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株主総会と取締役会はどちらが先|権限と人事ごとの開催順序を確認

経営リスクナビ編集部

株主総会と取締役会の開催順序は、取締役会設置会社か否か、監査役設置会社かといった機関設計によって組み立て方が変わります。順序や前提決議を取り違えると、決議取消し(会社法第831条)などの争点になり得て、登記・監査対応や株主との関係整理に余計な負担が生じます。役員選任、定款変更、報酬改定などの議案ごとに「総会で枠を作る/取締役会で具体化する」をどこまで徹底すべきか、同日開催やみなし決議(会社法第319条1項、会社法第370条)をどう組み合わせるかが実務の迷いどころです。以下では、開催順序の判断材料として権限配分・前提関係・招集手続の要点を示します。

目次

株主総会と取締役会の役割

株主総会の決議事項と株主の権限

株主総会は、株式会社の根本的な意思決定を行う機関で、会社の所有者である株主によって構成されます。株主総会で決議できる範囲は、会社の機関設計(取締役会設置会社か否か等)により大きく異なります。

株主総会で決議できる範囲(機関設計による違い)
  • 取締役会を設置していない会社では、会社の組織・運営・管理に関する一切の事項について株主総会で決議できます。
  • 取締役会設置会社では、株主総会の決議事項は法令に定められた事項および定款で定めた事項に限定されます。
株主(株主総会)が持つ代表的な権限の例
  • 取締役や監査役などの役員を選任・解任する権利
  • 定款変更や組織再編など、会社の基礎構造を変更する権利
  • 剰余金処分の承認権など

これらは、株主が議決権の行使を通じて企業の重要方針に関する最終的な意思表示を行うための権限です。実務では、まず自社が「取締役会設置会社か」「定款で株主総会の決議事項をどう定めているか」を確認し、株主総会で決めるべき範囲を誤らないことが重要です。

取締役会の決議事項と経営の執行

取締役会は、すべての取締役で構成される意思決定機関で、業務執行の決定と取締役の職務執行の監督を担います。取締役会設置会社では、日々の業務執行の決定は取締役会が行うのが原則です。

取締役会の主な決議事項(例)
  • 代表取締役の選定および解職
  • 業務執行の基本方針の策定
  • 重要な財産の処分や譲受け
  • 多額の借財
  • 支配人の選任および解任
  • 支店などの重要な組織の設置

これらの重要事項は、法律上、特定の取締役に決定を全任(全面委任)することが禁じられている領域に当たります。取締役会は会社経営の指揮を執る一方で、代表取締役を含む業務執行取締役の職務が適法かつ適切に行われているかを継続的に監督する責務を負います。実務では、決議事項の「株主総会マター/取締役会マター」を混同すると、手続違反として紛争化しやすいため、付議基準(社内ルール)も含めて整理しておくことが安全です。

どちらが先かの判断軸

株主総会が先になる典型場面

株主総会を先に開催すべき典型例は、株主総会の決議が取締役会決議の前提条件になっている場面です。前提となる地位・枠組みが株主総会決議で成立していないと、その後の取締役会決議が組み立てられません。

株主総会が先行しやすい典型例
  • 取締役の選任と、その後の代表取締役の選定
  • 発行可能株式総数を変更する定款変更
  • 役員報酬の総額枠の変更

例えば代表取締役を新たに選定する場合、まず株主総会で取締役に選任される決議が有効に成立している必要があります。選任が成立していない段階では、取締役会で代表取締役を選定する前提が欠けます。

また、株主総会で定款変更(例:発行可能株式総数の変更)や報酬総額枠の決議を行った後に、その決議を受けて取締役会が、募集株式の発行条件や各役員への報酬配分などの具体的内容を決めるのが実務の基本です。親機関である株主総会の承認を先に得てから、取締役会が実務的な決定に落とし込むという順序を崩さないことが、形式違反リスクの低減につながります。

決議が競合するときの優先関係

株主総会と取締役会の意見・決議内容が競合する場合でも、優先関係は「どちらが上か」という抽象論ではなく、法令・定款での権限配分により決まります。

取締役会設置会社では、会社法上の規定または定款で定めた事項を除き、株主総会が業務執行の決定を行うことはできません。そのため、取締役会の権限に属する業務執行事項について株主総会が反対の決議をしても、決議の効力としては取締役会の決定が優先する整理になります。

ただし株主総会には、取締役の選任・解任という強い権限があります。取締役会が株主の意向と乖離した意思決定を続ける場合、株主は株主総会で取締役を解任することで、間接的に経営方針の是正を図れます。このため、個別の業務執行の決定は取締役会が優位でも、ガバナンス全体では株主総会の意思が反映されうる構造になっています。

定款に委任規定があるかで変わる「総会で決める範囲」と「取締役会に落とす範囲」

株主総会と取締役会の権限配分は、定款に委任規定(授権規定)があるかどうかで実務上の取り扱いが大きく変わります。会社法上、株主総会決議が原則とされる事項でも、定款に定めることで取締役会に決定権限を委ねられるものがあります。

定款の委任規定がある場合に取締役会で決められることがある例
  • 自己株式の取得
  • 中間配当の決定

例えば、市場取引などによる自己株式の取得について、定款で「取締役会決議による」旨を定めていれば、株主総会を開かずに取締役会のみで機動的に買付けが可能になります。中間配当も、定款授権があれば取締役会決議で決定できます。

一方、定款に委任規定がない場合は、原則どおり株主総会決議が必要です。実務では、定款だけでなく、株主総会規程・取締役会規程(付議基準)も含めて「どこまでを総会で決め、どこからを取締役会に落とすか」を事前に確定させ、当日の議事設計と整合させることが安全運用のポイントです。

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招集と議長の法令・定款確認

株主総会の招集権者と議長の根拠

株主総会の招集は、原則として取締役が行うことが会社法で定められています。取締役会設置会社では、株主総会の日時・場所・会議の目的事項などの招集事項は、取締役会決議で決定しなければなりません。

少数株主が招集請求を行い裁判所の許可を得て招集する特例などを除くと、取締役会設置会社で取締役会決議を経ない招集は、招集手続の適法性に疑義が生じやすく、後日の紛争リスク(決議取消し等)につながります。

また株主総会の議長は、議事の整理や会場の秩序維持を担う実務上重要な役割です。議長を誰が務めるかについて法令の直接規定はありませんが、一般的には定款で代表取締役や社長が議長となる旨を定めます。定款に規定がない場合は、総会当日に株主の決議で議長を選任する運用になります。

取締役会の招集権者と議長の根拠

取締役会は、原則として各取締役が招集権を有します。ただし、定款または取締役会の決議で特定の取締役を招集権者と定めた場合は、その取締役のみが招集権を行使します。

招集権者が限定されている場合でも、他の取締役は招集権者に対し、会議の目的事項を示して取締役会の招集を請求できます。招集権者が請求に応じない場合は、請求した取締役自身が取締役会を招集できると整理されます。

取締役会の議長についても法令上の直接規定はないため、定款または取締役会の決定(取締役会規程を含む)で定めます。実務上は代表取締役社長や会長が議長を務めることが多いため、招集権者・議長の定款規定や社内規程を事前に確認し、招集通知や議事録の記載と矛盾が出ないようにしておくことが不可欠です。

代表取締役の交代直後に誰が招集権者になるか|就任時点と前決議のつながりを確認する

代表取締役の交代局面では、株主総会・取締役会の招集を「誰の権限で」「いつ決め」「いつ通知したか」という時系列を明確にする必要があります。

交代時に実務上問題になりやすい時系列の整理ポイント
  • 旧代表取締役の在任中に開催決定された会議は、決定時点で適法な招集権者による通知として扱われます。
  • 株主総会で新取締役が選任され、直後の取締役会で新代表取締役が選定された場合、選定決議の成立と就任承諾の時点から新代表取締役が代表権および招集権を取得します。
  • 新代表取締役の就任後に開催する次回以降の取締役会は、新代表取締役の権限で招集通知を発する必要があります。

旧代表取締役が退任後に招集手続を行った場合、招集手続の不備として決議取消しの対象となるリスクが生じます。招集決定と通知発出の主体を、就任・退任のタイミングと整合させて整理しておくことが実務上の要点です。

役員選任の開催順序

取締役・監査役の選任と解任の流れ

取締役および監査役の選任や取締役の解任は原則として株主総会の普通決議で行いますが、監査役の解任には特別決議が必要です。

監査役の選任は、議案提出の前提手続を誤りやすい点に注意が必要です。取締役が監査役の選任議案を株主総会に提出するには、あらかじめ監査役または監査役会の同意を得なければなりません(監査役会設置会社なら監査役会の同意)。同意を得ずに提出された選任議案による決議は、手続上の瑕疵として問題になり得ます。

また、取締役の解任も株主総会の普通決議で行われますが(監査役の解任は特別決議)、解任された役員に正当な理由がない場合は、損害賠償請求権が発生することがあります。なお、株主総会での選任決議を経た後、被選任者が就任を承諾してはじめて、役員としての効力が発生します。

代表取締役と取締役社長の選定順序

代表取締役の選定は、株主総会と取締役会の順序設計が最も重要になる場面の一つです。会社法上、代表取締役は取締役の中から選定しなければならないため、取締役でない者を直接代表取締役にすることはできません。

代表取締役選定の基本的な順序(取締役会設置会社の典型)
  1. 株主総会で対象者を取締役に選任する決議を行います。
  2. 選任された者が就任を承諾し、取締役としての地位が成立します。
  3. 新たに構成された取締役会を開催し、取締役の中から代表取締役を選定する決議を行います。

また、「社長」「専務」等の肩書(役職名)は会社法上の法定機関ではなく、社内の職務上の呼称にすぎません。実務では、取締役会で代表取締役を選定するのと同時に、社長などの役職を委嘱する決定を行うことが一般的です。順序を崩すと、登記や対外説明の整合が取れなくなり、後日の紛争リスクが高まります。

報酬決定と定款変更を伴う人事案件

役員増員や報酬改定を伴う人事は、「先に枠を作る(変更する)」「後から具体を決める」という組み立てが基本です。特に、定款の員数規定や報酬総額枠のように、株主総会決議が前提となる事項を先に処理しておく必要があります。

先行させる必要がある典型的な前提決議
  • 定款で定めた取締役の員数上限を超えて増員する場合の、員数規定の定款変更(特別決議)
  • 新任役員追加により従来の役員報酬枠を超える場合の、報酬総額の限度額改定

例えば、定款変更が必要な増員の場合は、まず株主総会で員数規定を変更する特別決議を可決し、その効力発生後に増員分の取締役選任決議を行います。報酬についても、株主総会で報酬枠の改定が承認された後に、取締役会で各取締役の具体的な配分や支給条件を決定する流れが基本です。前提となる承認を経ずに選任・報酬支給まで進めると、決議の効力が争われるリスクがあるため注意してください。

役員報酬の総額決議で足りる会社と個別条件の再決議が必要になりやすい会社の分かれ目

役員報酬の決定手続は、会社の機関設計と報酬制度の内容により対応が分かれます。

総額決議で足りやすいパターン(典型)
  • 取締役会設置会社で、株主総会が取締役報酬の総額上限を決め、個別配分を取締役会に委任する運用

この場合、総額枠の範囲内であれば、毎年の増減額を取締役会で決められるため、都度株主総会決議を取り直さずに運用しやすくなります。

一方で、譲渡制限付株式報酬のような非金銭報酬を新設する場合や、従来の金銭報酬枠とは別枠で株式を交付する場合には、株主総会で支給上限額や株式総数の上限を個別に決議すべき場面が生じます。

さらに、指名委員会等設置会社では報酬委員会が個人別報酬を決定するため、株主総会決議自体が不要となる整理になります。制度改定(報酬制度の新設・変更)の局面では、自社の会社類型と定款・社内規程に照らして、必要な決議の粒度を確認することが重要です。

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会社類型ごとの実務運用

取締役会設置会社と非設置会社の違い

取締役会の設置有無により、株主総会と取締役(取締役会)の権限関係、運営実務、そして開催順序の設計が大きく変わります。

観点 取締役会設置会社 取締役会非設置会社
株主総会の決議範囲 法令・定款で定められた重要事項に限定 会社のあらゆる事項について決定できる
業務執行の決定 取締役会が決定 取締役が複数なら取締役の過半数で決定
代表取締役の選定 取締役会で選定 株主総会決議・互選・定款の定め等で選定
株主総会の招集通知の時期 原則2週間前まで(非公開会社は原則1週間前まで) 原則1週間前まで(定款でさらに短縮可能)
取締役会設置会社と非設置会社の実務上の違い(要点)

実務では、同じ議案でも「取締役会設置会社なら取締役会決議が必要」「非設置会社なら株主総会で一括決議できる」といった差が出ます。まず自社の類型を確定させ、その上で定款・社内規程に沿って開催順序と議案の割り付けを行うことが安全です。

小規模会社の書面決議とみなし決議

株主や取締役が少数の会社では、会場に集まらずに決議を成立させる書面決議(みなし決議)が実務上よく用いられます。

みなし決議(書面決議)の基本要件
  • 株主総会のみなし決議は、取締役または株主の提案に対し、議決権を行使できる株主全員が書面または電磁的記録で同意した場合に成立します(会社法第319条1項)。
  • 取締役会のみなし決議は、定款に決議省略の規定があることが前提で、取締役全員が書面等で同意し、かつ監査役が異議を述べない場合に成立します(会社法第370条)。

いずれも全員同意が要件であるため、反対者・連絡不能者がいる場合には利用できません。また、同意書(書面)や同意内容を記録した電磁的記録については、本店での備置・保存と、閲覧対応を含めて適切に管理する必要があります。

監査役設置会社で順序を誤りやすい場面|監査役選任・同意・報酬関与の確認ポイント

監査役設置会社では、役員人事や報酬に関して監査役の権限に触れる手続があり、順序を誤ると形式違反になりやすいため注意が必要です。

監査役設置会社での確認ポイント(順序に直結する事項)
  • 監査役選任議案を株主総会に提出する前に、取締役は監査役の同意を得る必要があります(監査役会設置会社では監査役会の同意)。
  • 上記の同意手続は、株主総会の招集決定・招集通知の手当てと矛盾しないよう、総会準備の早い段階で終えておく必要があります。
  • 監査役の報酬は取締役の報酬と区別され、株主総会で決議するのは監査役全員の報酬総額の上限であり、個別配分は取締役会に委任できず監査役の協議で決定します。
  • 監査役は株主総会で、監査役の選任や報酬について意見を述べる権利を有します。

これらの事前同意や協議の手続きを省略して進めると、後から適法性が争われる原因になります。監査役とのコンフリクトを避ける観点でも、早期に議案内容を共有し、同意・協議の記録を残すことが実務上有効です。

臨時開催と同日開催の進め方

臨時株主総会と臨時取締役会の順序

緊急の意思決定が必要で、臨時株主総会と臨時取締役会を組み合わせる場合は、権限の前提関係を踏まえた順序設計が重要です。

臨時開催を組み合わせる標準的な段取り(典型)
  1. 第1回の臨時取締役会を開き、臨時株主総会の日時・目的事項などの招集事項と提出議案を決定します。
  2. 法令に基づく招集手続を経て臨時株主総会を開催し、役員選任や定款変更など株主専決事項を決議します。
  3. 総会終了直後に第2回の臨時取締役会を開き、新たに選任された取締役により代表取締役の選定等を決議します。

この流れにより、「招集を決める取締役会」「前提を作る株主総会」「具体化する取締役会」という時系列が明確になります。各機関の決議権限の境界を越えないよう、議案の書き方(総会決議の対象と、取締役会に委ねる対象)も合わせて設計することが重要です。

同日開催とバーチャル開催の注意点

株主総会と取締役会を同日に連続開催する場合は、総会の決議が確定してから取締役会を開始するという前後関係を、時間管理と議事録で明確にする必要があります。総会の進行が遅れた場合に備え、取締役会開始時刻に余裕を持たせておくと、実務が止まりにくくなります。

また、インターネット等を用いたバーチャル開催(Web会議等の併用)では、出席者の本人確認や、音声・映像の双方向リアルタイム性の確保が重要です。通信障害等により審議や採決に支障が出ると、決議取消しのリスクになり得るため、バックアップ回線・代替手段・運営ルールを事前に整備し、当日は記録(ログ等)も含めて厳格に管理することが求められます。

同日開催で実務が止まりやすい段取り|招集通知、着席者、議事録確定の時系列をどう組むか

同日開催では、準備不足により「誰を役員席に座らせるか」「いつから新任取締役として扱うか」「議事録の時刻をどう整合させるか」で混乱が起きやすくなります。現場対応で詰まらないよう、招集通知の発信から議事録確定までの時系列を事前に固めておくことが重要です。

同日開催での時系列設計(実務で止まりやすい点の対策)
  1. 招集決定の段階で総会招集通知を適法に発し、取締役候補者・関係者へ当日のタイムテーブルを共有します。
  2. 総会当日は、新任取締役候補者を選任決議の可決前は来賓席等で待機させ、可決と就任承諾の確認後に役員席へ移します。
  3. 株主総会閉会後、速やかに新体制の取締役会を開き、代表取締役の選定等を行います。
  4. 議事録には、株主総会の閉会時刻と取締役会の開会時刻を分単位で記録し、順序の適法性が第三者に説明できる形にします。

よくある質問

株主総会と取締役会の開催順序を誤ると無効になりますか?

開催順序を誤った場合でも、直ちにすべての決議が当然に無効となるとは限りません。しかし、手続上の重大な瑕疵として、決議取消しの訴えの対象となるリスクが高まります。

例えば、株主総会で取締役に選任される前に取締役会で代表取締役に選定した場合、前提資格を欠くため、決議の不存在や無効が主張されるリスクが生じます。また、取締役会設置会社で取締役会の招集決定を経ずに株主総会を開催したケースでは、招集手続の法令違反として決議取消し(会社法第831条)の問題になり得ます。登記手続での補正命令や法的紛争を避けるためにも、開催順序と前提決議の有無は厳格に確認してください。

議事録には開催順序をどう記載すべきですか?

議事録では、法令・定款に即して適法な順序で開催されたことを第三者に立証できるように記載します。

同日開催を含む議事録記載の実務ポイント
  • 株主総会議事録・取締役会議事録の双方に、開催年月日だけでなく開会時刻と閉会時刻を分単位で記載します。
  • 株主総会議事録には、取締役の選任決議の成立と席上での就任承諾の事実を明記します。
  • 取締役会議事録には、新任取締役が出席した上で代表取締役を選定したプロセスを、株主総会後の時系列として記載します。

順序が適法であることは、登記や監査対応、株主との紛争予防の観点でも重要になるため、「時刻」「出席者」「就任承諾の確認」まで含めて整合する形で作成します。

株主総会と取締役会を同じ日に開いてもよいですか?

株主総会と取締役会を同日に開催すること自体は、法律上支障ありません。実務でも、定時株主総会の閉会直後に新取締役による取締役会を開き、代表取締役を選定する運用は一般的です。

重要なのは、同日開催であっても「招集決定のための取締役会」→「役員を選任する株主総会」→「代表取締役を選定する取締役会」という前後関係を崩さないことです。時間区分と議事録記載を含めて時系列を明確に管理すれば、適法かつ円滑に運用できます。

株主総会と取締役会への対応で次にすべきこと

株主総会と取締役会の順序は、機関設計(取締役会設置会社か否か等)と、法令・定款での権限配分に沿って「前提を作る決議」と「具体化する決議」を分けて考えることが出発点です。特に役員選任や定款変更、報酬枠の改定は、株主総会決議が取締役会決議の前提になる場面が多く、順序を崩すと手続違反として争点化しやすくなります。実務では、招集権者・議長の根拠、監査役の同意や協議が必要な局面、みなし決議(会社法第319条1項、会社法第370条)の可否を、定款と社内規程(付議基準)に照らして事前に点検してください。同日開催を採る場合も、総会の決議確定後に取締役会を開始する時系列を、開会・閉会時刻を含めた議事録で説明できる形に整えることが重要です。個別案件の適法性や紛争予防の観点では、論点が交差する部分(監査役関与、招集手続、決議要件)を中心に、必要に応じて専門家へ相談する運用が安全です。



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