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セーフティネット保証4号とは?対象要件から申請手続き・必要書類まで解説

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自然災害や経済危機などの予期せぬ事態で資金繰りが急激に悪化し、事業継続に不安を感じている経営者の方も多いのではないでしょうか。このような緊急時に中小企業の資金調達を支える公的制度が、セーフティネット保証4号です。この記事では、セーフティネット保証4号の対象要件、申請手続き、必要書類について、実務上のポイントを具体的に解説します。

目次

セーフティネット保証4号とは?制度の概要と目的

突発的な災害等による資金繰り悪化に対応する保証制度

セーフティネット保証4号は、自然災害などの突発的な事由により経営に支障が生じている中小企業を支援するための公的な保証制度です。経済産業大臣が指定する災害などによって売上高が著しく減少した事業者を対象とし、通常の保証枠とは別枠で借入債務を保証します。これにより、中小企業の資金繰りを円滑にすることが制度の目的です。

制度を利用するには、事業所の所在地を管轄する市区町村長から認定を受ける必要があります。この認定書をもとに金融機関へ申し込むことで、信用保証協会の保証付き融資を受けやすくなります。

信用保証協会は、事業者が返済不能に陥った際に、金融機関へ借入金を代わりに返済する(代位弁済)役割を担います。これにより金融機関は融資のリスクが軽減されるため、経営状況が厳しい事業者にも資金供給が行われやすくなる仕組みです。本制度は、災害救助法が適用された地域などを国が指定することで発動され、事業者は運転資金や設備復旧資金を確保し、事業継続を図ることができます。

保証内容のポイント(保証割合・保証限度額)

セーフティネット保証4号の最大の特長は、保証割合が100%である点です。万が一返済不能となった場合、信用保証協会が融資額の全額を金融機関に返済します。他の制度(セーフティネット保証5号など)は保証割合が80%で金融機関にも20%のリスク負担があるため、100%保証である4号は金融機関にとって融資を実行しやすい制度といえます。

保証限度額も手厚く、一般保証枠(通常最大2億8,000万円)とは完全に別枠で、さらに最大2億8,000万円の保証枠が設定されます。これにより、一般保証枠と合わせると最大で5億6,000万円の保証付き融資を受けられる可能性があります。

保証期間は原則10年以内、資金使途は経営の安定に必要な運転資金や設備資金です。ただし、指定される案件ごとに細かなルールが異なる場合があるため、申請時には最新の情報を確認することが重要です。

セーフティネット保証4号の認定対象となる中小企業の要件

対象となる中小企業者の定義と範囲

認定対象となるのは、中小企業信用保険法に定められた中小企業者で、法人だけでなく個人事業主も含まれます。資本金や従業員数によって業種ごとに基準が定められています。

中小企業の定義(例)
  • 製造業など: 資本金3億円以下 または 従業員300人以下
  • 小売業: 資本金5,000万円以下 または 従業員50人以下
  • サービス業: 資本金5,000万円以下 または 従業員100人以下

また、事業所の所在地が経済産業大臣の指定地域内にあり、原則として1年以上継続して事業を行っていることが要件です。ただし、創業して間もない事業者向けに、事業継続期間の要件が緩和される措置もあります。申請は、法人の場合は本店登記地、個人事業主の場合は主たる事業所の市区町村で行います。

売上高等の減少要件(前年同月比20%以上減少)

認定を受けるための最も重要な要件は、指定された災害などに起因する売上高の減少です。具体的には、以下の2つの条件を両方満たす必要があります。

売上高等の減少要件
  • 指定災害等の発生に起因して、最近1ヶ月間の売上高等が前年同月に比べて20%以上減少していること。
  • その後2ヶ月間を含む合計3ヶ月間の売上高等が、前年同期に比べて20%以上減少することが見込まれること。

「売上高等」には、一般的な売上高のほか、建設業の完成工事高なども含みます。減少率は、小数点第2位以下を切り捨てて算出します。4号の認定では、原則として企業全体の売上高で判断されます。

創業者等に対する認定基準の緩和措置について

事業歴が1年未満の創業者や、事業拡大などにより前年比較が困難な事業者については、認定基準の緩和措置が設けられています。これにより、単純な前年比較ができない場合でも、災害等の影響による減収を証明することが可能です。

緩和措置を利用する場合、売上高の比較対象を以下のような方法に変更できます。

創業者等向け緩和措置の比較パターン(主な例)
  • 最近1ヶ月間の売上高等と、最近1ヶ月を含む直近3ヶ月間の平均売上高等を比較する。
  • 最近1ヶ月間の売上高等と、令和元年12月の売上高等を比較する。
  • 最近1ヶ月間の売上高等と、令和元年10月~12月の平均売上高等を比較する。

これらの緩和措置を利用する際は、通常とは異なる専用の申請様式が必要です。また、創業の事実を証明する履歴事項全部証明書(法人)や開業届(個人)などの書類が求められます。適用条件は自治体によって異なる場合があるため、事前に管轄の窓口で確認してください。

現在の指定案件と指定期間(コロナ特例の終了情報)

現在の指定案件の確認方法

セーフティネット保証4号を利用できるかは、国による災害等の指定状況によります。最新の指定案件を確認する最も確実な方法は、中小企業庁の公式ホームページを参照することです。

ホームページでは、現在指定されている災害の名称、対象地域、指定期間などが一覧で公表されています。4号は地域指定の制度であるため、自社の事業所が対象地域に含まれているかを確認することが不可欠です。不明な点があれば、所在地の市区町村の担当窓口に直接問い合わせるのが確実です。

指定期間と認定申請の有効期限

セーフティネット保証4号には、2つの重要な期間があります。

覚えておくべき2つの期間
  • 指定期間: 事業者が市区町村に認定申請を行える期間。この期間を過ぎると申請できません。
  • 認定書の有効期限: 市区町村から発行された認定書自体の有効期間。原則として発行日から30日間です。

認定書を取得したら、有効期限である30日以内に金融機関または信用保証協会へ保証付き融資の申し込みを完了させる必要があります。期限を過ぎると認定書は無効となり、再度申請手続きが必要になるため注意が必要です。

【重要】新型コロナウイルス感染症に係る特例措置の終了について

長期間にわたり実施されてきた新型コロナウイルス感染症を理由とするセーフティネット保証4号の特例措置は、令和6年6月30日をもって完全に終了しました。これにより、現在、コロナ禍の影響を理由とした新規の4号認定申請はできません。

今後は、従来通り、地震や台風などの自然災害で被害を受けた地域が個別に指定される場合にのみ、本制度が適用されます。コロナ禍の影響で資金繰りに課題を抱えている事業者は、セーフティネット保証5号や政府系金融機関の融資制度、伴走支援型特別保証など、他の支援策を検討する必要があります。

資金使途が「借換」に限定された場合の具体的な対応

コロナ特例の運用末期には、資金使途が既存債務の「借換」に限定される変更がありました。これは、新規の運転資金供給から、既存のコロナ融資の返済負担を軽減する支援へと政策の重点が移ったためです。

借換に限定された場合、融資金は手元の現金を増やす目的では使えず、主に以下の目的で利用します。

借換の主な目的
  • 既存の借入金の返済期間を延長し、月々の返済額を圧縮する。
  • 元金の返済を猶予する「据置期間」を再設定する。
  • 複数の借入金を一本化し、返済管理の負担を軽減する。

これにより、足元のキャッシュフローを改善させることが可能になります。借換を申し込む際は、単に返済を先延ばしにするだけでなく、どのように事業を立て直すかを示す経営改善計画を金融機関に提示することが不可欠です。

申請から融資実行までの手続きの流れ

ステップ1:事業所の所在地の市区町村へ認定を申請する

融資手続きは、事業所の所在地を管轄する市区町村の担当窓口(産業振興課など)で認定申請をすることから始まります。事前に必要書類を確認し、指定様式の申請書を入手します。

申請書には、売上高が減少した事実を証明する数値を記載し、その根拠となる決算書や売上台帳などの資料を添付して提出します。手続きを円滑に進めるため、事前に取引金融機関に相談し、書類作成のサポートを受けたり、代理申請を依頼したりするのが効率的です。

ステップ2:市区町村から認定書を取得する

提出した書類に不備がなければ、市区町村長名で認定書が発行されます。発行までの期間は自治体により異なり、即日発行から数日を要する場合まで様々です。

この認定書は、あくまで信用保証協会に保証を申し込むための資格証明書であり、融資の実行を約束するものではありません。受け取った際には、記載内容に誤りがないか確認し、発行日から30日間という有効期限を念頭に、速やかに次のステップへ進む必要があります。

ステップ3:金融機関へ融資を申し込む

有効期限内に認定書を金融機関へ持参し、正式に融資を申し込みます。この際、金融機関所定の借入申込書や、事業計画書、資金繰り表、納税証明書などの追加書類の提出が求められます。

金融機関は、認定書の内容を確認した上で、独自の融資審査を開始します。審査では、返済能力や資金使途の妥当性などが総合的に判断されます。認定申請の段階から金融機関と連携しておくことで、この審査プロセスをスムーズに進めることができます。

ステップ4:信用保証協会の審査を経て融資が実行される

金融機関での審査後、その申し込み内容は信用保証協会へ送られ、保証の審査が行われます。信用保証協会は、提出された書類に基づき、保証を付与することが適当かを最終的に判断します。

保証協会の承諾が得られると、金融機関に「信用保証書」が発行され、融資契約の手続きへと進みます。契約完了後、指定の口座に融資金が振り込まれます。申し込みから実行までの期間は、通常1ヶ月から2ヶ月程度が目安です。

認定書取得後に金融機関・保証協会の審査で注意すべきこと

認定書の取得は、融資の確約を意味しません。金融機関や信用保証協会の審査では、売上減少の事実だけでなく、事業者の返済能力が厳しく問われます。審査で特に注意すべき点は以下の通りです。

金融機関・保証協会の審査における主な注意点
  • 実質的な返済能力: 債務超過や継続的な赤字状態にある場合、審査は難航します。
  • 税金・社会保険料の滞納: 滞納がある場合は原則として審査を通過できません。
  • 既存借入の状況: 他の借入で延滞がある場合や、過去に代位弁済を受けている場合は極めて困難です。
  • 事業計画の妥当性: どのように経営を立て直し、返済原資を生み出すかを具体的に示す必要があります。

セーフティネット保証4号の認定申請に必要な書類

【法人】の場合に必要な書類

法人が申請する場合、一般的に以下の書類が必要となります。自治体によって細部が異なるため、必ず事前に確認してください。

法人の主な必要書類
  • 認定申請書(市区町村の指定様式)
  • 履歴事項全部証明書の写し(発行後3ヶ月以内のもの)
  • 直近2期分の法人事業概況説明書、決算報告書、確定申告書の控え
  • 売上高の減少を証明する書類(月次試算表、売上台帳など)
  • 許認可証の写し(許認可が必要な事業の場合)
  • 委任状(金融機関などが代理で申請する場合)

【個人事業主】の場合に必要な書類

個人事業主が申請する場合、一般的に以下の書類が必要です。

個人事業主の主な必要書類
  • 認定申請書(市区町村の指定様式)
  • 直近の所得税確定申告書(第一表、青色申告決算書または収支内訳書)の控え
  • 売上高の減少を証明する書類(売上台帳、現金出納帳など)
  • 本人確認書類の写し(運転免許証、マイナンバーカードなど)
  • 許認可証の写し(許認可が必要な事業の場合)
  • 委任状(金融機関などが代理で申請する場合)

書類作成・提出時における共通の注意点

書類の準備にあたっては、以下の点に共通して注意が必要です。

書類作成・提出時の共通の注意点
  • 印鑑: 申請書には法人の場合は代表者印(実印)、個人の場合は実印を鮮明に押印します。
  • 修正方法: 記載を誤った場合、修正液や修正テープは使用せず、二重線で訂正し訂正印を押します。
  • 計算の正確性: 売上減少率は、計算結果の小数点第2位以下を切り捨てて記載します。
  • 書類の整合性: 申請書に記載する売上高と、添付する売上台帳などの根拠資料の数字は完全に一致させてください。

売上減少を証明する書類の準備と説明のポイント

売上減少を証明する書類は、審査担当者が内容を迅速かつ正確に理解できるように準備することが重要です。売上台帳などの該当箇所にマーカーを引いたり、付箋をつけたりする工夫が有効です。

また、なぜ災害によって売上が減少したのか、その因果関係を明確に説明できるように準備しておきましょう。例えば、「台風による店舗浸水で○日間休業したため」といった具体的な理由です。

さらに、今後2ヶ月間の見込み売上高については、受注残や過去の季節変動などを基にした合理的な根拠を示す必要があります。これらの準備を丁寧に行うことが、円滑な審査につながります。

セーフティネット保証4号と5号の主な違い

対象となる災害・業種の違い

セーフティネット保証4号と5号の根本的な違いは、支援対象の指定方法にあります。4号は「地域」を指定する制度で、災害などで被害を受けた特定の地域に所在する、原則全業種の事業者が対象です。

一方、5号は「業種」を指定する制度です。全国的に業況が悪化している業種が指定され、その業種を営む事業者が対象となります。所在地域は問いません。

売上高の減少要件の違い

売上高の減少率の基準も異なります。4号は突発的で甚大な影響を想定しているため、「20%以上の減少」という厳しい要件が課されています。

対して5号は、より広範な業況悪化に対応するため、原則として「5%以上の減少」と、比較的緩やかな基準になっています。

どちらの制度を利用すべきかの判断ポイント

4号と5号では、保証内容や要件に明確な違いがあります。どちらの制度を利用すべきか、以下の表を参考に判断してください。

比較項目 セーフティネット保証4号 セーフティネット保証5号
指定対象 地域(災害等で被害を受けた市区町村) 業種(全国的に業況が悪化している業種)
対象事業者 指定地域内に所在する原則全業種の中小企業 指定業種に属する全国の中小企業
売上減少要件 20%以上の減少 5%以上の減少(原則)
保証割合 100%保証 80%保証
保証限度額 別枠で最大2億8,000万円 別枠で最大2億8,000万円(4号と共通枠)
セーフティネット保証4号と5号の主な違い

もし4号と5号の両方の要件を満たす場合は、金融機関のリスクがゼロになる100%保証の4号を優先して利用するのが一般的です。4号の要件を満たさない場合や、指定地域外である場合に5号の利用を検討するというのが基本的な流れになります。

セーフティネット保証4号に関するよくある質問

新型コロナウイルス感染症に関する特例はいつ終了しましたか?

新型コロナウイルス感染症を理由とするセーフティネット保証4号の特例措置(全国47都道府県指定)は、令和6年6月30日をもって完全に終了しました。現在、コロナ禍を理由とした新規の認定申請はできません。

個人事業主もセーフティネット保証4号の対象になりますか?

はい、対象になります。中小企業信用保険法上の「中小企業者」には個人事業主も含まれます。ただし、確定申告を行うなど、事業の実態を客観的に証明できることが前提です。

市区町村から認定書が発行されれば、必ず融資を受けられますか?

いいえ、融資が確約されるわけではありません。認定書はあくまで保証審査の前提条件を満たしたことの証明であり、融資の可否は、その後の金融機関と信用保証協会による独自の審査によって最終的に判断されます。

申請から認定書の受け取りまでの期間はどのくらいですか?

自治体の事務処理能力や窓口の混雑状況によりますが、書類に不備がなければ通常3日から1週間程度が目安です。災害発生直後は申請が集中し、さらに時間がかかることもあります。

セーフティネット保証4号と5号は併用できますか?

はい、併用は可能です。ただし、保証の限度額は共通の「別枠保証」として管理されます。別枠保証の限度額(最大2億8,000万円)は4号と5号の利用額の合計で計算されるため、単純に保証枠が2倍になるわけではありません。

まとめ:セーフティネット保証4号を正しく理解し、緊急時の資金繰りに備える

本記事では、セーフティネット保証4号の制度概要から申請手続きまでを解説しました。この制度は、自然災害など突発的な事態で売上が20%以上減少した中小企業を対象に、100%保証という強力な支援を行うものです。利用するには、まず事業所所在地の市区町村から認定を受ける必要があり、手続きには正確な書類準備が欠かせません。コロナ特例は終了しましたが、今後起こりうる災害に備え、制度を正しく理解しておくことは極めて重要です。万が一の際には、本記事を参考に速やかに取引金融機関や自治体窓口へ相談し、事業継続のための資金確保に繋げてください。

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