例を示します。

弊社と貴社との間で締結いたしました令和〇年〇月〇日付「〇〇契約書」につきまして、本書面の到達をもちまして、同契約書第〇条に基づき、直ちに本契約を解除いたします。 本書面到着後、本件に関しまして弊社へ直接ご連絡いただくことは固くお断りいたします。今後のご連絡は、すべて弊社代理人弁護士(〇〇法律事務所 弁護士〇〇)宛にお願いいたします。

最後の文言で直接の連絡を拒否し、窓口を弁護士に一本化することで、担当者の安全を確保し、相手からの嫌がらせを未然に防ぎます。法的に有効な形で契約を終了させ、関係を完全に遮断することが目的です。

契約解除後の残務処理における注意点(未払金・納品物等の扱い)

契約を解除した後も、未払金の支払いや納品物の返還といった残務処理が残ることがあります。相手との接触を最小限にするため、迅速かつ事務的に処理を進める必要があります。

残務処理における主な注意点
  • 未払金: 反社会的勢力への資金提供と見なされるリスクを避けるため、直接支払わず、弁護士と相談の上で法務局への供託手続きを検討する。
  • 納品物・貸与品: 可能な限り郵送での返還を求め、直接の受け渡しが必要な場合は運送業者など第三者の立ち会いの下で行う。
  • 連絡: すべての処理が完了した後は、二度と連絡を取らないという断固とした姿勢を保つ。

残務処理は、相手に新たな要求の口実を与えかねない危険なプロセスです。必ず弁護士などの専門家と相談しながら、安全かつ法的に問題のない方法で進めてください。

取引解消を伝える手段の選び方と各注意点

内容証明郵便:証拠能力が高く、契約解除の正式通知に適した方法

契約解除のような重要な意思表示を通知する際、最も確実で証拠能力が高い手段が内容証明郵便です。これは、いつ、誰が、誰に、どのような内容の文書を送ったかを郵便局が公的に証明するサービスです。

内容証明郵便の主なメリット
  • 高い証拠能力: 「通知を受け取っていない」という相手の主張を法的に封じることができる(配達証明の付加が必須)。
  • 心理的効果: 強い拒絶の意思を事務的に伝え、相手にプレッシャーを与えることができる。
  • 専門家の活用: 弁護士名義で送付することで、法的な専門家が介入していることを示し、不当な抵抗を抑止する効果が期待できる。

注意点として、内容証明郵便は文書の内容が事実であることを証明するものではありません。したがって、通知する内容は、事前に弁護士と相談し、契約書に基づいた法的に正当なものであることを十分に確認しておく必要があります。

対面での通告:複数名で対応し、会話記録を残す際の注意点

やむを得ず対面で取引解消を告げる場合は、担当者の安全確保を最優先に考え、周到な準備が必要です。密室での一対一の状況は絶対に避けなければなりません。

対面応対時の主な注意点
  • 場所の指定: 自社が管理でき、非常時の避難経路が確保された会議室などを応対場所に指定する。
  • 複数名での対応: 必ず複数名で臨み、説明役と記録役に役割を分担する。
  • 会話の記録: ICレコーダーなどで会話を必ず録音し、相手の言動を詳細にメモする。
  • 時間制限: 冒頭で「本日の応対は30分までです」などと時間を区切り、長時間の居座りを防ぐ。
  • 毅然とした態度: 湯茶の提供は控え、相手が感情的になっても冷静に「決定事項は覆らない」と繰り返し伝える。
  • 緊急時の対応: 相手が退去に応じない場合は、不退去罪が成立する可能性があるため、ためらわず警察に通報する。

対面での通告は、相手を説得する場ではなく、組織としての決定事項を一方的に伝達し、その事実を記録する場であると認識することが重要です。

電話での連絡:初期連絡には有効だが、正式な通告には不向き

電話連絡は、相手の反応を即座に確認できるため、正式な書面を送る前の事務連絡など、初動の状況把握には有効です。しかし、法的な証拠能力が低いため、契約解除などの正式な通告手段としては適していません。

特徴 詳細
メリット 相手の反応を即座に確認でき、緊急時の初動対応に役立つ。
注意点 録音していても「言った言わない」の争いになりやすく、証拠能力が低いため、正式な通告には不向き。
電話連絡のメリットと注意点

電話で連絡する際は、必ず会話を録音し、話す内容をまとめたスクリプトを事前に用意しておきます。理由は「社内規定による判断」と簡潔に伝え、詳細は書面で送付する旨を告げて速やかに通話を終了させます。執拗に電話がかかってくる場合は、威力業務妨害として警察に相談するための記録を蓄積します。

取引先が反社と判明した後の社内対応フロー

担当者による事実確認と上長・関連部署への迅速な報告

取引先が反社会的勢力であるという疑いが生じたら、担当者はまず、その情報を客観的な事実として整理します。いつ、どこで、誰からその情報を得たのか、具体的な根拠は何かを明確にした上で、決して一人で抱え込まず、直ちに上長へ報告します。初動の遅れはリスクを拡大させるため、迅速な報告が組織を守る第一歩となります。

法務・コンプライアンス部門を中心とした情報集約と対応方針の検討

報告を受けた上長は、法務・コンプライアンス部門などの専門部署へ速やかに情報を共有します。専門部署は情報を集約し、外部調査機関も活用しながら、反社会的勢力との関与の度合いを正確に評価します。

専門部署が行う主な検討事項
  • 外部調査機関を利用した詳細な属性調査
  • 契約書の暴排条項の有効性の確認
  • 契約解除に伴う法務・事業上のリスク分析
  • 顧問弁護士への相談と法的見解の確認

これらの調査・分析に基づき、具体的な対応方針の選択肢を複数立案し、経営層の判断を仰ぐ準備を整えます。

経営層を含めた最終的な意思決定プロセスの確立

反社会的勢力との取引解消は、経営に重大な影響を及ぼす可能性があるため、最終的な意思決定は必ず経営層が関与して行います。法務部門が立案した対応方針を経営会議などで審議し、会社としての方針を公式に決定します。

このプロセスでは、短期的な経済的損失と、関係を放置することによる長期的な信用の失墜(レピュテーションリスク)とを比較衡量し、企業の社会的責任を果たすという観点から判断を下すことが重要です。トップが明確な意思決定を行うことで、現場の担当者は迷いなく毅然とした対応をとることができます。

対応経緯の記録作成と保管(証拠保全の徹底)

反社会的勢力への対応は、将来の訴訟や行政調査に備え、すべての経緯を証拠として詳細に記録・保管することが不可欠です。

記録・保管すべき情報の例
  • 最初の報告から取引解消までの日時、場所、対応者、経緯
  • 相手との面談記録や電話の録音データ
  • やり取りしたメールや送付した書面の控え
  • 相手からの不当な要求や威圧的な言動の具体的な内容

これらの記録は、組織としての対応の正当性を証明するための重要な資産となります。アクセス権限を厳格に管理した上で、必要な際にいつでも取り出せるように保管します。

取引解消の事実に関する社内での情報共有範囲と管理方法

取引解消の事実は社内で適切に共有する必要がありますが、情報漏洩を防ぐため、その範囲は必要最小限に限定しなければなりません。不用意な情報の拡散は、相手を刺激したり、新たなトラブルを招いたりする原因となります。

情報管理のポイント
  • 共有範囲: 担当部署、上長、経営層、法務部門など、対応に直接関わる関係者に限定する。
  • 共有方法: 口頭での伝達を避け、暗号化されたメールやアクセス制限のあるサーバーを利用する。
  • 他部署への伝達: 詳細は伏せ、「当該取引先との契約は終了した」という事実のみを伝え、新たな接触を防ぐ。

情報の質と範囲を適切にコントロールすることが、二次的なリスクを防止するための重要な鍵となります。

外部専門機関への相談と連携方法

弁護士:契約解除の法的妥当性の確認や代理交渉の依頼

反社会的勢力との関係遮断において、弁護士は最も重要なパートナーです。法的リスクを管理し、従業員の安全を確保するため、早い段階から相談することが推奨されます。

弁護士への主な依頼事項
  • 契約書の暴排条項の有効性など、契約解除の法的妥当性の判断
  • 会社に代わって交渉を行う代理人としての活動
  • 弁護士名義での内容証明郵便の送付と、その後の窓口の一本化
  • 訴訟や仮処分命令の申立てといった法的措置の実行

専門家が介入することで、相手は不当な要求を続けにくくなります。特に、民事介入暴力対策に精通した弁護士に依頼することが極めて有効です。

警察:脅迫や威力業務妨害など具体的な被害が発生した場合の相談

相手の言動がエスカレートし、具体的な犯罪行為に及んだ場合や、その危険性が高い場合は、ためらわずに警察へ相談します。

警察に相談すべき具体的なケース
  • 「どうなっても知らないぞ」などの脅迫や、土下座の強要(強要罪
  • 執拗な電話や事務所への押しかけによる威力業務妨害
  • 事務所から退去するよう要求しても居座り続ける(不退去罪
  • 従業員に対するつきまとい行為

相談する際は、これまでの経緯をまとめた記録や録音データを持参すると、警察が状況を把握しやすくなります。緊急時には迷わず110番通報できるよう、社内体制を整えておくことが重要です。

暴力団追放運動推進センター(暴追センター):警察への橋渡しや対応ノウハウの指導

暴力団追放運動推進センター(暴追センター)は、各都道府県に設置されている公的な支援機関です。警察と密接に連携しており、企業が反社会的勢力に対応する際の様々なサポートを提供しています。

暴追センターの主な役割
  • 反社会的勢力に関する情報提供や相談対応
  • 具体的な対応方法に関するノウハウの指導
  • 警察への相談の橋渡し
  • 企業の担当者向けの不当要求防止責任者講習の実施
  • 必要に応じた弁護士の紹介

警察に相談する前の段階でも気軽に相談できるため、企業のコンプライアンス担当者にとっては心強い味方となります。日頃から連携を図っておくことが望ましいでしょう。

相手からの抗議や不当要求への実践的対処法

電話やメールでの抗議への対応:担当者を限定し、冷静に対応する

取引解消の通知後、相手から抗議の連絡が来ることが想定されます。対応が担当者ごとに異なると、そこを突かれて交渉が長引く原因になるため、窓口を特定の担当者に限定し、組織として一貫した対応をとります。

電話・メールでの抗議への対応ポイント
  • 担当者の限定: 問い合わせ窓口を特定の担当者に一本化し、他の従業員は対応しないよう徹底する。
  • 冷静な応対: 相手が感情的になっても、事前に準備した「決定事項は覆らない」という趣旨の回答を冷静に繰り返す。
  • 記録の徹底: 電話での会話はすべて録音し、メールも完全に保存して証拠化する。
  • 簡潔な返信: メールの返信は、これ以上の回答はできない旨を簡潔に伝え、やり取りを長引かせない。
  • 連絡の遮断: 業務に支障が出るほど執拗な場合は、威力業務妨害として警察への相談を検討し、着信拒否などの措置をとる。

事務所へ来訪された場合の対応:応対場所の事前指定と複数名での応対

相手が警告を無視して事務所に来訪した場合、組織の安全管理体制が問われます。以下の手順に沿って、冷静かつ毅然と対応します。

来訪時の対応手順
  1. 入館の制限: アポイントのない来訪は原則として断り、応対する場合も執務エリアには決して入れず、特定の応対室へ誘導する。
  2. 複数名での応対: 必ず複数名で対応し、時間を30分以内などと区切ることを冒頭で明確に伝える。
  3. 威圧的言動への対処: 相手が大声を出すなどした場合は、即座に応対の中止を宣言し、退去を求める。
  4. 警察への通報: 退去要求に従わない場合は不退去罪が成立するため、ためらうことなく110番通報する。
  5. 記録と拒絶: すべてのやり取りを録音・記録し、相手が持参した書面への署名・押印は一切拒否する。

不当要求をされた場合の対応:その場での回答は避け、専門家へ即時相談する

金銭の支払いや謝罪など、何らかの不当要求をされた場合は、その場で安易な回答をしないことが最も重要です。

不当要求への対応三原則
  • 即答を避ける: 「私の一存では判断できませんので、会社に持ち帰ります」と伝え、その場での回答を徹底して避ける。
  • 要求内容を記録する: 相手の要求の根拠を問い、具体的な内容を明らかにさせるとともに、すべてのやり取りを録音・記録する。
  • 専門家へ相談する: 要求を受けたら直ちに弁護士や警察、暴追センターに連絡し、具体的な対応策の指示を仰ぐ。

担当者が独断で「検討します」などと返答すると、後々「約束した」と主張され、解決を困難にします。不当要求には組織として一切応じないという方針を貫くことが、会社を守る唯一の道です。

反社会的勢力との取引解消に関するよくある質問

取引中止の理由を「弊社の内部規定により」と伝えても問題ありませんか?

はい、問題ありません。むしろ、それが実務上最も適切かつ安全な伝え方です。「相手が反社会的勢力だから」と直接的な理由を告げると、名誉毀損で訴えられる、情報の根拠を追及されるなど、新たな紛争の火種となります。

企業の取引基準や審査内容は公開義務のない内部情報です。「弊社の内部規定に基づく総合的な判断です」という説明に終始することで、相手に反論の隙を与えず、交渉の余地がないことを明確に示せます。

相手との会話を無断で録音することは法的に問題がありますか?

自己の権利や安全を守るため、また、業務上のやり取りを正確に記録するという正当な目的があれば、相手の同意なく会話を録音すること(秘密録音)が直ちに違法となることはありません

民事裁判では、反社会的勢力からの脅迫や不当要求を立証する重要な証拠として、その証拠能力が認められるのが一般的です。ただし、録音したデータを正当な理由なく第三者に公開するとプライバシー侵害にあたる可能性があるため、弁護士や警察への提出など、目的を限定して慎重に取り扱う必要があります。

一度関係を断った後、嫌がらせや報復行為を受けたらどうすればよいですか?

街宣活動や執拗な電話、従業員へのつきまといといった嫌がらせや報復行為は、威力業務妨害や脅迫、ストーカー規制法違反といった明確な犯罪行為です。自社だけで解決しようとせず、直ちに警察に通報・相談してください。

同時に、弁護士を通じて裁判所に接近禁止の仮処分を申し立てるなどの法的措置も有効です。嫌がらせの事実を写真や録音などで詳細に記録し、証拠として保全しておくことが、迅速な解決につながります。組織として一切屈しないという強い姿勢で、公的機関と連携して対応することが重要です。

相手から「反社ではない」という誓約書を提出された場合、取引を継続しても安全ですか?

安全とは言えません。誓約書は、相手が反社会的勢力ではないことを保証するものではありません

誓約書の本当の役割は、万が一後から反社会的勢力であることが判明した場合に、契約書(暴排条項)に基づいて即時に契約を解除し、損害賠償を請求するための法的な根拠となる点にあります。形式的な書類を鵜呑みにせず、誓約書を徴求した上で、定期的な反社チェックや情報収集を継続し、取引の実態を常に監視する体制を維持することが不可欠です。

まとめ:毅然とした態度で、組織的にリスクを遮断する

反社会的勢力との取引解消は、企業のコンプライアンス体制が問われる重大な局面です。最も重要な原則は、理由を具体的に告げず「総合的な判断」として伝え、組織として毅然とした態度を貫くことにあります。契約締結前であれば契約自由の原則、締結後であれば暴排条項に基づき、内容証明郵便など証拠能力の高い方法で通知することが基本です。相手からの抗議や不当要求に対しては、担当者一人で対応せず、必ず弁護士や警察といった外部専門機関と連携してください。万が一の事態に備え、本記事で解説したフローに沿って、まずは社内の専門部署へ迅速に報告・相談することから始めましょう。冷静かつ組織的な対応こそが、従業員と会社を不当なリスクから守るための唯一の道筋です。

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